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第1回芝浦オープン

 この大会は、1997年8月9日に、芝浦工業大学にて行われたオープン大会です。芝浦工大はクイズ界では無名に近い大学で、よくオープン大会が開催できる力を持っていたものだというのが大方の評判でした。
 この体験記はかなりの箇所で大会の批判をしていますが、これは個人的な誹謗・中傷ではないつもりです。より良いクイズ大会を開催してもらいたいために、あえて苦言を呈したつもりです。


 午前11時頃田町駅に着くと、すでにオープン常連組が顔を揃えていた。沼田正樹はこの顔ぶれから「えっ、この大会、G1レース?優勝すれば十分価値あるじゃん」と言うほどであった。顔ぶれとしては若手が中心で、上の学年やOBの人は少なかった。クイズ大会を成功させるには、時として参加者の質が重要な要素ともなるので、その点ではかなり恵まれているようだった。
 適当な雑談をしているときに、栗田修が突如として「それじゃ、この大会に優勝した人はエヴァの最終回みたいにみんなで囲んで拍手してやろう。」と提案した。栗田はつい最近エヴァンゲリオン全26話を半日かけてまとめて見たので、多分にその影響があったようである。
 11時半くらいになって、そろそろ会場へ行こうということになったが、地元民の慶応ですら芝浦工大がどこにあるのか知らなかった。しょうがないので地図を持っていた私が先導する形で、駅前にいた怪しい集団が一斉に動いた。
 時間的にはもう開場しているはずだったが、何とまだ開場していなかった。この暑い中廊下で待たされるることとなった。口々に暑い暑いと言っていると、深澤岳大が「そうですね、これより厚い壁が向こうにいますから。」と絶妙な小ネタで笑いを取っていた。
 クイズ開始時間の12時になって、ようやく開場。オープン大会の開催が初めてだから、この辺りはしょうがないと言えよう。何だかんだで12時20分と、許容範囲の遅れでどうにか開始にこぎつけた。


1R:3択100問ペーパー(全員→全員(52人))

 近年、予選のペーパークイズと言えば、作りやすい必答がメインだったので、作りづらい三択を100問も出題するとは意外な気もしていた。だが解いていくと、ウルトラクイズの機内ペーパーや史上最強の三択が、選択肢もそのままで出題されている問題が相当数あった。オリジナルと判断できる問題もいくつかあったが、これは若干趣味に走っているようで、あまりいただけなかった。多分少女漫画なのだろうが、「マカロンにおまかせ」「ダイヤモンドアイ」とかいきなり問題文に出されても、それは何だ?という状態になって3分の1の確率に託すしかないし。
 既出のクイズ問題集にある問題が多かったので、古くからクイズをしている私にはかなり有利に働いた。また、ウルトラクイズの1問6秒ペースが叩き込まれているので、時間を5分も残す10分で全ての問題に解答し、見直しついでに問題用紙に選択した番号を付ける余裕もあった。自己採点では71点だったが、発表ではなぜか69点と2点も減っていた。まぁ、栗田が59点と言っていたのに61点と2点増えていたので、ハンターチャンスでそちらに取られたのだろう。
 このペーパーで特筆すべき点は、同点だった場合は近似値クイズではなく、用意された5問の○×クイズの、1問目からの正誤で判定するというところである。ペーパーで同点だったら、抽選か近似値という概念が固まっていたので、こうした試みは斬新で良かった。

順位名前得点
1位菊地晃史79点
2位木下良太73点
3位鈴木舟太69点
4位若林一也69点
5位深澤岳大69点
6位沼田正樹69点
7位高山慎介68点
8位松本隆一67点
9位松石徹67点
10位田島高広66点

 結果は3ラウンドにおいて、各ラウンド出場者紹介の時に発表されたが、まとめると上記の通りである。この中で、1位となった菊地さんは、実は私は名前すら知らない人だった。菊地さんは北関東クイズ愛好会というサークルに所属し、群馬県で活動しているそうで、正に「まだ見ぬ強豪」を見た感じであった。しかもあのペーパーで79点はずば抜けていることから、基本は完璧に叩き込まれているのだろう。


2R:復習クイズ(20人→4人)

 ここでは2○2×を行うということがルール表に書いてあったが、なぜかルール表には企画名が伏せられていた。2○2×なら企画名は決まっているのでは?と思いつつ、33位以下が次々と発表されていた。2Rを戦うメンバーが発表され終わり、観客席側に残っている32名が3Rに進出したことを無言のまま告げられた。
 1組目を戦う5人が選ばれ、その5人が席に着く。ふと見ると、早押し機の端子が6個しかない。早押し機の端子が6つでオープン大会を行うのはかなり制約があるだろうから、企画に工夫がないと難しそうであった。司会の増田好秀からこのラウンドの企画名「復習クイズ」がようやく告げられる。最初私は「フクシュウ」を「復讐」と頭の中で変換したため、「一体何のリベンジをするのだろう?」と、変なことを考えていた。

問題「脚気のことを英語で何という?」

1問目がこの出題。最初、「えっ、問題文がこんなに短いの?」と驚いたが、次の瞬間「1番、バリバリ、2番、ベリベリ....」(正解は2番)と問題が続けられ、このラウンドの問題は予選で出題した問題を再びそのまま出題するということがわかった。確かに、このルールをあらかじめ発表していたら、予選下位になると察知した人は必死になって解答を暗記しただろう。このルールは斬新で面白かった。クイズの新しい切り口を見せられた感じであった。
 結果、3Rへコマを進めた4人は、1組目は早稲田の赤津秀之、2組目も早稲田の武笠龍彦、3組目は慶応の北形綾一、4組目は社会人の矢崎英之さん。大抵は選択肢が出る前に答え、いずれの組も一問必答をあっさり正解して決着した。


3R[1]:カード獲得クイズ(6人→2人)

