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第2回都立オープン体験記

 この大会は1997年11月30日に開催されたオープン大会です。 資料提供:沼屋暁夫


 1996年12月14日。一つの大会が、あと数分で終焉を迎えようとしていた。都立オープン決勝戦の大詰め。早押しの遅い私にしては珍しいことに、2番手の鈴木亮に対しすでに6点差を付け、優勝まであと1○とリーチをかけていた。それでも亮は追いすがり、その得点差を3つにまで縮めた。こんな状況になったのは初めてだったので、大量リードしている状態で追いかけられることがこんなに嫌なモノだということも当然初めての経験だった。そんな苦しいはずの状況下にありながらも、「いつまでもこの時が続いて欲しい」という変な気もあった。だが、今がいつまでも続くことなど無いことは分かっていた。この大会を終わらせるのは亮ではなく、自分である。

問題「テレビの「Xファイル」シリーズの他、トマス・ハリスの「羊たちの沈黙」/」

「これは作った!!」そう心の中で叫ぶと同時にボタンを押し、解答権を取っていた自分がいた。

舟太「ロバート・K・レスラー!!」


 月日の経つのは早いもので、あれからもう1年が過ぎた。“第1回”の都立オープンは広告戦略等がうまく行かなかったため、参加人数が19人しか集まらず、史上最少規模のオープン大会としてクイズ界に名前が残った。そんな訳で、私はその最少規模の優勝者なのである。今回はディフェンディングチャンピオンとして参加するのだが、あまりその実感はない。第1回都立オープンは規模こそ小さかったが、開催からわずか3ヶ月で問題集を発行し、都立大のサークル自体がオープンで精力的に活動を行ったため、クイズ界での都立大学の知名度はこの1年でかなり高いものになっていた。そうなるとサークル自体がレベルアップしているので、昨年とは訳が違う。それに加えて、この1年間で30ものオープン大会が各地で開催されたせいもあるのか、“二連覇”というキーワードにピンと来ないのである。

「優勝候補はやっぱり春日だろうな。それと昨日決勝に行った神野、Ryuさん、深澤、それに沼田辺りかな。」

都立オープンはバラエティ路線に見られがちだが、問題・企画はちゃんとしているので、番狂わせは起こりづらいだろうという考えがあった。先に挙げた5人の勝負だと思いつつ、南大沢へ向かうため新宿駅から京王線に乗り込んだ。


1R:ペーパークイズ(全員→全員)

 南大沢駅周辺には目立った店が無く、食べ物を買える場所はマクドナルドくらいしかない。人通りが去年と変わらず少ないため、わずかな集団でもかなり目立つ。昨日の早稲田オープンの飲み会後、家に帰らずそのまま来た数名が眠い顔をしていた。去年はコロニーが形成されるほどの人はいなかったので、この様子だと昨年の2倍、いや3倍は来ていそうである。
 昨日の早稲田オープンで久々に大ブレイクしたRyuさんと、昨日の早稲田オープン、これからの早稲田について話しつつ、駅から一直線の道のりである都立大学に向かう。
 ぱらぱらと参加者が教室に集まり、ペーパー開始時には昨年の3倍増の66人が揃った。配られたペーパークイズの裏面には、元祖ヌーである沼尾氏の変なイラストがあり笑ってしまった。ややあってペーパークイズ開始が告げられた。
 問題を数問読んだところ、分かる問題がいつもより少ない。予選落ちこそ無いとはいえ、ここの成績は2・3Rに大きく響いてしまうので、半分は取っておきたかったのだが、分からないものはしょうがない。
 解答欄がまともに埋められないまま終了。自己採点で、20点も取れていなかったことにガックリした。100人規模の大会だったら、当落線上の可能性も高い。決して調子は悪くなかったのだから、そろそろ自分もクイズ界の流れに着いていけなくなったのかなぁ〜と不安になる。
 しばらくすると、沼田、日高の慶応の若手2人が遅刻してきた。沼田に話しかけると、「コンビニでアイス買おうとしたら、店員がもたついて....」との返答。アイスを買おうとして遅刻するなんて....てな理由を聞いた。とりあえずまだ2R開始前ということで、主催側の措置でペーパー最下位扱いという形で参加することになった。


2R:全員参加早押しクイズ(全員→?人)

 遅刻者が2人いたことで参加人数は68人となり、このラウンドは7組に分けて、合計42人が3Rに進出することが決まった。ルールの性質上、最下位から順に呼ばれるはずだったが、司会が勇み足をしていきなりペーパー1位の木下良太を発表してしまい、大いに盛り下がる。
 で、最下位から発表ということで、日高、沼田が最初に呼ばれる。続いて「66位曽根健夫、65位中西亮人」と、実質上のペーパー最下位として名前が発表されるのは本人にはえらい迷惑だが、回りは笑うばかりである。ちなみにこの曽根さんと中西は、第1回都立オープンのセミファイナリストなんだけれどなぁ。
 1Rの1組目は2○1×で8人中3人抜け。3問目に日高が誤答して失格するとネームプレートを破り捨てるというパフォーマンスを見せる一方、沼田はしっかり2○を取って、最初の3R進出者となった。
 3組目、50位という成績で昨年4位の安部和洋さんがいたが、若手のプレイヤーの前に敗れる形で消えていった。昨年3位の岩田浩幸さんが不参加なので、昨年のファイナリストは私と亮だけになった。また、昨年のセミファイナリスト6人は、すでに4人が敗退し、この組の中居優君がやっと一人目の3R進出を決めた。
 5組目。21位〜30位の組で、そろそろオープン予選通過の常連どころが混ざってきた。22位まで呼ばれたところで「ペーパー悪かったけれど、この組ではまだ呼ばれんだろう」と、次に備えるつもりでいたら、21位で呼ばれる。リバティでは何かこの成績を疑問視する向きがあったようで、「わざと手を抜いた」みたいなことを言われたが、私がそんな器用なことができるはず無い。それにしてもこの言葉自体は言われてしょうがない成績ではあるが、「手を抜いた」と見られることはクイズプレイヤーとしてはムッと来るものがある。
 私が組み込まれた5組目は10人中7人抜け。普段のオープンよりは勝ち抜け確率が高いので、普段通りのペースで行けば大丈夫だろうと高を括っていた。ところが始まってみると、解答権がまともに取れない。小林紀俊君、高橋次郎さんことべーつるさんの2人が抜けた段階でまだ解答権を一回も取っていない。マズイな〜という状態だったが、9問目に「チェコの作家で....「山椒魚戦争」/」でやっと解答権を取ることができ、「カレル・チャペック」を正解して1○。その後も解答権がなかなか取れず、その間に奈良間貴洋と松尾浩が抜けて残る席は3つ。15問目に「レイバン」を正解してどうにか5位抜け。勝ち抜けはしたものの「ダメだなぁ〜、やっぱり流れから取り残されつつあるんじゃないのか?」と、1Rからの不安がさらに強くなる。
 6組目、強豪がほとんどを占める中での10人→8人。1位〜20位の組は「勝ち抜けが当たり前」的な状況下で戦うので、誰が負けるのかが注目であり、挑戦者はかなりプレッシャーがかかるだろう。そんなプレッシャーがかかったのか、丸山さんが2×で失格。次々勝者が決まっていき、最終的に松石と舛舘さんの両者が1○での一騎打ちとなる。23問目、舛舘さんが解答権を取ったが誤答。24問目、今度は松石が解答権を取り、こちらはちゃんと正解してラスト抜け。松石ってホントにラスト抜けが多いなぁ。舛舘さんは今回も苦手の2○2×で敗退。実力はあるのに、何でこんなに2○2×に弱いのか不思議である。
 最終組はペーパーベストテン。このメンバーの誰か一人が敗退するということで、挑戦者のプレッシャーは相当なものだろう。1問目は深澤が先取。すると深澤がいきなり「青年の主張」のように身振りを交えて講釈を始め、「主催者が一生懸命用意して作ったネームプレートを破るなんて....」と、日高のパフォーマンスを叱責する主張をし、会場から笑いと拍手を受ける。で、その主張でしばし中断したあと、深澤が4、5問目を連続誤答して失格した。他の9人の勝ち抜けが自動的に決定し、「えぇ〜〜〜い!!」という声と共に深澤もネームプレートを真っ二つに破って、沼田から「このネームプレートは主催者が夜なべをして作ったのに....」とやって、会場からの笑いを取った。