 このラウンド挑戦者で有力どころは、まず弥生杯優勝の遠藤誠。そしてペーパー1位となった菊地晃史さん。それにFNSで活躍した田島高広さん。それに矢野2号と松尾浩という将来が期待されるプレイヤーが入った。
 問題の質について不安な面があったが、1問目から「ヘカペ」という、神話に関する難問。2問目も1975年のノーベル経済学賞受賞者のカントロビッチと、超難問が続く。オリジナリティ溢れるクイズで来たが、3問目で「七転八倒と七転び八起き、苦しみもだえることを指す言葉はどっち?」といきなり難易度がフォークボールのようにガクンと落ちる。もうちょっと難易度によって問題をラウンドごとに振り分ける作業をしておけばよかったのに。
 その後も難易度が極端に上下する問題が続き、山となった5問目に「ヘンリー・ムーア」、谷となった6問目に「ミッキーマウス」を正解した遠藤が最初に2回の正解を挙げてトランプに挑戦。そういえばこの大会、司会の増田がディズニーランドでアルバイトをしていたそうで、その影響で各ラウンドに1問はディズニーに関係した問題があり、難易度調整と共にジャンルの偏りもどうにかして欲しかった。クイズは問題を揃えれば良いものではないのだし。
 若干話が脱線したが、遠藤は数字札を2枚引き、得点を4点とする。その直後の7問目「ジュール・ベルヌの「海底2万マイル」の船長」という確定ポイントで「ネモ船長」を正解し5点として早くも勝ち抜け目前となる。ここまでは遠藤の独走だったが、9問目に「たまごっち」を正解した田島さんもトランプ挑戦をし、3枚まで引いて全て数字札と引きの強さを見せて遠藤と5点で並ぶ。他の4人もそれに続きたかったが、12問目を終了した時点で追いかける側は全員まだ1点。
 14問目、矢野2号が2度目の正解でトランプ挑戦。まず2枚を引いたが、ここでラウンドで初となる絵札を引いてしまい、本人は2点のまま。次の問題はこの2枚のトランプの得点2点を争奪するためのクイズとなった。これに正解すれば、クイズ正解の分も合わせて3点が入るので、遠藤、田島さんは1回誤答しても勝ち抜けられる。15問目はスルー。16問目、「「クロウ 飛翔伝説」が遺作」という最初のポイントでは誰も反応しなかったが、「ブルース・リーの息子」という次のポイントで遠藤が解答権を取り、「ブランドン・リー」を正解してトップ抜け。
 チャンスは逃したものの、依然として田島さんの優位は変わらない。19問目に松尾が「アン・ブーリン」を正解し、トランプ挑戦となった。ここで松尾は一発逆転を狙って「これから絵札を引くか7点に到達するまでカードを引き続けます!」と宣言。これで最初の2枚で引いたらお笑いで終わるが、4枚目で絵札を引き、自らの手で逆転のチャンスを引き出した。
 これにより、次に正解をした人には一気に5点が入る。この時点で田島さん5点、菊地さんと矢野2号が3点、松尾が2点で、以上の4人が勝ち抜けリーチとなった。このチャンスをモノにしたいのは皆同じで、菊地さん、田島さんがそれぞれ1回ずつ誤答。ただ、田島さんは3回まで誤答が出来るので、やはりこの局面でも有利であった。そして22問目、田島さんが「長距離ランナーの孤独」から「アラン・シリトー」を正解して2人目の勝者となった。どうやら、夢は必ず壁を越えるようであった。


3R[2]:無差別殺人クイズ(6人→2人)

 このルールさぁ、別に心臓じゃなくてポイントにすればいいんじゃない?ルール名も素直に「ポイント剥奪クイズ」にすりゃいいんだし。「3つの野菜を壊します」じゃないんだから。深澤も「クイズは平和的なものだと思います。」と言っていることだし。
 まぁ、クイズが残虐か否かはともかく、このラウンドの有力どころを。このラウンドにいる唯一の予選1桁である松本隆一さんが一番手。それに市川尚志(早稲田)、西村友孝(明治)、北形綾一(慶応)という若い力が注目であった。
 通常のポイント剥奪とは違って、得点を減らす人は選択できないので、引きの強さもある程度頼りになってくる。それでもポイントを剥奪された直後に奪い取るなどし、クイズに正解する人が堅実性を見せ、13問が終了して先に挙げた有力どころ4人が残った。14問目、松本さんが「ジェームズ・バリー」を正解し、ここで引いたのは西村のカード。西村は10問目でも松本さんからポイントを取られており、松本さんに恨まれているのではという感じであった。
 だが人を呪わば....ということで、好調に正解を重ねていた松本さんがここにきて連続で誤答。すでに挑戦者は3人しかいないので、失格の確率は3分の1。1回目こそは回避したが、2回目に自分のカードを引いてしまい失格となってしまう。
 残った2人は市川と北形。共にポイントは2点ずつ持っている。2Rでまた1からやり直すことを考えれば、両者ともここで決めておきたいところだろう。20問目、「日本国民の三大義務のうち、憲法で最初に論述されているもの」を答えさせる問題で、北形が「教育」を正解し、市川に直接ダメージを与える。これで北形がアドバンテージを取ったが、先程の松本さん同様に連続で誤答をしてしまう。21、22問目の誤答では2分の1の確率にも関わらず回避するが、「3度目の正直」という言葉が悪い方向に働き、23問目で自滅。松本さんと北形の自滅に助けられはしたものの、市川がこのラウンドをトップで勝ち抜けた。
 第2セットは残った5人で、1ポイントの状態からスタート。誰かが正解すれば、必ず誰か一人が失格となるので、自分の実力と運が頼りであった。1問目は緊張のためか、比較的難易度が低めの問題をスルー。2問目は北形が正解。意中の人は松本さんだったろうが、残念ながら外す。3、4問目は松本さんが連取するが、やはり意中の人だったであろう北形を連続で外す。結局、最後に残った2人は松本さんと北形だった。5問目、松本さんが「緑のおばさん」を正解し、これによって3連取で2つ目の席に着いた。
 こうした形式では運が必要ではあるものの、確実に正解を重ねればその運は向こうからやってくるようであった。


3R[3]:鬼クイズ(6人→2人)