3R進出者

1組目 予選67位:沼田正樹
予選61位:平田了
予選63位:森本力
2組目 予選52位:千葉陽太
予選51位:浦辺達也
予選54位:中島浩太郎
予選53位:木下喜伸
3組目 予選42位:宮前誠
予選46位:中居優
予選44位:山本信一
予選49位:樋口知彦
予選45位:木村俊孝
4組目 予選35位:永井健吾
予選31位:高巣伸一
予選38位:山下淳
予選33位:板屋雄介
予選34位:高田正浩
予選36位:菅原誠治
5組目 予選27位:小林紀俊
予選23位:高橋次郎
予選22位:奈良間貴洋
予選26位:松尾浩
予選21位:鈴木舟太
予選29位:青柳雄造
予選28位:多田光伸
6組目 予選18位:佐藤崇夫
予選14位:西村友孝
予選11位:春日誠治
予選19位:高橋誠司
予選16位:金田浩輔
予選17位:板垣英夫
予選20位:上平文計
予選15位:松石徹
7組目 予選10位:池田忍
予選 1位:木下良太
予選 2位:新井浩
予選 4位:中溝充雄
予選 5位:大村哲也
予選 6位:神野芳治
予選 7位:高山慎介
予選 8位:鈴木亮
予選 9位:山本剛


<一口メモ>


3R:一問多答ぐるぐるクイズ(?人→30人)

 ルールの性質上、ペーパー下位陣は圧倒的に不利、上位陣には勝利が約束されている。私の順位は21位なので、2R6・7組目の勝者17人の次、18番目に解答権が回ってくる。42人→30人という率からすれば、このラウンドも普段通り行ければ勝ち抜けられるが、先程からの不安は拭えない。
 1問目は、ペーパー1位の木下良太が選択できる。木下が選択した問題は「源氏物語の五十四帖」。問題が読み終わると同時に、私の頭の中では「漢字一文字の幻、葵、蛍....宇治十帖でネタによく使われる橋姫、椎本、手習、夢浮橋....桐壷、帚木、空蝉、夕顔....朝顔、夕霧、鈴虫、若菜上、若菜下、末摘花、須磨、明石....」と、記憶している限りの巻名を次々候補として挙げていく。一問多答は記憶の保持力も重要なので、あとから下手に思い出す作業をするよりも、最初に候補を絞って、それを答えられたら消していくという風にした方が効果的だと考えての作戦だった。さすがにペーパー上位陣はそつが無く、私の前まで17人全員が1点を確保。とりあえずこの問題で1点を確保できれば御の字であったので、まだ頭の中の候補に残っていた「幻」を正解して1点。以降は正解と誤答が半々というペースで進み、私の候補がほとんど消された状態で2巡目に入った。木下は誤答したものの、新井さんはしっかり正解して、このラウンドをトップで抜け、中溝さん、大村さんの地方組、スズリョー、Ryuさんの早稲田ニックネームコンビ、高橋誠さんも続いて私に解答権が回ってくる。内心、「やった、ラッキー!」と思いつつ、候補に唯一残っていた「葵」を正解して、1問目・7位抜けという出来過ぎの成績で勝ち抜けられた。
 勝負の方はその後も続いていたが、私は4Rのコーナー別を戦うコースを選択するため、勝者席に並ぶ。誰がどこを選択しようと、私はボードを選ぶことを決めていたので、ボードクイズの欄に名前を書き込む。
 その後、「2世以上がいるローマ皇帝」「ビートルズのアルバム」「ギリシャ神話の十二神」が選択され、わずか4問で勝負は決まった。ペーパー下位扱いだった沼田がまさかの敗退を喫した。今後、遅刻はしないようにという教訓として生かしてもらいたい。

4R進出者

1問目
勝ち抜け
予選 2位:新井浩
予選 4位:中溝充雄
予選 5位:大村哲也
予選 8位:鈴木亮
予選 9位:山本剛
予選19位:高橋誠司
予選21位:鈴木舟太
予選26位:松尾浩
予選36位:菅原誠治
2問目
勝ち抜け
予選 1位:木下良太
予選 6位:神野芳治
予選 7位:高山慎介
予選10位:池田忍
予選11位:春日誠治
予選15位:松石徹
予選16位:金田浩輔
予選17位:板垣英夫
予選18位:佐藤崇夫
予選20位:上平文計
3問目
勝ち抜け
予選14位:西村友孝
予選27位:小林紀俊
予選29位:青柳雄造
予選31位:高巣伸一
4問目
勝ち抜け
予選22位:奈良間貴洋
予選23位:高橋次郎
予選34位:高田正浩
予選42位:宮前誠
予選44位:山本信一
予選45位:木村俊孝
予選49位:樋口知彦


4R[1]:ヌークイズ

挑戦者
予選 6位:神野芳治
予選 7位:高山慎介
予選 8位:鈴木亮
予選 9位:山本剛
予選36位:菅原誠治
予選44位:山本信一
 挑戦者を見ると、ペーパー1ケタの4人の勝負になりそうで、菅原さん、山本信一さんのベテラン2人にはちと厳しい相手が揃ったという印象。さらに4人に絞れば、実力的にまず神野が来て、それに亮とRyuさんが続いて、やや決め手に欠ける高山が一歩落ちるかという感じである。
 ルール名は「ヌークイズ」だけれど、ルールを見れば分かるとおり、ネオサバイバルクイズである。サバイバルクイズとネオサバイバルクイズはルールこそ似ているが、全然違うタイプの形式である。サバイバルは要所を押さえる形式なのに対し、ネオサバイバルは勢いに乗った者が有利になる形式なので、ここでは誰が勢いに乗れるかという点が見どころである。

1問目「声を演じているのは置鮎龍太郎。克也、まこと、美樹、郷子、広らの生徒をようする童守小学校5年3組/」
神野「地獄先生ぬ〜べ」

 神野がこの正解で先制点を取るや、一気に畳みかけてわずか8問で5○とし、他の5人を寄せ付けないままあっと言う間にリーチをかける。その後は一息着いて、13問目に高山がやっと2○として、1ラウンド2人目の定員になる。

14問目「94年にはWHOが、ガンの発生と明らかに関わりがあるという「グループ1」にランク付けている、これを抗生物質で殺すことにより、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の再発が抑えられる/」
神野「ヘリコバクター・ピロリ」

 高山がやっと1ラウンドを突破するやいなや、神野が早くも4ラウンドを通過し、準決勝進出を決めた。
 神野の横綱相撲で枠はあと一つ。亮、高山、Ryuさんの3人が接戦の様相を呈し始め、23問目に3人が3○で並ぶと、2ラウンドの定員が埋まってしまったので菅原さんと山本信一さんは同時に失格となった。
 3ラウンドは1ポイントで定員が埋まるので、1問1問が大事となる。24問目はRyuさんが誤答。25問目、亮と高山の一騎打ちは亮が取り、最終ラウンドを戦う権利を得る。26問目、その亮が連続で解答権を得たが誤答で2休。今度はRyuさんと高山の一騎打ちで、ここでも高山はRyuさんに敗れ、3ラウンドの定員が埋まったことにより失格。
 最終ラウンドに残ったのは亮とRyuさん。両者とも4○なので、先に2○を取った方が勝利なのだが、26問目の誤答で亮はまだ1問休みであるため、28問目はRyuさんのゴールデンハンマー状態。数行に渡るなが〜い問題を読ませ切ったあとで確実に「へびつかい座」を正解してRyuさんが先にリーチ。

29問目「昭和10年頃封切られたショパンの伝記をフィクションで劇的に仕立て上げたフランス映画で全編に渡って使われまくったため、元々タイトルなど付けられていなかったのに我が国においては普通その映画の邦題で現在は呼ばれるという、正しくは「エチュード 作品10の第3番」/」
Ryu「別れの曲」

 昨年の準優勝者・鈴木亮に対し別れの問題を正解し、Ryuさんがこのラウンド2人目の勝者となった。

1ラウンド神野芳治高山慎介鈴木亮 Ryu −−−−
2ラウンド神野芳治鈴木亮 高山慎介Ryu 
3ラウンド神野芳治鈴木亮 Ryu 
4ラウンド神野芳治Ryu 

神野芳治 6○1× 14問目勝ち抜け
山本剛  6○3× 29問目勝ち抜け
鈴木亮  4○2× 29問目失格
高山慎介 3○2× 27問目失格
山本信一 1○   23問目失格
菅原誠治      23問目失格
 神野が最初から勢いに乗ってあっと言う間の勝ち抜け。後半、3人の争いとなってからはRyuさんが流れを自分に傾けて、最後は3連取で高山、亮を倒しての勝利。神野はパワーで押し切り、Ryuさんは勝負どころで勢いに乗れたのが勝因だろう。


<一口メモ>


4R[2]:ボードクイズ

挑戦者
予選15位:松石徹
予選17位:板垣英夫
予選21位:鈴木舟太
予選26位:松尾浩
予選45位:木村俊孝
予選49位:樋口知彦
 さっきの神野とRyuさんの勝ちっぷりを見ていて、「去年とは比較にならないくらい準決勝・決勝は凄い戦いになりそうだな〜、まぁ、自分はその勝負争いを外で見るお客さんになるから、先は考えなくていいだろう」と、かなりブルーが入っていた。
 それはそれとして、このラウンドの挑戦者は、私を除けば若いメンバーが揃った。パインストーンとパインテールという、浅田好未と西本はるかのパイレーツに対抗するパインレーツに木村君の慶応勢3人と、先程敗退した亮に昨年一騎打ちボードで惜敗した板垣、明治の有望株・樋口君と、何とな〜く「世代交代」という言葉が頭にちらつきそうな相手ばかりである。
 1、2問目は、誰かが正解しそうな問題ではあったが全員不正解。

3問目「その直径538kmは、1003kmのケレス、608kmのパラスに次ぐ3番目であるものの、地球からの距離が比較的近いため、平均等級6.8等と、全ての小惑星の中で最も明るく輝く、ハインリヒ・オルバースが発見した、ケレス、パラス、ジュノーに次ぐ太陽系の第4小惑星は何?」

読み始めの段階でケレスとパラスが出たので、ジュノーかベスタだろうと二択に絞り込んでいたら、最後にジュノーを読んでくれたので自信を持って「ベスタ」を正解。2点か3点かと予想していたら、他に正解をしたのは松石のみで4点を先取。「ふっ、まだまだみんな青いな」とか余裕をかませる身分ではないが、「四大小惑星って基本じゃなかろうか?」という点では、若い衆には力を付けてもらいたいと感じた。
 しかしそんなことを考えたりした天罰か、4問目の「愛と死を見つめて」を思い出せず大量点のチャンスを逃し、7問目には昔作ったはずの「ロイ・エマーソン」を松尾に単独正解され2位に落ちる。そして悪いことは続くもので、10問目の「カムカム英会話」を、テーマソングの方の「カムカムエブリボディ」で答えてしまい追加点がなかなか取れない。
 12問を終了した段階で、トップは松尾の5点、2位は私と松石の4点、他の3人は0点と、低レベルでの争いとなってしまった。私としては飛び出す人がいなくて助かっているという状態だが、見ている人は退屈だったろう。まだまだ点差は開いていないので全員にチャンスがあり、残り8問に勝敗を託すことになった。

13問目「肉食動物は、その食べる肉の取り方によって2つのタイプに分けられます。ハイエナ、ハゲタカのように動物の屍肉を食べるものをスカヴェンジャーというのに対し、ライオン、ワシのように生きた動物を捕らえて食べるものを、アーノルド・シュワルツェネッガー主演の映画のタイトルになったことでも知られる言葉で何という?」

 スカヴェンジャーという単語は知らなかったが、最近この映画を見ていたのでフッと答えになる単語が浮かび、後限定でしっかり確定できたので、この「プレデター」で待望の追加点を挙げる。続く14問目は「アニメ「エースをねらえ!」の主人公」で、懐かしいな〜と思いつつ「岡ひろみ」を正解。この2問は板垣も正解しており、共に8点を追加。
 15問目は「ニューヨーク生まれのプエルトリコ人を、ニューヨークとプエルトリカンの合成語で....」という問題。恐らく全員がカンで解答していたのだろうが、この「ニューヨリカン」を木村君が単独正解。17問目は、とあるG1レースを答えさせる競馬問題が来て、カンで当たる可能性はあったが、挑戦者の中で唯一人知っていた松尾が「朝日杯3歳ステークス」を単独正解。これで10点として板垣を抜いて単独2位に浮上。
 18問目は全員不正解。残り2問の段階で、私が12点、松尾10点、板垣8点、木村5点、松石4点、樋口0点。

19問目「1956年2月、アメリカ南部で、バスの白人専用シートに座り、運転手の注意も無視したため逮捕された黒人女性で、そのニュースを聞いたマーチン・ルーサー・キングによってバス不使用のボイコット運動が起こり、381日続いた末、座席の人種による区分が撤廃されたというエピソードで知られるのは誰?」

 第4回のK−1でも出題されていたこともあり、前フリを聞いた段階で早々と「ローザ・パークス」を書き上げてホッと一息。慶応勢3人は取るだろうと思っていたら、松石だけが正解、それに板垣も正解していたので3点を追加。これで私は15点とし、20問目を待たずに勝ち抜けを決定。最後の席は、11点の板垣、10点の松尾、7点の松石の3人に絞られた。

20問目「兄のアントンはピアニストとして当時のヨーロッパにおいてフランツ・リストと並ぶ名声を博し、ロシア音楽協会、ペテルブルグ音楽院を創設。弟のニコライは新進のチャイコフスキーを育て、モスクワ音楽院を創設という、19世紀のロシアの音楽史上に大きな功績を残したこの兄弟の名字は何?」

 松石の勝利条件は単独正解なので、松石は正解していても私が正解すれば負けるのだが、そんなことはお構いなしに「ルビンシュタイン」を解答。全員のボードが上がって確認すると、私、松尾、松石の3人が同じ解答。「あっ、別に俺の解答は関係なかったな」と、ひとりごちた。板垣を逆転して2人目の勝者となった松尾が会場から拍手を受けていた。

問題舟太松尾松石板垣木村樋口
 3問目○4○4
 7問目○5
13問目○8○4
14問目○12○8
15問目○5
17問目○10
19問目○15○7○11
20問目○18○13○10

 昨年優勝者とは思えない勝ち方だったが、私としてはあれだけの状況でトップ抜けできたのは儲けものであった。2位は2度の単独正解で松尾が入り、昨年同様最後の問題を正解されて板垣がまたボードで惜敗。松石は私以上に不調だったようで、木村君、樋口君は今後に期待というところか。


<一口メモ>


4R[3]:変化球早押しクイズ

挑戦者
予選 1位:木下良太
予選 4位:中溝充雄
予選10位:池田忍
予選11位:春日誠治
予選19位:高橋誠司
予選31位:高巣伸一
 ルール自体は単純なので、木下、中溝さん、忍、春日のペーパー上位4人が有力どころで、高橋さんと高巣の2人がどれだけ迫れるかという印象。
 1問目の「牟礼」はスルー。2問目は春日、3問目は高巣が誤答と、やや荒れた出だし。また、ルールが単純なせいか、問題が前の2つのラウンドと比較して(早押しにしては)難しめになっており、このラウンドは難問特有のスローな展開となった。

4問目「双葉山の69連勝、昭和11年春場所7日目に1勝目をあげた相手は瓊ノ浦、では昭和14年春場所/」
春日「駒ノ里」

5問目「かつて「高気圧ガール」を歌ったのは山下達郎ですが、今年の夏「高気圧」という意味がある」
高橋「T.M.Revolution」

6問目「東京都の本土に唯一存在する村は檜原村、では鎌倉末期に楠木正成が幕府軍に抗った2つの城の址が残ること/」
春日「千早赤阪村」

9問目「毎年1月2日と3日に行われる箱根駅伝で、他の区間より距離が長いため各大学の主力が走る「エース区間」と呼ばれるのは第2区ですが、小田原から箱根まで/」
高橋「第5区」