 上記のルール表は手直ししてあるが、プログラム中のルール表では「殺す」やら「死ぬ」とか無理矢理な表現がなされており、「だから何で人を殺すんだよ」と主催側の考えがイマイチ理解できなかった。別にこういう表現しか使えないわけでは無いのだし。
 このラウンドはベテランの丸山淳さん、岡村悟史さん、沼屋暁夫、矢崎秀之さん、若手の松石徹、武笠龍彦と、中堅どころが揃った。
 1セット目。1問目は沼屋、2問目は矢崎さんが正解し、スタートダッシュに成功。3問目に武笠が解答権を取るが誤答。持ち点を3点としてしまい、単独最下位でピンチとなる。ルールに沿って、鬼が抽選され、このセットの鬼は岡村さんとなった。これによって岡村さんは自分の持ち点4点が無くなる前に、正解をしなければならなくなった。このルールで鬼となる人は、ポイントが高ければ有利、低ければ不利である。この現状は岡村さんに不利と言えた。が、次の4問目、よくクイズ問題の形に出来たものだと感心させられた「中国残留孤児」を岡村さんが正解。これによってスタートダッシュに失敗した武笠が失格となった。また、これによって岡村さんは得点を減らすことなく+3点を得て持ち点を7点とし、この先しばらくの安泰を手にした。
 2セット目。1セット目に得点を伸ばせなかった松石と丸山さんが順に正解、7問目は岡村さんがさらに点を追加。これで岡村さんが8点、他の4人が5点で並んだ状態で鬼の抽選。結果、鬼となったのは松石。直後の8問目を沼屋が誤答してしまい、黄信号がともる。その後は丸山さん、岡村さんが正解をして点を順調に重ね、松石の点が3点にまで減る。このペースで松石の点が減っていくかと思わせたが、11問目を正解し、松石本人を除いて最下位の沼屋を失格にした。
 3セット目。最初の3問は松石、岡村さん、丸山さんが正解。前のセットから得点を追加できない矢崎さんがピンチとなる。抽選により、このセットの鬼はまたも岡村さん。岡村さんが10点を0点にするまでに1問も正解できないとは考えられないことであり、ほぼ最終セットに進出できることは決まったようだった(もちろん、得点が大幅に減ってしまった場合は最終セットで危ういが)。当然自分の失格がかかっているだけに矢崎さんが攻めに出て、ポイントを6点として丸山さんと松石の2人に1点差に迫る。まだ1点の差はあったものの、ここで丸山さんも攻めに出るが、何と2問連続で誤答。矢崎さんと立場が逆転し、失格のピンチに陥る。だが、落ちっぱなしでは終わらず、すかさず2連取して見事なリカバリーを成功させる。矢崎さんが再び最下位に落ちた直後の20問目、「野茂英雄」を正解したのは岡村さんだった。
 最終セット。残った3人は10点の岡村さん、共に7点の丸山さんと松石。得点差から、誰が鬼になっても岡村さんの勝利は揺るがない。そうなると、岡村さんが鬼になれば丸山さんと松石の2人には平等だが、そうでない場合は鬼になった側が圧倒的優位に立てる。序盤の3問は、岡村さんが正解、丸山さんが誤答、スルーで終了。運命の鬼抽選の結果、このセットの鬼は松石。松石は自分の7点が無くなる前に1問でも正解すれば勝ちとなる。岡村さんと丸山さんの間には5点差がついているため、このセット中の逆転は常識的にはあり得ない。このラウンド最後のセットは、ほぼ勝ち抜けが確定している岡村さんが攻め手を緩めず、松石を着々と失格へ導いていた。31問目が終わった時点で、岡村さん14点、丸山さん6点、松石2点。すでに松石は5点も減らされていた。32問目、ここに来て見事な押しで丸山さんが「ホルモン」を正解し、圧倒的不利な立場から遂にあと1点にまで追い込んだ。そして勝負が決する33問目、「漫画「ピーナッツ」の登場キャラで、毛布を持つ子」を答えさせる問題。問題の振り方が従来のものと変わっていたせいか、問題が読み切られた直後まではほとんど無反応。だが意を決した松石が解答権を取り、この「ライナス」を正解。今回もまた最後の最後で勝利を決めた松石であった。
 やはりこのラウンド、鬼となったプレイヤーが結果として有利になった。ただ、ここまで有利に働くとサービスし過ぎな気もするので、ルール自体は悪くなかったので改良が加われば、頻繁に使えるルールになるのでは無かろうか。


3R[4]:テーマイントロクイズ(6人→2人)

 このラウンドの最有力候補は春日誠治。それに続くのは最近弟に「彼氏」ができたという木下良太。また、イントロ自慢の日高大介や、いつも遠路はるばるやって来る長野大学の小倉紀雄さんがいた。
 まずイントロの模様を書く前に、この大会の音響について。揃えられた音響セットは、普通のオープンに匹敵するどころか群を抜いて良かった。問題が聞き取れないということはまず無かったし、イントロの音楽には文句を付けるところは皆無。音響のスペシャリストが1人だけではまず出来ないだろう、というくらい出来が良かった。
 1問目「始まりはいつも雨」を日高、2問目「calling」を春日が正解するが、3、4問目は両者が共に誤答。5問目は木下が正解したが、1〜5問目のテーマは最後まで出なかった。ここのテーマは「ABCDE」で、順にアーチストの名前がアルファベットでこう並んでいたのだった。
 6問目「もののけ姫」を春日が正解するが、にべもなく「わかりません」と、何か答えれば当たるかも知れないテーマの権利を放棄。7問目「バディ」を正解したのは木下。ここで「一二三四五」というテーマを的中し、一気に4点としてリーチをかける。以降3問は消化問題だが、10問目に全然聴いたこともない音楽が流れ、スルーになるかという直前に春日が解答権を取り、「ロード 第5章」と正解して会場の拍手を一身に受けていた。
 春日は先程の「ロード 第5章」で気を良くしたか、11問目「どんなときも」、13問目「時をかける少女」を正解し、テーマ正解をせずに自力で5点を稼ぎトップで勝ち抜ける。14問目、すでにテーマが分かっていると思われる小倉さんが誤答で0点に戻してしまうも、15問目の「ネバーエンディング・ストーリー」を正解。そして当然テーマである「映画の主題歌」も的中させ+3とし、木下に1点差に迫る。
 16問目、木下と小倉さんの一騎打ちの状態に割って入りたかった日高が誤答し、勝負から完全に脱落。17問目に小倉さんが正解し、木下と並んでリーチ。こうなると勢いがある側が完全に優位で、小倉さんがそれを持続させたまま18問目の「ライディーン」を正解、逆転で木下を倒す金星を挙げた。ちなみに最終となったこのセットのテーマは、「アルファベット3文字」。


3R[5]:聖徳太子クイズ(6人→2人)