 10問を終わった段階で、得点を取っているのは春日と高橋さんの2人が共に2○。11問目、高橋さんが3○として勝ち抜けまであと2○。かなり優位な位置につける。
 中盤戦に入ってもスローペースは続き、木下、高巣は難問題に手が出ない。中溝さんと忍がやっと1○とするが、春日が17、19問目を取って4○2×でリーチ。
 残り10問で、ここらで勝負に出ないと離されると読んだか、中溝さんが攻めに出て、21問目は正解するが22問目は誤答で2○1×。23問目、全体のペースからして安全圏にいた春日が「盛り場ブルース」を読んだ所で解答権を取り、「森進一」を正解して勝ち抜け。
 春日が勝ち抜けはしたが中溝さんの攻めは続き24問目に「山内一弘」を正解して、3○1×で高橋さんに並ぶ。さらにここまで全く動きを見せなかった木下が25、27問目を正解して2○とし2人に迫る。

29問目「東京オリンピックの50km競歩の折り返し点が置かれたのは東京都府中市、ではマラソンの折り返し点が置かれたのは東京都何市?/」
高橋「調布市」

 残り2問となったところで、高橋さんが正解して4○と抜けだし、これであとは中溝さんが追いつけるかどうかという状況になった。最後の問題で、高橋さんは誤答しても....という所だが、

30問目「落語「崇徳院」のネタとなった百人一首77首目の崇徳院の歌は「瀬を早み岩にせかるる滝川のわれても末にあはむとぞ思ふ」。では落語「千早ふる」の/」
中溝「ちはやぶる神代もきかず竜田川から紅に水くくるとは」

中溝さんが百人一首の歌一首を答えきり、再び同点として高橋さんとのサドンデスに持ち込む。こうして劇的な展開ではあったが、サドンデスは中溝さんが誤答してあっさり決着。2つ目の席には高橋さんが着いた。

春日誠治 5○2×    23問目勝ち抜け
高橋誠司 4○1×    判  定勝ち抜け
中溝充雄 4○1×(×)
木下良太 2○
池田忍  1○
高巣伸一   1×
 終わって見れば、まず春日の勝利は本命通りというところか。中溝さんに追い付かれはしたものの、高橋さんが私の予想を超える活躍で2位に入って準決勝へ進んだ。木下と忍の慶応勢は思ったよりも解答権を取れなかったようで、高巣はボードでの木村君ら同様に今後に期待である。


<一口メモ>


4R[4]:早押しボードクイズ

挑戦者
予選 2位:新井浩
予選14位:西村友孝
予選16位:金田浩輔
予選20位:上平文計
予選22位:奈良間貴洋
予選23位:高橋次郎
 挑戦者の面々からして、最近の傾向に慣れているペーパー上位3人が優勢で、奈良間とべーつるさんの中堅どころがどう挑むかという構図。私は駒沢大の上平さんは知らない名前であったが、私より予選順位が上なのだから相応の実力は持っているのだろう。
 それにしてもこの早押しボードのルールにはちょっと疑問があった。参加者が6人しかいないのだから、凄い押しで単独正解しても5点しか入らない上、それに対して誤答は最低3点の減点が保証(?)されているのはちょっとおかしな気がするのだが。

1問目「母親がヒロポン中毒で、球団から前借りした膨大な額の契約金も、そのかなりの部分が母親への“クスリ代”に消えたと言われるプロ野球選手で、ホームランをポンポン打つことから「ポンちゃん」/」
高橋「大下弘」

 1問目は、テレビ番組じゃあ絶対に出題できないフリの問題。これはべーつるさんが単独正解で5点を先取。さらに、2、4問目も早押し正解し、正解者が多いことから得点こそは少ないが、心理的な優位さで流れを自分の方へ引き込んだ。

5問目「ベイツ型、ミューラー型、ペッカム型などの種類があり、英語では/」
金田「擬態」

8問目「現在の社の前身である「快進社」のスポンサーだった田謙次郎、青山禄郎、竹内明太郎の3人のイニシャルと、「ぴょんぴょんと素早く走り回るもの」をかけた言葉に、始めは息子という意味のsonだったのが、これは「損」とも読め/」
西村「DATSUN」

 べーつるさんの独走にカネキチ、西村が単独正解で追走。目立ちこそはしないが新井さんも早押し正解を2つ取り、前半10問を終わった段階でべーつるさん13点、西村10点、新井さんとカネキチが8点で集団を形成。上平さんは3点、奈良間は1点と大きく水を開けられているため、勝負は4人に絞られた。
 11問目はべーつるさん、12問目は新井さんが早押し正解し、それぞれ西村、カネキチが単独正解を阻止はしたものの、接戦での+4という高得点は大きい。
 15問目、問題が読み切られしばらくたった段階で新井さんが解答権を取りに行ったが、スルー判定の方が早く、ボードでの単独正解をしながらも高得点を逃したが、

16問目「のちに毎日新聞大阪本社運動部長/」
新井「南部忠平」

先程の問題の損失を取り返すかのような速攻で正解。これは単独正解だろうと見ていたら、何とトップを走るべーつるさんも正解。

17問目「資本金は3億8462万円。その若き会長・増田宗昭は「ディレクTV ジャパン」の社長を務めることでも知られる、アルファベット3文字でCCCと略される会社で、全国に900店舗、登録会員1400万人という日本最大のビデオ/」
高橋「カルチャー・コンビニエンス・クラブ」

さらにべーつるさんはこの駄目押しとなる単独正解で2位の新井さんに大差をつける26点で、この段階で勝利を確定。
 べーつるさんには追いつけないであろうから、新井さん、西村、カネキチの3人が残る席を争う構図となった。(それにしても、今回のコーナー別は、ほとんどがこういう1人の勝利が決まって残る1つの枠を3人が争う構図になっているなぁ)残り2問の段階で、新井さんが19点、西村が15点、カネキチが11点。

19問目「イギリス戦後唯一の三冠馬ニジンスキーが凱旋門賞でまさかの敗退をしたことがこの傾向に拍車をかけたとされる、引退後の馬の価値が三冠よりも凱旋門賞のタイトルを持っていた方が有利なため、10月最初の日曜日に行われる同レースのために実力馬ほど9月中旬に行われるこのレースを回避してしまい、結果として三冠馬が出に/」
新井「セントレジャー」

 何か前フリが変になってる問題だったが、収束したところを新井さんがうまく押さえ、上平さんとべーつるさんも正解していたが、ここまで来れば3点の追加点で十分。一応は新井さんが早押し誤答をして西村がボード正解すれば....というケースも残されてはいたが、最後の問題は金田が意地を見せて早押し正解して終了。

高橋次郎  8☆7○   29
新井浩   5☆7○   22
西村友孝  2☆8○   15
金田浩輔  2☆6○   15
上平文計    6○    6
奈良間貴洋   5○2× −3
 最近べーつるさんをオープンで見ていなかったせいもあったが、「べーつるさんって、こんなに強かったんだ」と、失礼ながらも驚かされた。20問中15問の正解はもちろんとして、そのうち8問が早押し正解。新井さんも凄いはずなのだが、べーつるさんの前に霞んでしまった。西村、カネキチはまだまだ若いし、伸びる存在だから....ありゃ?また似たようなこと言ってるな。


<一口メモ>


4R[5]:面接クイズ

挑戦者
予選 5位:大村哲也
予選18位:佐藤崇夫
予選27位:小林紀俊
予選29位:青柳雄造
予選34位:高田正浩
予選42位:宮前誠
 今回唯一のイロモノ企画である面接クイズ。イロモノとは言ったものの、ヒットすれば一般的な形式になるのではというルールである。挑戦者が一人で答えるという形式ならタイムアタックもあるのだが、出題される問題が全員同じという点が大きな違いを生んでいる。(もっとも、考案した沼屋本人は、たった10問だけで1つのラウンドを消化できるメリットがある企画として思い付いたらしいが)
 挑戦者を見ると、大村さんが大本命。残る5人が横一線という観がある。ただルールがルールだけに、誰が勝ってもおかしくは無く、予想し難いものがあった。
 企画前の順番決めにより、挑戦順序は「1.高田、2.小林、3.大村、4.佐藤、5.青柳、6.宮前」と決まった。

1人目:高田正浩
 トップバッターとして登場した高田さん。挑戦者側は何人目でも条件は同じだが、見ている側は「どんな問題が用意されているのか」という面があるので、注目が集まる。1問目、イタリアサッカーで確立された戦術っぽい前フリだったので「カテナチオ」を想像していたら、高田さんもそう考えたのか「カテナチオ」と解答したが誤答。この1問目を聞いてすぐ、あらかじめ問題を録音したテープを流し、早押し機とカセットデッキの停止ボタンを連動させている仕組みになっていることに気付く。この仕組みなら不確定要素になる「人間の発する声」も平等になる。スタッフもよく考えたと同時に、そのルールを生かすセットをちゃんと用意していたところは称賛すべき点である。
 高田さんの方に話を戻すと、3問目はスルー、2、4問目は誤答と、なかなか初日が出ない。さすがにこれ以上点が入らないままでいるのはまずいと判断したのか、5問目は確実に聞いて「LCR」を正解。6問目も問題文を全部聞いてから「ミッドウェー」を正解。落ち着きを取り戻したか

7問目「語源となったギリシャ語が「土地を測る」という意味だったため、明治の始めには「測量術」「量地術」とも訳されたが、ユークリッドの「原論」/」
高田「幾何学」

と、待望のスマッシュヒット。残る3問も確実に拾っていって、6○4×の成績で終了。

2人目:小林紀俊
 高田さんが誤答した1問目はそれとな〜く分かる段階で解答権を取って「ゾーンプレス」を正解。2問目は「徳島商業のピッチャー」まで読ませて「坂東英二」を正解。3問目は最後まで読ませて結局誤答。4問目もかなり読ませたあとで解答権を取って「松田優作」を正解。小林君はどうやら確実に取っていくことを最初から決めていたようで、無理な押しはせず正攻法で最後まで通し9○1×。ただ、あの攻め方で何点取れたかが気になるところではある。

3人目:大村哲也
 1問目は誤答、3問目はスルーとしたものの、以降は小林君よりも若干早い押しが目立ったが、7、9、10問目の終盤は小林さんよりも明らかに遅いポイントになってしまった。8○2×の成績もあるので、小林君を下回ったのではという印象。

4人目:佐藤崇夫
 1、2人目あたりはちゃんと見ていたが、よくよく考えると観客側は6回も同じ問題を聞かされるのである。(私はもう3人目あたりの時点で、イスを揃えて横になって聞いていた。)この形式が一般化するには、見ている側のことは一切考えないことを前提にしないと広まらないだろうな。  さて佐藤君の方だが、4問目の「松田優作」を早いポイントで正解して先の2人を超えるかと期待したが、6、8問目を誤答して大きな穴を開けてしまう。

10問目「ペリーが浦賀に来航した際に、江戸を守るためにいくつか作られたが、航路の邪魔になるなどの理由/」
佐藤「お台場」

最後の問題をヒットさせたが、成績は6○4×と、上位にいるであろう2人にはとどかなそうであった。

5人目:青柳雄造
 昨年のセミファイナリストだが、覚えている(or知っている)人は会場に何人くらいいるのだろうか。1問目の「ゾーンプレス」は、小林くんとほぼ同じポイントで正解。2問目もなかなかの所で正解し、

3問目「93年5月にグラスゴーでやったライヴを見たクリエイション・レコードの社長アラン・マッギーが、「ビートルズ以来のロックンロールバンドを見つけた」/」
青柳「oasis」

今まで唯一正解者がいなかったこの3問目を正解。先に言ってしまえば、この問題がラウンド唯一の単独正解となったので、他の5人が0点という状態での6点獲得は大きい。もっとも、そんな好景気になっていることなど本人は知らないので、余計なプレッシャーはかからず、最初から変わらぬ確実に正解していくクイズを続ける。

8問目「多くの場合、21番目の常染色体の不分離によって/」
青柳「ダウン症候群」

確実に拾ってはいたが、この8問目は速攻で取り、残る2問も正解して9○1×。小林くん、大村さんと互角以上の得点を挙げたのは間違いない。

6人目:宮前誠
 ラストバッターとなった宮前さん。1問目に予想だにしないポイントで解答権を取って「イタリア」と誤答。

2問目「昭和33年の夏の甲子園大会で、1試合での25、1大会投手での/」
宮前「坂東英二」

この正解には驚いたが、それ以降は見当違いの誤答を連発。速攻ではなく、無謀としか表現できないような押しを連続し、他の5人とは大きく一線を画す戦法も実らず2○8×。

 さて、クイズ自体は終了したが、やっぱりと言うべきか、集計に手間取っているようである。正解数からして小林くん、青柳、大村さんの3人の争いだろうが、いくつかあった押したポイントが重なっていた点の判定が難しそうである。
 しばらく待っていると、突如として会場の明かりが全て消えた。最初は何かの演出かと思ったが、スタッフの慌てようから、ブレーカーが落ちたと推察できた。この間、私の前に座っていた深澤と沼田がモゾモゾと服を脱ぎだし、小ネタを仕込んでいた。
 ややあって電気が戻ると、もろ肌を脱いだ深澤と沼田が騒ぎ始めて笑いを取り、中でもツボにはまったRyuさんが大爆笑していた。(Ryuさんの弁「いや〜、このラウンド中、机に突っ伏して寝ちゃったんだわ。そんで起きたら会場が暗くなってて、明るくなったと思ったら2人が裸で座ってて、何が起きてんだかわかんなくて、爆笑しちゃったわ」)
 で、電気の復旧に並ぶかのように得点が発表され、青柳、小林くんの準決勝進出が宣された。

青柳雄造 41 9○1×
小林紀俊 39 9○1×
大村哲也 32 8○2×
佐藤崇夫 26 6○4×
高田正浩 22 6○4×
宮前誠   9 2○8×
 終わってみると、確実に正解した2人が勝ち抜け。やっぱり基本に忠実なのが一番という終わり方であった。


<一口メモ>


準決勝:インフレ通過クイズ

挑戦者
予選 2位:新井浩
予選 6位:神野芳治
予選 9位:山本剛
予選11位:春日誠治
予選19位:高橋誠司
予選21位:鈴木舟太
予選23位:高橋次郎
予選26位:松尾浩
予選27位:小林紀俊
予選29位:青柳雄造
 2Rの組別で分類すると、私がいた5組目がなぜか5人と、準決勝の半分を占めている。とは言っても、新井さん、神野、Ryuさん、春日のペーパー上位4人が中心になって展開は進みそうな雰囲気。
 準決勝を戦う前、私自身は勝つ見込みはほとんど無く、お地蔵さんと化しそうな予感があった。松尾やボードで負けた4人には悪いが、正直なところコーナー別では私が勝ち上がったボードクイズが一番楽に抜けられたコーナーではという気がしてならないのである。つまりは、他の4つのコースを激戦の末に勝ち上がった相手に、勝利する可能性はきわめて低いという弱気な面が大きかったのである。
 そんな弱気な面と、見慣れた「通過」の文字があったので、席に着くまでこの準決勝のルールをよく読んでいなかった。そのため、隣にいた松尾(席順は4Rを勝ち抜けた順)が持っていたルール表を見せてもらって初めて「通過席には1問しかいられない」という重大なルールに気が付いた。ルールをすぐに噛み砕いて理解すると、二連取ではダメで、“二問連取”をしなければ決勝には行けない。しかもマイナスポイントの状態での二問連取は意味をなさない。できるだけ0ポイントの状態を維持し、通過席に立てたら攻めに出るという方式がベスト。逆に他の人が通過席に立った場合でも、−3となった時点で失格なので、迂闊な押しはできない。−2になってしまうと、よほど自信のある問題でないとボタンを押すことを躊躇してしまうからである。

1問目「ドイツのテクノレーベル、ゴルフでボールの飛距離が他の人を上回ること/」
高橋誠「オーバードライブ」

2問目「名は宝。天智・天武の両/」
Ryu「皇極天皇」

 最初の問題を取ったのは高橋誠司さん。これでもう通過席に立てるのだが、そこにいられるのは1問のみ。その問題はRyuさんが速攻で阻止をしてくれたが、第三者からすれば人が入れ替わっただけでピンチに変わりはない。そして、3問目はスルー。Ryuさんは阻止されたわけでもないのに0ポイントになって元に戻らなければならない。一体どう戦えばいいのか? そう迷っていると、4問目は松尾が誤答をして−1。ここまでの4問で、自分が分かる問題は大体6割は出題されるだろうが、解答者が10人いることを考慮して、早押しの遅い私は10問に1問正解できればいいペースだろうと分析。これでは誤答をしてしまうと挽回はしづらい。マイナスポイントになったら勝算は薄いと見て、誤答はしないことを前提に戦うことにする。
 5問目は春日が正解したが、6問目は青柳が解答権を取ったことで通過に失敗。春日を“阻止”した青柳は誤答のため−1。

7問目「本名ヘンリク・ゴールドシュミット/」
舟太「ヤヌス・コルチャック」

 リテラシ杯の早押しボードで出題し、沼田が同様のポイントで単独正解していた記憶があったので、本名押しをすることができた。このチャンスを生かしたいが....