 このラウンドの挑戦者紹介で、一番手に「西村友孝さん」と告げられたとき、「あれ?西村はさっき無差別で戦ったじゃん」と、会場から声があがる。狼狽気味な司会の増田も「だってそう書いてあるもん」と、困りながら言う中、壇上に上がったのは金田浩輔だった。(このラウンド終了後、金田は西村から首を絞められることになる。)金田が書いた過去の戦歴「弥生杯 予選 不浄負け」が告げられると会場から笑いが起こる。また、沼田正樹は「96年K−1グランプリ 不参加、弥生杯 不参加、早稲田オープン 中止」とし、深澤岳大は「FNSで最年少で予選を通った気もする」と、過去の戦歴紹介だけで笑いを取っていた。そして最後に私が呼ばれ、単純に「都立オープン優勝」とだけ書いていたのが逆に真新しさを感じさせたのか、これでも会場の笑いを取った。また、ここで小さな字で書いた「運で決まるような大会はしないで欲しい。」という一文も読まれ、この時はそれほどの影響はなかったが、後のラウンドで大きな問題を引き起こすことになる。
 このラウンドは、私(都立オープン)、深澤(東大オープン)、沼田(えんくり杯)というオープン大会優勝経験者が3人いるラウンドとなった。おまけにカネキチもいるし、都立オープンにおいて最終的に準優勝する鈴木亮を1対1ボードで苦しめた板垣英夫君もおり、メンバー的に勝ち抜けるには苦しい感じがした。
 1問目はまず二重音声クイズ。「「柿」と「蠣」の英語名」を答えさせるもので、二重音声は大得意と公言していた深澤が解答権を取り、楽々「「オイスター」と「パーシモン」」を正解。早くもリーチをかけた状態で2問目の三重音声。この時私は、3問出題されても、答えは共通する1つなんだから、1人だけの問題を聞いていればいいんじゃ無かろうか?という考えから、司会の増田が読む問題だけを聞いていた。そして聞こえた問題は「清原が所属する球団」と、簡単な問題。だが、解答権を取った直後、この簡単さに落とし穴があることに気がついた。そう、答え方なのである。つまり、「巨人」「読売」「ジャイアンツ」の三通りが考えられる。少なくとも「読売ジャイアンツ」はありえない。そうなると、他でジェームス・ディーンが聞こえていれば「ジャイアンツ」だろうし、ヴェルディなら「読売」となるだろう。だがこの時、全く別ジャンルから3つの問題を揃えられるとしたら「巨人」しかないと判断して解答。これがナイスカンで正解。私も早々とリーチとなった。
 3問目の二重音声。「ジュリアン・ソレル」と「ロシア」が聞き取れたので、誤答のペナルティがやさしいこともあり、解答権を取りに行く。が、何と深澤のランプと私のランプが同時に点灯するというハプニングが発生。一体どういう早押し機だ?と思いつつも、ジャンケンで解答権を選ぶことになる。ジャンケンの結果深澤が解答権を取り、またも難なく「「赤と黒」と「罪と罰」」を正解する。4問目の三重音声。すでにこっちのジャンルは押さえてあるので、さっきと同じ作戦で十分だと判断して増田の問題だけ聞く。問題は「ときメモのヒロイン」だったので即座に解答権を取り、「藤崎....」と言いかけるが、「藤崎詩織」で3問も作れるわけがないし、他のキャラでも同様だからということに気付き、「しおり」とだけ答え、正解する。
 5問目の二重音声は三度び深澤が正解。二重音声はここまで深澤一人しか解答権を取っていない。深澤自身三度目のチャンスとなる6問目の三重音声。今度は増田の問題がさっぱり分からなかったのでボタンから手を離す。他の人は解答権を取りに行くが誤答。そして誰も押す人がいないかと思った直後深澤が解答権を取り、「ボケ」と正解しこのラウンドをトップで抜けた。
 残る席があと一つとなったのは痛かったが、これで二重音声に正解するチャンスが広がったとポジティブに考えることにした。その直後の7問目、ここでもカンで「塩(しお)」だけは正解するが、もう一方がわからず誤答。2番目に解答権を得た板垣が「「塩(しお)」と「塩(えん)」」と正解。続く三重音声は、8問目は全員誤答とするも9問目を一橋の石川貞雄が正解。
 二重音声に戻って10問目、今度こそ取りたかった私はここでも速攻で解答権を取り、聞き取れた「アルジャーノンに花束を」から「ダニエル・キイス」は正解するが、もう片方も作家を答えさせる問題と分かっていながらも代表作が聞き取れず、「ダニエル」の付く作家が思い浮かばなかったので、「山田ババアに花束を」の作者である「花井愛子」を答えるが当然誤答。2番目に解答権を取ったのはカネキチで、あっさり「ダニエル・スティール」を正解して二重音声を押さえる。あとで聞いたところ「ダニエル・スティールはすぐに分かったけど、「アルジャーノンに花束を」の作者は知らなかったから押さなかった。でも舟太が誤答したからそれ答えたら当たったんだ。」(←タメ口だが後輩)と、自分が正解を献上したことを知る。まぁ、クイズ中、カネキチの実力でとったものだと思いこんでいたおかげで、ダメージは浅かったのが幸いであった。
 三重音声に移行し、11、12問目は今までとうって変わって難しくなり正解者が出ずじまい。流れからしてそろそろ簡単なものが来そうだったので、ヤマを張っていた13問目、「モーティマ」が聞こえた直後に解答権を取り、難なく「ミッキーマウス」を正解。これで三重音声だけは3回目の正解となった。
 14問目の二重音声。今度は問題を揃えたタイプの出題で、「日本初の女性宇宙飛行士」と「アメリカ初の女性宇宙飛行士」というキーワードが簡単に聞こえたので解答権を取りに行くが、タッチの差で沼田に解答権を取られる。「くっそ〜、また三重音声を阻止しないと〜」と思っていたが、沼田は日本初の方が分からなかったらしく、ヒントを与えたくはなかったようで無解答のまま誤答。カルトQを彷彿とさせる早押し機の叩き合いとなったが、運良く解答権を取ったのは私だった。「やった」と一瞬ガッツポーズを取り、「「向井千秋」と「サリー・ライド!」」と解答し、ようやく勝ち抜けを決めた。


3R[6]:黒髭クイズ(6人→2人)