8問目「アメリカ図書館協会賞も受けている原作を書いたのは、世界各地で死刑廃止を訴え、「空飛ぶ尼僧」とあだ名され/」
神野「デッドマン・ウォーキング」

あっさり神野に阻止される。攻めに出るというのは、ある程度解答を絞り込めないと出来ないのだから、このポイントで押されては誤答してもマイナスポイントにはならない通過席に立っていてもどうしようもない。しかも今度は神野が通過席。枠が一つ減りそうな予感。

9問目「本名ジャック・アドキッセン。長男ジャックが感電死、三男デビッド/」
Ryu「フリッツ・フォン・エリック」

 また聞いたことのある本名が読まれたが、誰だか思い出せない。問題が読み進められると私の右側でボタンを押す動きがあった。私の右には4R最初のコーナーを抜けた神野とRyuさんの2人だけだったが、その動作をしたのはRyuさんだったので命拾い....したはずだった。

10問目「1660年5月29日、清教徒革命によってフランスに亡命していたチャールズ2世/」
Ryu「コル・カロリ!!」

他人に貸したツケというものは必ず自分に跳ね返ってくる。Ryuさんが怒濤の二問連取で最初の決勝進出者となった。残る席はあと3つ。
 12問目は神野、13問目は新井さん、14問目は神野と、神野がトビトビで通過席に立っている。神野はかなり好調のようなので、遅かれ早かれ二問連取して抜けると見て、残る2つの枠にどう滑り込めるかが勝ち抜くカギであった。

15問目「95年に、物理学者ジョセフ・ロートブラットと共にノーベル平和賞を受賞した団体/」
舟太「パグウォッシュ会議」

 神野を阻止する気は無かったが、これは1995年当時、時事問題として作った記憶があった。とはいえ、よく他の8人より早く解答権を取れたものだと、自分でも驚いていた。で、2回目の通過席なわけだが、再び神野に阻止される。それにしても、正解されて阻止されるんだったらいいけれど、誤答されて阻止されるってのは何か釈然としないものがあるのだが。でも、マイナスを背負う覚悟の押しは、実力がなければ出来ないことである。実際の現状を考慮すれば、誤答覚悟で阻止に行けるのは神野だけとも取れる。今までマイナス思考だったが、この要素からワンチャンスを生かせれば決勝に行けるというプラス思考に変わり、準決勝開始前の自分はとうに消えていた。

17問目「犯行現場から白のムスタングで逃走したが3ヶ月後に逮捕され、現在テネシー州の刑務所で99年の/」
新井「ジェームズ・アール・レイ」

19問目「東京の中村高校時代は将来の全日本選手/」
春日「ヨーコ・ゼッターランド」

 新井さんと春日が速攻を決めて通過席に立つが、両者ともスルーにより通過失敗。神野を別格として、残る2つの枠は新井さん、春日と私の3人が確率的には近い状態である。
 21問目、その新井さんが誤答で−1と厳しくなる。22、23問目は神野が二問連取したものの、私を阻止した際の−1をまだ持っていたため、不運にも通過できず。

24問目「1947年、ジャッキー・ロビンソンが黒人選手として初めて入団した球団で/」
春日「ブルックリン・ドジャース」

 今までのレベルとはかけ離れた簡単な問題が来たので躊躇してしまいあっさり春日に持って行かれる。「あ〜、こんなサービス問題滅多にないだろうに」とガッカリ。

25問目「新しい学問の方向付けを行う意味から、ギリシャ語の「舟の舵を取る」/」
舟太「サイバネティックス」

 しかも直後の問題を速攻で正解。「さっきの問題が取れていれば抜けられたのに〜」と、「もしかしたらこれがワンチャンスだったのかも」という気が混ざるあたり、後悔先に立たずである。26問目は小林君に(また誤答で)阻止された。
 この時点で松尾、青柳、小林君、新井さんの4人が−1。高橋誠さんとべーつるさんは0ではあるがなかなか正解できない。勝負の形勢は徐々にだが、私にとっては有利に傾きつつあった。

27問目「「かたつむり」を意味する方言が、「デンデンムシ」「マイマイ」「カタツムリ」「ツブリ」「ナメクジ」の順に京都を中心/」
神野「柳田国男」

 正解数なら断然トップの神野が何度目かの通過席。

28問目「ロックバンド「ROXY MUSIC」のメンバーだったが、ライヴで自分は呼ばれないのに彼の名前ばかりを客がコールすることに腹を立てたリーダーのブライアン・フェリーによって解雇されてしまったという人物で、ディーヴォやU2などのバンドをプロデュースしたことでも知られ、アルバム「MUSIC FOR AIRPORTS」において「環境音楽=アンビエント/」
舟太「ブライアン・イーノ」

 問題文の前フリが洋楽っぽかったので、どうせ最後まで聞いてもわからんだろうし、別に神野は最初から勝ち抜けたと思っている相手だから、とボタンから手を離そうと頭では考えたが、なぜかこの時は手がボタンを離さなかった。どうせ最後まで....と聞き続けていたら、「環境音楽」と知っている単語が来てビックリ。確か他に反応していた人もいたが、運良く解答権を取ることができた。さて、洋楽など全然知らない私が何故この人を知っていたか? 実は、今インターネットでこの文章を読んでいる人なら、この人の“作品”を何度も聞いたことがあるはず。(マックユーザーやUNIX使いの方はゴメンナサイ)ファイル検索で「The Microsoft Sound.wav」というファイルを探して、プロパティをチェックしてみるとその答えはおのずと分かる。(でも、ワールドカップで金谷が絶叫した答えとしてのインパクトの方が、実は強かったりする)
 何はともあれ、正解は正解。これで4回目の通過席。

29問目「85年に出版された入門書には、「チェスの戦術・ビリヤード/」

「これは作った!!」そう心の中で叫ぶと同時にボタンを押し、解答権を取っていた自分がいた。

舟太「カーリング!!」

自分でも予想だにしていなかった結果に、思わず大きくガッツポーズを取っていた。これだけの強敵相手に2位抜け出来たことに、充足感で一杯だった。
 決勝の枠はあと2つ。私が抜けたことで、挑戦者間のバランスは大きく崩れたことになる。30問目はべーつるさんが初正解するが、31問目は神野の正解で阻止され、

32問目「太陽系の惑星のプルートに「冥王星」という訳を付けた野尻抱影/」
神野「大佛次郎!」

神野が長いこと苦しんだ末にやっと通過席での正解をし、3人目の勝者となった。
 残る席はあと一つ。神野の勝ち抜け直後にべーつるさんが誤答。これでマイナスを背負っていないのは春日と高橋誠さんの2人。35問目に小林君も0に戻し、わずかにチャンスを残す。春日は一度通過席に立つが、誤答で通過を失敗。それでも春日の攻めは続き....

38問目「紀元前44年にカエサルが亡くなった後コンスルの座に就いたが、その翌年にムティナの会戦で/」
春日「ヒルティウス」
39問目「バンド「PEACE PILL」でボーカル・ギター・作曲を務めるなどミュージシャンとしても活躍する人物で、俳優として「カフェレシオ」「TAKEO KIKUCHI by WORLD」などのC/」
春日「浅野忠信」

他の6人は春日の猛攻を抑えることが出来ず。決勝の最後の席は春日が制した。

<通過席での攻防>
 2問目 高橋誠司1回目 「皇極天皇」         山本剛 :○:阻止
 3問目 山本剛 1回目 「エルヴィス・コステロ」   スルー   :失敗
 6問目 春日誠治1回目 「オーバンド」        青柳雄造:×:阻止
 8問目 鈴木舟太1回目 「デッドマン・ウォーキング」 神野芳治:○:阻止
 9問目 神野芳治1回目 「フリッツ・フォン・エリック」山本剛 :○:阻止
10問目 山本剛 2回目 「コル・カロリ」       山本剛 :○:勝抜1
13問目 神野芳治2回目 「榛名由梨」         新井浩 :○:阻止
14問目 新井浩 1回目 「打撃王」          神野芳治:○:阻止
15問目 神野芳治3回目 「パグウォッシュ会議」    鈴木舟太:○:阻止
16問目 鈴木舟太2回目 「カオダイ教」        神野芳治:×:阻止
18問目 新井浩 2回目 「カンテレ」         スルー   :失敗
20問目 春日誠治2回目 「ドームふじ」        スルー   :失敗
24問目 神野芳治4回目 「ブルックリン・ドジャース」 春日誠治:○:阻止
25問目 春日誠治3回目 「サイバネティックス」    鈴木舟太:○:阻止
26問目 鈴木舟太3回目 「クロス・ヴォーディング」  小林紀俊:×:阻止
28問目 神野芳治5回目 「ブライアン・イーノ」    鈴木舟太:○:阻止
29問目 鈴木舟太4回目 「カーリング」        鈴木舟太:○:勝抜2
31問目 高橋次郎1回目 「ノーマン・シュワルツコフ」 神野芳治:○:阻止
32問目 神野芳治6回目 「大佛次郎」         神野芳治:○:勝抜3
37問目 春日誠治4回目 「国境なき医師団」      春日誠治:×:失敗
39問目 春日誠治5回目 「浅野忠信」         春日誠治:○:勝抜4

山本剛  3○   10問目勝ち抜け
鈴木舟太 5○   29問目勝ち抜け
神野芳治 8○1× 32問目勝ち抜け
春日誠治 6○1× 39問目勝ち抜け
新井浩  2○1×
高橋誠司 1○
高橋次郎 1○1×
小林紀俊 1○1×
松尾浩    1×
青柳雄造   1×
 勝ったから言うわけではないけれど、こういうタイプの通過クイズって初めてだったから、かなり楽しめた。このルールって、結構広まるんじゃなかろうか。
 勝負の方は、まずはRyuさんが速攻でトップ抜け。その後は私、神野、春日、新井さんの4人が3つの席を争う形となったが、新井さんは−1となったあとは沈黙。どうにか誤答を抑えられた私が接戦から抜け出して2位に入り、力の均衡が崩れると神野、春日があっと言う間に勝ち抜け。終わって見れば勝者4人と敗者6人との間で、正解数の面で差が出た準決勝であった。


<一口メモ>


決勝:早押しクイズ

挑戦者

予選 6位:神野芳治
2R:7組6位、3R:11位、4R:ヌー 1位、準決勝:3位
静岡オープン優勝、ラスパイレス杯優勝。
予選 9位:山本剛
2R:7組9位、3R: 5位、4R:ヌー 2位、準決勝:1位
第1回一橋オープン準優勝、第4回法政オープン準優勝。
予選11位:春日誠治
2R:6組3位、3R:14位、4R:変化球1位、準決勝:4位
嶺上杯優勝、ラスパイレス杯準優勝。
予選21位:鈴木舟太
2R:5組5位、3R: 7位、4R:ボード1位、準決勝:2位
第1回都立オープン優勝、芝浦オープン優勝。
 私が予想したメンバーがここまで合致するとは。ただ一点違ったのは、4番目のファイナリストとなったのが、深澤でも沼田でもなく、自分であったことである。いずれも全国レベルの実力を誇る強豪ではあるが、これまで何度も対戦した相手だけに、緊張感は余り無い。客観的に分析すれば、優勝候補は勢いのある神野、それにRyuさんと春日が続き、私が最後尾である。
 決勝前のデモンストレーションとして、挑戦者入場が行われた。待機場所の外が結構寒かった上、予選順位順の入場なので私は最後まで待たされた。(でも、一緒にいたスタッフも寒そうだった)3人が入場したあとで、私の入場となった。昨年の都立オープン優勝など、いろいろとプロフィールが紹介され、その一つに解答欄に書いた嘘所属&嘘名前「正解屋主人・獄間澤幸之助」が読まれたが、ウケる以前に誰もネタに気付かなかった。(みんな、「国民クイズ」って漫画知ってる?)
 決勝のルールは昨年と同じ10○4×。ただし、誤答に1問休みが付加されている。
 1問目、2問目はスルー。やはり去年よりも数段難易度が上がっている。3問目に神野が解答権を取るが誤答。

4問目「まだ酵素の発達が十分でないため、生まれて間もない赤ちゃんにも希に見られるが、それは一週間ほどで治るという、胆汁に排泄される色素「ビリルビン」が増えすぎることに/」
春日「黄疸」

 先制点を挙げたのは春日。他の人も意気を上げ、神野、春日、Ryuさんが順に正解し、また私は1人だけ0点のまま。8問目、神野が「リパブリック賛歌」を「リパブリック」まで出しながらの惜しい誤答で、この段階で1○2×と、後半はこの誤答のトラブルで苦しむことになりそうだった。
 10問目にRyuさんが「ジェームズ・コーベット」をきっちり押さえて2○。

11問目「「活動を混同される恐れがある」と、神戸に本社を置く衣料品製造販売会社が訴え、最高裁まで争った結果原告が勝ち、表示の使用差し止めが言い渡されたが、何故かその看板は無くなるどころか今も増え続けているという、首都高速道路沿いや主要な駅の周辺に、その数と派手さでやたらと目立つ、赤地に白/」
舟太「えっ、それってもしかして、ワールド?」

 最初の方は何を言っているのか分からなかったが、途中から「もしかしてあの看板のことか?」と、新宿周辺でよく見かける謎の看板を思い浮かべ、「赤地」と来たからには間違いないと判断してようやく1○。問題の後限定が読まれて、この「ワールド」が消費者金融業者ということを知る。

12問目「サルディニア島に生まれ、言語学を専攻したトリノ大学在学中に労働運動に接し、その後イタリア共産党の結成に参加した人物で、ムッソリーニ率いるファシスト政権に逮捕されたものの/」
春日「アントニオ・グラムシ」
14問目「1971年にアメリカのセオドール・ダイナーが/」
春日「ウイロイド」
15問目「対戦したピッチャー・宮本貴美久は「勝った気がしないんです」と敗戦投手のようにうなだれ、「二度とこのチームとはやりたくない」としみじみ思ったという、市川忠男監督の下、名取光広主将、市川武史投手を擁して初出場したときには満員の甲子園の一塁側スタンドはもとより、ネット裏から外野席まで8割近くが東京のこのチームの応援をしていたという高校で、昭和55年の/」
春日「国立高校」
16問目「人口密度の低さは県で第1位。途中、下久保ダムでせき止められる神流川の源が発していることでも知られる、この村で生まれ育ち65年から9期連続して村長を務める黒沢丈夫は現在2期目である全国町村会長ということでも知られる群馬県多野郡の村で、85年8月12日、南西/」
春日「上野村」

 私が初日を出した直後、春日がスルー1問を挟んでの4連取をし、一気に6○として独走。隣で見ていて、去年の私とダブるものがあった。これ以上離されてはまずいと見たか、神野が攻めに出たが、それが裏目に出て1○3×と優勝は絶望的な状況に。

21問目「父親のキャッシュカードで1万円を引き出したのがバレて初めて両親に叱責され、ふてくされて部屋でウィスキーをラッパ飲みして/」
Ryu「一柳展也」

22問目「高校時代の王貞治は、そのピッチングフォームをこの人のよ/」
春日「ドン・ラーセン」

24問目「生年月日は85年6月27日、没年月日は85年6月29日。その死因/」
Ryu「チュチュ」

 春日の独走を追撃する一番手となったのはRyuさん。横から見ていて、2人の熾烈な早押し合戦は、ただただ凄いとしか言いようがなかった。「一柳展也」も「ドン・ラーセン」も「チュチュ」も知っているけれど、「こんなポイントで押せるなんて」と感服。それはそれとして、このままだと私も遅れそうだと攻めに出たけれど誤答。難度が高いだけに、下手に取りに行こうとしても誤答をするだけなので、すぐにいつものペースでやっていくこと切り替える。でもいつものペースでやってちゃ、優勝はまず無理なのだが。
 そうこうしている間にも、3人との差が広まる一方。30問を終了して、春日7○、Ryuさん5○、神野3○3×、私1○1×と、ちょうど2差ずつ。