 黒ヒゲの剣の数は24本。つまり、0点であっても2連取して24本刺せればあっという間に勝ち抜けられるという寸法である。
 このラウンドは実力では関東随一の栗田修、オープン予選通過の常連である高山慎介の2人が頭1つどころか完全に突出していた。ちなみに栗田も何故か西村友孝を名乗って壇上に上がり、誰からともなく「私は3人目だから」というセリフを投げかけられていた。
 1問目は栗田、2問目は高山と順当に正解。そして私がこの大会でキレるきっかけとなった出来事が3問目で起こった。問題は「ジスカールデスタンが〜」という出だしだったので、大方の予想は「サミット」を答えさせると踏んでいた。ここで解答権を取った君島さんも同じように考えたらしく「サミット」と解答。ところがこれが誤答で、正解はその第1回「サミット」の開催地となった「ランブイエ」であった。これだけなら別に「あ〜、アンラッキー」とかで片付けていただろうが、誤答の音が鳴った瞬間、司会の増田が何と両手を上げて「やったー」と喜びの声を挙げ、「ひっかかった、ひっかかった」と喜んだのである。今まで司会の下手さには目を瞑っていたが、さすがにこの出来事に怒り心頭。別に地雷問題が完全な悪と言いたいわけではないが、出題する側が参加者をひっかけておいて喜ぶとは、完全に主催者として失格である。こんな傍若無人なことをしては、出場者に悪い印象しか残さないだろう。
 さて、このラウンドは上記の影響か、2人の実力か、31問目まででクイズに正解したのは栗田と高山だけであった。それだけの問題を消費し、正解が2人だけならばどちらかが26点に達していそうなものだが、2人は黒ヒゲでろくに点数を追加できない上、高得点を挙げても誤答を連発してすぐに下がってしまうのである。32問目にして2人以外で正解したのは東京情報大の外さんだったが、同時にこれがこのラウンドで栗田・高山以外が正解した唯一の問題となった。
 38問目、黒ヒゲ4度目の挑戦となった栗田がようやく26点に達して勝ち抜けを決めた。これによって残った5人に1回ずつ黒ヒゲに挑戦してもらうこととなったが、5人の中でトップの高山は20点、2番手の外さんは1点、それ以外の3人は−1点で、よほどのことが起きない限り逆転は不可能であった。そしてそんな奇跡が簡単に起こるわけもなく、高山が黒ヒゲに挑戦せずに2人目の勝者となった。


4R:一問二答マイナー&ラッキークイズ(12人→6人)

(ラッキークイズ)
挑戦者
予選 3位 鈴木舟太
予選 5位 深澤岳大
予選 7位 高山慎介
予選 8位 松本隆一
予選 9位 松石徹
予選10位 田島高広
予選14位 小倉紀雄
予選18位 市川尚志
予選20位 栗田修
予選22位 遠藤誠
予選24位 岡村悟史
予選25位 春日誠治
 ここのルールを見てお分かりの通り、実力も多少は必要だが、大部分は運が頼りである。ここで、聖徳太子クイズの時に紹介された私の一言から、誰かが「運で決まるルールだ」と言ったところ、サラッと流せばいいのに司会の増田はガキみたいにムキになって「運じゃないも〜ん」という見苦しいだけの言い合いを観客と始める。クイズの進行を無視してこんなことをやらかす司会は初めて見た。とにかくこの司会の増田は、2・3Rでは参加者が6人しかいないのに、名前をろくに覚えない。オマケに間違えたままの名前を平気で使う。さらにルールもちゃんと覚えていないから、ラウンド開始時のルール紹介は企画表を見ながらでと、司会としての本分がかなり欠落していた。とにかく、ここまでずば抜けた最低な司会は、今後絶対に出てこないことを願いたい。
 1問目は「今年、日本プロ野球のオールスターゲームが開催された球場」。私は「大阪ドーム」「神宮球場」の両方を知っていたが、今年の目玉とも言える「大阪ドーム」での方がメジャーだと判断し、「神宮」を答える。だが、関東と関西の違いを頭に入れなかったのは失敗だった。数名の誤答はいたものの、「神宮」が大多数を占め、「大阪ドーム」を答えたのは岡村さんと松本さんのわずか2人。2人に対して早押しが2問出題される。早押しの1問目を正解した岡村さんが、パネルも見事的中させて早くも1つ目の席が埋まる。続いてゴールデンハンマー状態の松本さんも難なく早押しは正解。この段階で2つ目の席が埋まると痛かったが、選んだパネルには×と書かれてあり、通過失敗。
 2問目は「シャネルが初めて発売した香水」で、「No.5」は誰もが知っていることは判断できた。ここで、「No.5」を答える人は11人中6人以上はいるだろうから、これを正解しようが誤答しようが次の一問二答には挑戦できるルールなので、あえて「No.5」をはずし、適当に「No.19」などと答える。結果、「No.22」を正解した人は0で、「No.5」は軽々6人以上の正解者がいたため、この問題で早押し席に着く人はいなかった。
 3問目は「ノーベル文学賞を受賞した日本人」。まず誤答をする人はいないだろうから、大江健三郎か川端康成のどっちを選ぶかという運任せである。ここで私は「川端康成」を答えたが、こちらが何と7人もおり、「大江健三郎」を書いた4人が早押し席に。早押しクイズが4問も出題されるので、相当数の勝ち抜けを覚悟したが、ここでは高山ただ1人が当たりのパネルを引いて、2人目の勝ち抜けとなった。
 4問目は「爆風スランプの元になった音楽グループ」。爆風スランプと言えば深澤が大ファンなので、それが若干気にはなった。私は正解である「スーパースランプ」と「バップガン(爆風銃)」は両方とも知っていた。どっちを書くかということで、「そのままの読み方が入っている「スーパースランプ」より、読み方が変わった「バップガン」の方が絶対にマイナーだ」という考えが働き、「バップガン」を解答する。全員のボードが上がると、深澤は「自分の好きな方」というポリシーからあえて「スーパースランプ」を解答しており、他の8人の中で「バップガン」を答えた人はいなかった。これによって、一問二答単独正解として、ラッキークイズ挑戦をせずに即勝ち抜けとなった。
 5問目「ホルストの「惑星」で、表題として登場しない太陽系の惑星」。ベタ問題であるだけに、どちらが正解となるか判断が難しかった。だがフタを開けてみると「地球」を答えたのは3人だけで、「冥王星」を破ってこちらが正しい選択肢となった。ラッキークイズでは、早押し1問目で「正四面体」を正解した小倉さんが、ワンチャンスを生かして4人目の勝ち抜けとなった。
 6問目「キリマンジャロが属する国」で、各自の思惑が色々と交錯したか、「タンザニア」「ケニア」が共に4人ずつで、ラッキークイズに進めず。
 7問目「「おしゃれカンケイ」での最高視聴率をあげたときのゲスト」。運が頼りのルールに輪をかけて、運任せの問題。解答はバラエティに富んだものとなった。結果、「榊原郁恵」を正解した人は0だったが、何と「宮沢りえ」を市川が単独正解。これで5人目の勝者となった。
 残る席はあと一つ。8問目は「ドラクエ5で、主人公が結婚できるキャラクター」で、「ビアンカ」と「フローラ」は共に正解者が1人ずつだった。が、当然この場合は同数であるために、単独正解にも関わらず勝ち抜けどころかラッキークイズにも挑戦できない。こういう条件の場合を想定していなかったのか、それともこういうケースはアンラッキーと考えてのルール設定だったのか、どちらにしろルールにもう一工夫が欲しかった出来事だった。
 9問目「七福神の中で、帽子をかぶっている神」。ここで、なぜか「漢字で書いてください」という指定が付く。このどうでもいい指定がまた一つの論争を生むこととなる。全員のボードが上がり、正解の「大黒」は複数人いたものの、もう一方の正解「恵比寿」は春日ただ一人が解答。当然最後の席に春日が着くと思いきや、また司会の増田が水を差す。何と、「エビス」の漢字が間違っていると言い出したのである。増田に言わせると、「恵比“須”」“だけ”が正解で、「恵比“寿”」は違うと言うのである。国語辞典を調べてみるまでもなく、エビスには複数の漢字が当てられており、「恵比寿」も「恵比須」もどちらも正しいし、他にも「蛭子」「戎」「夷」「胡」とたくさんの漢字があるのである。もちろんこれを知っていた私は、さっきからひどい進行をしていた司会に疑問をぶちまけたが、当然聞き入れずに春日は誤答扱い。「漢字で書いてください」という限定が付いているのならば、事前に複数の漢字があるかも知れないということを調べておくべきであるというのに、自分たちのミスを参加者にかぶせることには本当に腹が立った。しかも何を思ったか、この判定をうやむやにしたまま次の問題へ移ってしまったのである。春日の解答が誤答ならば、「大黒」を正解した人はラッキークイズに挑戦できたはずである。この二重のミスに、このオープン大会の質の悪さが集約される形となった。
 10問目「オリンピックの陸上で、4連覇を達成した選手」。誰がどう考えてもマイナーな方である「アル・オーター」が正しい選択肢になることを予想していたが、何とこちらを3人のもの人が正解し、どう考えてもメジャーな「カール・ルイス」を答えたのはたった2人。クイズ界の常識が分からなくなってきた。最後の席をかけ、2人がラッキークイズに挑戦したが、チャンスを生かせず。
 11問目「その名称に方角を表す漢字が使われる都道府県」。この出題直後、私は「ふっ、ふたつぅーーーー!!!」と絶叫し、沼田は「あぁ〜、もぅ〜〜、何だか〜〜〜、分かりません!!」と、FNSネタで、ごく一部だけで盛り上がっていた。結果、「東京」を答えたのは4人、「北海道」を答えたのは3人で、「北海道」を答えた人がラッキークイズに挑戦となった。早押し1問目は松石が誤答。いつもここ一番に強さを見せていた松石だったが、今回はダメだったようである。2問目は深澤が問題を読み切る前の最後のポイントで正解し、パネルを的中させて最後の席をものにした。