31問目「その講堂の21の仏像は、立体曼陀羅として配置され、真言密教の宇宙観を表現しているという、今年、運慶らが行って以来800年ぶりという仏像の調査「発遣法要」が行われた京都市南区にある寺で、空海によって我が国初の密教道場となったことで有名な、正しくは教王/」
Ryu「東寺」

 Ryuさんがこれで6○として、独走していた春日に対し1差として射程圏内に捕らえた。

32問目「ロマン・ロランの小説「ピエールとリュイス」をも/」
舟太「また逢う日まで」

 久しぶりに会心の一撃がヒットし、やっと2○。優勝争いに関係なく、こういう正解が出来ると気分爽快になって嬉しい。
 34問目、Ryuさんが前フリで「アズーリ」を答えたが、残念ながら答えになっていたのはこのアズーリの色である「青」と、惜しい誤答で6○1×。

35問目「甥は桂冠詩人のアネモーリウス。ポルトガル人だが哲学好きなためラテン語とギリシャ語に通じ、世界を見たいためにアメリゴ・ヴェスプッチの仲間になり世界を航海した、と設定されている人物で/」
神野「ラファエル・ヒスロディ」
36問目「川に浮かんだ小舟に乗っていると思ってごらん。そばにはタンジェリンの樹、それにマーマレードの空。誰かが君を呼ぶ。君はゆっくりと答える。万華鏡の目をした少女だ。という歌い出しが余りにも有名なビートルズの曲で、エドガー・フローゼは自らのジャーマン・プログレ・バンドをこの歌詞からタンジェリン・ドリームと名付け、南アフリカで発見された化石/」
神野「Lucy In The Sky With Diamonds」
37問目「1960年にマシューズとサンデージが、3C48という電波源を観察した結果命名した、これから放たれるエネルギーは普通の銀河の100倍もあり、巨大なブラックホールがエネルギー源と考えられている、星のように点ではあるが、極めて大きく赤方偏移したスペクトルを示す天体のことを、「クアジ・ステラー・オブジェクト」を/」
神野「クエーサー」

 ここに来て神野が調子を取り戻したか、他の3人のワンテンポ先を行く押しで3連取し6○3×と、気がつけばRyuさんに並び、春日と1点差の大接戦。

39問目「東京オリンピックの1万m決勝で、腹痛にもめげずに三周遅れで完走し/」
舟太「カルナナンダ」

 「ありゃ〜、俺一人でカヤの外だよ」と気落ちしていたところ、今日何回目になるか分からない自作問題と同じフリの問題が来て、また会心の一撃が決まる。それにしてもこの「カルナナンダ」は私だけが知っているエピソードだと思い上がっていたが、主催は当然として解答者同士で会話していたら神野らも知っていたので、やっぱり自分が戦っている相手はとんでもない人たちだなぁと漏らさずにいられない。

40問目「フランスの社会学者マルセル・モースがその著書「贈与論」の中で述べている概念で、アメリカ北西部に住むクワキウトル族というインディアン集団が行っていた、相手より優位な立場になるためにひたすら贈り物/」
Ryu「ポトラッチ」

41問目「ウィーン大学ではフロイト直々に精神分析を学び、母校の教授となったときには人格的心理療法「ロゴセラピー」を創始したことでも知られるオーストリアの精神医学者で、その著書に、ヤスパースは「今世紀の最も重要な書物の1つ」と述べ、アメリカ図書館協会は「歴史上これまで最も多く読まれた10冊の書物」の1つに挙げた、ナチスによっ/」
神野「ヴィクトル・フランクル」

 ×の数こそ違えど、春日、Ryuさん、神野の3人がとうとう7○で並んだ。一人3○の私は、「すげぇ、接戦だなぁ。それにしてもポトラッチに前フリが付く時代になったんだなぁ」と、主催者と他の解答者3人に対しため息を吐くだけ。

42問目「ディオン家の5つ子を取り上げた医師アラン・ロイ・ダフォーの伝記映画「田舎医者」で主役を演じたりと、1920年代からハリウッドで活躍したデンマーク出身の俳優で、アカデミー賞の創立に尽力したり、「映画救済基金」を設立したりした功績が讃えられ/」
春日「ジーン・ハーショルト」

43問目「日本では96年9月14日から導入されている、今年三洋電機対東芝府中の試合で、三洋電機のセミィ・タウペアフェ選手がこの制度の/」
Ryu「シン・ビン制度」

 春日が20問ぶりに解答権を取り、8○として再び単独トップに立つと、Ryuさんもそれに続いて並ぶ。

44問目「パキスタン名は「聖霊の住む山」という意味の「ディア・ミール」。その美しさとは裏腹に、ドイツ・オーストリア隊のヘルマン・ブールによって初登頂されるまで実に31人が遭難し、「魔の山」と恐れられた山で、ヒマラヤの8000m峰のうちこれだけがずば抜けて西にあることでも知られる、サンスクリット語で「裸の山」という意味の名前/」
春日「ナンガ・パルバット」

 再びRyuさんを突き放して、春日が9○でリーチ。第2回都立オープンの終焉は近づいてきた。

46問目「爆音や砲音に悩まされたので自衛隊と交渉し、演習の事前連絡について約束したが、それが守られなかっ/」
舟太「恵庭事件」

 もはや勝負とは関係なくなっているが、一つでも多く正解したいというのがプレイヤーというもので、私はやっと4○1×。

47問目「その日は手形交換尻の決済に苦しんだものの、午後2時頃までには決済を終了し/」
神野「渡辺銀行」

 神野もまだまだ春日を追い、これで8○3×。しかし序盤の誤答はやはり痛かった。49問目、押したはいいが答えが思い出せないようで、ここまで来て無念の4×失格。
 これで優勝争いは9○の春日、8○1×のRyuさんの2人に絞られた。50問目、前フリでドイツのある都市を答えさせることをほのめかしていたので、「ここからフュッセンまで」と来ると、ロマンチック街道の起点であるビュルツブルクが答えであることを読めたので押しにいったが、解答権を取ったのはRyuさん。内心は「また押し負けた〜」と悔しかったが、一方で「おっ、これでRyuさんも9○か、両者リーチで面白いぞ」とRyuさんの解答を待っていたら、問題を読み違えたのか、記憶違いだったのかはわからないが、全然違う都市を答えて誤答。×はまだ2つ目であったが、それ以上に次の問題が休みになってしまったことの方が痛い。Ryuさんとしては、私に是が非でも春日を止めて欲しいところだろう。

51問目「19世紀中頃にはホーソン、エマーソンなどの文化人が活躍し、今でも彼らの家や彼らが眠るスリーピー・ホロー墓地があるアメリカ・マサチューセッツ州の町で、1775年4月、レキシントンと共に独立/」

 解答権を取ったのは春日。我ながら反応の遅さには情けないものを感じながらも、すぐ隣で満面の笑みを浮かべる春日がウィニングアンサーを答える瞬間を見届けようとしていた。

春日「コンコード」

特に感情の昴ぶりもみせず、普段通りの口調で答える。これで10○となり、第2回都立オープンの優勝者は春日誠治に決まった。


<一口メモ>


春日誠治 10○   優勝
山本剛   8○2× 準優勝
神野芳治  8○4× 4位
鈴木舟太  4○1× 3位
 春日の優勝は、まぁ、確実にツボを押さえた正解を積み重ねてだから、実力を十二分に出し切っての勝利で満足だろう。嶺上杯に続いて、今年2つ目のタイトル獲得となった。もう十分にトップレベルのプレイヤーと見ていいはずなのだが、観客からは「カンか知識か春日」とヤジられるのは不思議だ。
 準優勝はRyuさん。最後まで春日に迫っていたが、ビュルツブルクの誤答が痛かった。昨日の早稲田オープンも惜しかったし、念願のタイトル獲得はいつになるのか。
 3位は私。途中失格した人は(ルールに特記がない限り)原則的に降着されるためとはいえ、何か後ろめたいものがある3位である。
 4位は神野。序盤の不用心な3×が敗因に間違いない。それでもその後で7○も積み上げ、優勝争いをして大会を盛り上げた評価は高い。


 以上、都立オープン体験記でした。


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