5R:下克上クイズ(6人→4人)

(スタート時の)挑戦者
予選 3位 鈴木舟太
予選 5位 深澤岳大
予選 7位 高山慎介
予選14位 小倉紀雄
予選18位 市川尚志
予選24位 岡村悟史
 サバイバルクイズは何度か挑戦してきたルールで、6人中4人抜けというのは比較的楽な倍率である。それでも、このメンバーや、入れ替わるにしてもこの中の誰かと代わることを考えると、気を抜いてしまえばあっという間に敗退者となってしまうだろう。
 1問目「最初は「HOMO」という名前だった消しゴム」を答えさせる問題を、速攻で深澤が解答権を取り「MONO」を正解してこのセットをトップで抜ける。この問題を聞いたとき、難易度は3・4Rの早押しと変わらないと判断し、また、メンバーのきつさから、モンキーモード全開のクイズをするのが一番だと考え、この準決勝では考える前に押すことを心がけることにした。

2問目「ジャカルタのかつての地名、ジャガタラから/」
舟太「ジャガイモ」

 モンキーモード全開の早押しが功を奏し、このセットは無事に抜ける。その後は3問目に小倉さん、4問目に高山、5問目に市川がトントン拍子に抜け、出遅れた岡村さんが敗者となった。トランプを引いた結果、どうにか失格を回避。だが、会場にいる敗者の2人を倒さなければその失格回避は無駄となる。さて、敗者2名を選ぶ手段はすでに用意されていると思っていたが、なんと何の用意もしていなかったのである。この大会では小道具の不手際が目立っていたが、敗者の選択手段を何にも用意していなかったとは本当に信じられなかった。この様子では、1度もリハーサルは行っていないのだろう。リハーサルをすれば、どうやって敗者を選ぶかということくらい気付くはず。それにリハーサルが出来なかったとして、どうしてスタッフは誰も「ここで敗者を選ぶ必要が出てくる」ということに気付かなかったのだろうか。いくらオープンを初めて開催するサークルとはいえ、これでは準備不足と言われても仕方が無かろう。
 岡村さんが失格回避してから10分が過ぎた頃、ようやくペーパークイズの解答用紙を揃え、この中から1枚ずつ引いてその敗者が戦うということになった。結果、立正大の玉野井さんと、遠藤誠が敗者側から選出された。3人で行われた2○2×は、サバイバルとはうって変わって岡村さんが速攻を見せたが、2×で失格。敗者のどちらかが復活できることとなった状態で、まずは玉野井さんが1○を先行。リードされた遠藤もすかさず次の問題で返し、両者リーチ。11問目は遠藤が誤答をするも、スルーを挟んだ13問目で「ガイナックス」を正解して敗者復活を決めた。

挑戦者入れ替え
予選24位 岡村悟史 → 予選22位 遠藤誠
 2セット目も深澤が早々と1抜け。15問目、「風呂」と「袋」というキーワードから、私がサル押しをし、「風呂敷」とボケた誤答をしてしまう。正解は体を洗うのにぬかを入れておく「もみじ袋」。2問休みとなり、両方で正解者が出ると厳しくなることを覚悟しておく。16問目「5人組の特撮戦隊モノで、初めて女性が2人入った番組」を答えさせる問題と、「よし、こんな変な問題誰も正解できねぇだろう」とほくそ笑んでいたら、それを打ち砕くかのように高山が解答権を取り、自信満々に「バイオマン!!」と正解。これは出題する側と解答する側の意思がピッタリ合って、ピンチにあったにもかかわらずさわやかさを感じた。17問目は市川が正解をし、私が戻った時点で遠藤と小倉さんの3人が解答席に残っていた。

18問目「フランス語で「晴雨兼用の傘」/」
舟太「アンツーカー」

1回誤答して弱気にならずに攻めて正解だった。続く19問目はパラレルを読んだ遠藤が正解。敗退者となったのは小倉さん。2分の1の確率で失格回避できたが、運悪く失格となった。これで残る挑戦者は、入れ替わる可能性は十分にあるが、5人となった。また、これによって私以外の4人が「ウ・タント」のメンバーとなり、「ウ・タントが決勝を独占」という雰囲気が若干浮かび上がった。もちろん私はそれを阻止するつもりであった。でも、「卍」メンバーが独占してもいたのだが。
 3セット目、ここでも最初の問題で「コストプッシュインフレ」と格好良い解答で深澤がトップで正解。この時点で、私が優勝者として予想したのは深澤だった。どう考えても、決勝で勝てる相手ではないし、ましてやこの準決勝で落ちるとは思えなかったからである。そんなことを考えながらも、

23問目「学名をアイルロポタ/」
舟太「ジャイアントパンダ」

と、モンキーモードは変えずに3セット目も抜ける。2問おいて26問目、高山が「朦朧体」を正解し、残るは遠藤と市川の、早稲田同級対決。私は九分九厘遠藤優勢と考えていたが、「オーバーヘッドキック」のパラレルから「オーバーヘッドプロジェクタ」を正解したのは市川だった。今回の市川は、本当にレベルが上がったことや、土台が少しづつ出来てきていることがわかった。まだオープンでの活躍は少ないが、将来早稲田をしょって立つだろう。
 さて、市川の正解によって敗退者となった遠藤は、失格はどうにか回避。敗者復活の相手は一応私の後輩であるリバティの菊地俊之と、遠藤にとっての同輩となる早稲田の武笠だった。28問目に武笠が先制し、30問目に遠藤が1○とし、勝負は2人に絞られた。32問目、「旧暦の8月1日」から、「八朔」を正解したのは武笠だった。敗者復活したばかりの遠藤は、これであえなく失格となった。

挑戦者入れ替え
予選22位 遠藤誠 → 予選41位 武笠龍彦
 武笠の名は、最近大量に入手した早稲田の問題集でちらっと見たので知っていたが、それほど強いとは感じていなかった。ただ、さっきの2○2×から絶対に気は抜けなかった。それに、問題集に載っていたプレイヤーが、いつまでもそのままの実力でいるはずはないのである。33問目、「圧力、すきやき」から、解答権を取り「鍋」を正解。トップ抜けとはいえあまり締まらない解答だなぁ〜と思っていたが、残っていた4人には結構なインパクトを与えたらしく、「すげぇ〜」という感嘆の言葉を戴いた。34問目は開幕戦からの連続試合ヒットの新記録を打ち立てた阪神の選手を答えさせる時事問題であったが、しっかりチェックしていた武笠が「和田豊」を正解して2抜け。35問目は「学術調査のために」という出だしだけで深澤が解答権を取り「ケービング」を見事正解。残ったのは高山と市川。ここまで来ると、どちらが勝つかは判断しづらかった。36問目を正解したのは高山だった。ここまで綱渡り気味ではあるがここ一番で底力を見せていた市川が、遂に敗退者となった。それでもまだ復活のチャンスは残っていたが、運にも見放されて失格。これによって決勝進出者が決定した。


決勝:優勝阻止クイズ(4人→1人)

挑戦者
予選 3位 鈴木舟太
(2R 免 除 、3R:聖徳太子2位、4R3位、5R1位)
今年に入って嶺上杯準優勝、花と蛇杯EAST4位に続く3回目の決勝進出。都立オープンに続き、マイナーオープン大会V2を狙う。
予選 5位 深澤岳大
(2R 免 除 、3R:聖徳太子1位、4R6位、5R3位)
高校生にして東大オープン優勝。明治オープン、でじま杯、弥生杯で準優勝と、2年生とは思えない実績が多数。今大会優勝候補筆頭。
予選 7位 高山慎介
(2R 免 除 、3R:黒ヒゲ 2位、4R2位、5R4位)
1年生の時点ですでに予選通過の常連となり、弥生杯では4位。えんくり杯でも活躍し、今後も成長の期待大。
予選41位 武笠龍彦
(2R2組目勝利、3R:鬼クイズ敗退、4R−−、5R2位)
深澤、高山と同じ2年生だが、大会実績はほとんど無し。しかしこれが普通で、むしろ2年生はこれから実績を作るのである。
 ルールは、要するにウルトラ形式で+2の通過クイズ。残った挑戦者は、リバティが2人、明治と早稲田が1人ずつ。優勝に一番近いのは間違いなく深澤。会場に残った人からアンケートを採れば、9割の人は深澤を選ぶだろう。
 1問目「熱いトタン屋根の上の猫」から、深澤があっさり「テネシー・ウィリアムス」を正解。その後、序盤は深澤と高山が解答権を独占。ところが、解答権を取っても「3歩進んで2歩下がる」を地で行くほど正解と誤答が入り交じり、展開は全然進まなかった。正直なところ、タッチの差で解答権を取られ、「あ〜、分かりません」とか無解答だと、問題の無駄遣いにもつながるし、腹が立ってくる。ほとんどのオープンでこうしたウルトラ形式の通過クイズが行われなくなった理由がよく分かった。
 そんなこんなで7問目に「過労死」を正解した高山が+2として初めて通過席に立つ。8問目は、最近流行している金太郎の腹掛けのようなファッションを答えさせる問題で、答えが思い出せないうちに高山が押してしまい、「しまった、誤答してでも押すべきだった」と後悔させられる。が、高山は答えが出ずに誤答。こういう場面での無解答は歓迎モノである。(正解は「ホールターネック」)
 その後、高山は誤答を重ねて沈没。武笠は正解、誤答、正解で+1と良い位置につける。私は相変わらず解答権が取れず苦戦。「もっと誤答のペナルティを厳しくしてくれ〜」と内心思っていた。17問目、「ある種の緑色」を答えさせる問題で、あれかな〜と一瞬迷ってしまい、その間に深澤が解答権を取って「ビリジアン」を正解して+2として通過クイズ初挑戦。
 さっきのビリジアンから、迷って解答権を持って行かれ、その上正解されたのではたまったものではないという教訓を得、深澤の通過クイズ阻止に回る。18問目、前フリではさっぱり分からなかったが、「アメリカの辞典に名を残す」という一文から、半ばカンだが迷わず押し、「ウェブスター」を正解して深澤を阻止。「よかったよかった」と安心し、ちょっと一息付いて後ろの黒板を見たら、私の得点が入っていなかった。最初は単なる書き忘れだと思って得点係に「1点入れ忘れてますよ。」と指摘したところ、「いや、通過クイズの阻止をした“だけ”じゃないですか。」と訳の分からないことを言い出す始末。ルール表には書いてないが、口頭で説明したこともスタッフは聞いていないことには呆れた。結局、司会の指示を仰いでやっと1点を入れてもらう。どうもこの大会は、サークルの中心であり司会の増田がゴリ押しで計画したとしか思えないフシがかなり見られた。大体他のスタッフはどう見ても事前の指示は受けていなさそうだったし。
 通過阻止はされたものの、深澤が再び巻き返し、24問目で「3つの数字を使った最大の数字」という問題で「9の99乗」を正解し、+2として2度目の通過席に立つ。25問目、「アマレスで着用するユニホーム」を答えさせる問題が来て、解答権を取ったと思ったら、自分のランプは点いていなかった。点いていたのは深澤ではなく高山だったのでホッとしたが、何とここでも「わかんね〜」と発して誤答。高山、頼むから無茶押しはやめてくれ。これで高山は−4まで沈みきり、もはや泥沼化していた。(正解は「シングレット」)27問目の「今年のアカデミー主演女優賞受賞者」である「フランシス・マクドーマンド」を答えさせる問題は目からウロコが出るほどいい問題だったが、答えが思い出せずスルーにしてしまう。28問目、今度は訳が分からない問題で、深澤が解答権を取ったが誤答で通過失敗。
 30問目「アニメの主題歌では初めてオリコンチャート1位になった曲」という基本問題で、疲れが出てきたか深澤と高山は全く反応せずに、単独押しで「キャッツアイ」を正解し、ようやく+2としてやっと通過席に立つ。31問目、「白い粉をふいているキュウリ」を答えさせる問題で、私は全く知らなかったし、問題が読み切られたのでスルーになると思った途端深澤が解答権を取り「ブルームキュウリ」と正解して阻止される。
 「あ〜あ、これが千載一遇のチャンスだったのに」とガックリしながら普通の席に戻る。こうなると、勢いからして次は深澤が通過席に行って、それで勝ち抜けるというのがパターンである。だが、そのパターンを打ち破れる信じられない要素が出題された。

32問目「とんちクイズです。赤ちゃんが使うパンツは何枚必要?」

これを見ただけでは「何で決勝でそんな問題を出すんだ?」という批判だけであろう。だが、それ以上に問題なのは、この問題は予選のペーパークイズでも出題されていたのである。私は解答者である以上、知っている答えである「6枚」(要するにオムツ)を正解したが、何だか後味が悪い。さらに、

34問目「強大な遊牧国家を建設した、イラン系の騎馬民族を何という?」

またも唖然とさせられた。これも予選問題で出題されたのである。他の3人が知っていて押さなかったのか、知らなくて押さなかったのかは分からなかったが、少なくとも問題として出題された以上は手を抜くことは出来ないので、難なくこの「スキタイ」を正解し、+2としてたった3問で2度目となる通過席に舞い戻る。しかし、問読みはもちろんのこと、スタッフの誰一人として止めなかったのはかなり疑問であった。一体、スタッフはどこにどういう問題を振り分けたのか、把握していなかったのがよく分かった出来事だった。
 個人的にかなり尾を引きながらも通過席に着き、またペーパーの問題が出ないことを祈りつつクイズに挑んだ。問題は「首相が特別国会、通常国会で行う演説....」というフリだったので、高校生クイズレベルの問題だな〜と思いつつ解答権を取り、若干「所信表明演説」かもと迷ってはいたが、押した瞬間に「所信」が聞こえたので、確信を持って「施政方針演説!」と解答。若干の間をおいて正解の音が鳴らされ、芝浦オープンの優勝者となった。

 優勝はしたものの、勝負では完全に深澤が上だったこともあり、「試合に勝って、勝負に負けた」という感覚で、素直には喜べなかった。もっとも、優勝したこと自体は嬉しいのだが。
 司会の増田から優勝賞品として、東急ハンズで売っている「世界一の幸せ者」と書かれたタスキを渡され「今後、クイズ大会に参加する際にはこのタスキをして、戦歴の一番頭には芝浦オープン優勝と書いてください」と、「誰がやるか」というとんでもない要求を好き勝手に話していた。増田は次に敗者となった人達にマイクを振ったので、「おめでとうございます」「インターネットに載せて」といった言葉をかけてもらう。さて、次は自分だと、何を話そうか考えていたら、何と優勝者には振らず、勝手にまとめて大会を閉めてしまった。というわけで、何とこの大会は優勝者のインタビューがなかったのである。本当に、司会がここまで自分勝手だとは思わなかった。クイズ大会は開催すれば良いというものではなく、「主催者は本当に“神”なのか?」という、クイズにおける絶対原則に疑問さえも浮かぶ大会だった。
 その後、栗田が中心となって、優勝した私を囲んで、皆が拍手をしながら「おめでとう」「おめでとう」「おめでとう」「おめでとう」「おめでとう」「おめでとう」「おめでとう」「おめでとう」「おめでとう」「おめでとう」「おめでとう」「おめでとう」「おめでとう」「おめでとう」「おめでとう」「おめでとう」「おめでとう」「おめでとう」「おめでとう」「おめでとう」と口々に言い放って、私は補完をしてもらった。
 普通、大会優勝者はスタッフに感謝と共に感想を話すのが常なので、ご多分に漏れず私もスタッフに感想、というか忠告を二言三言話した。そしてまだ話を続けるつもりでいたのだったが、ふっと会場を見ると、すでに参加者が跡形もなく消え去っていた。大会終了後の参加者の雰囲気で、その大会の出来映えはダイレクトに伝わるのだが、この大会はこういう評価だったわけであった。

 芝浦オープン体験記はこれにて終了です。繰り返すようですが、私は大会を誹謗・中傷する意図は全くありません。筋を通すところは通し、準備不足が明らかなところを指摘し、スタッフの軽薄さに失望したところを書いたまでです。


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