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ラスパイレス杯体験記

 この大会は1997年9月21日に、東京工業大学にて新井浩さんが主催したオープン大会です。この大会は新井浩さんが公務員をする傍ら、趣味の一環として行うと位置づけた、アットホームな大会でした。

協力:新井浩


 大岡山。まさかこの場所に二度と来ることはないと思っていたが、一年ぶりにこの地を訪れることになった。一年前、私は明星大学から他大学の大学院進学をするためにいくつかの大学院を受験し、その一つにこの東京工業大学大学院があった。結果はといえば、今私が工学院大学の大学院にいることで、言わなくとも分かるであろう。今日は東工大の大岡山キャンパスで初めてオープン大会が開催されるということで、足を運んだ訳である。
 ほんの3、4回しか訪れていないとはいえ、ルートやキャンパス内はある程度知ってはいるので、若干の余裕を持って大岡山に到着。駅前には予想より少なめな数のプレイヤーがたむろしていた。この大会はMOP企画に組み込まれている大会なのだが、宣伝係の神野はどういう宣伝活動を行っているのだろうか?ただ、神野が宣伝しているから来ないという人がいるのかも知れないが。


予選1R:ペーパークイズ

 「国家公務員の給与水準を100としたときの地方公務員の給与水準を表す指数」のことを「ラスパイレス指数」というクイズベタからこの大会名が来たこと、など色々と新井浩さんが説明したのち、ペーパークイズはスタートした。
 30問という少なさは別に関係ないだろうが、難易度はやや低め。低いとは言っても、普段の大会ではあまり聞かれないネタが多く、クイズの違う側面を捕らえたペーパーだった。その中で近年見られなかった変わり種をいくつか。 途中で春日が「「もののけ姫」の主人公が違いますよ(この映画の主人公はアシタカ)」といった指摘をするなど、あんまりオープン大会っぽくない雰囲気でペーパーは進み、私は終盤になると近くのマックで買ってきたバリューセットを食い始めるほどで、サークルの企画をやっているみたいなアットホームさであった。


予選2R

 ペーパーは終わったものの、大方のプレイヤーにとっての問題は2Rの選択コース。私は当然ボードクイズのBコースを選択したが、大抵の人はどっちか迷うはずである。個人的に考えた目安として、早押しコースはペーパーでの得点差を6点差位までなら挽回できるだろうが、ボードコースは2点差位と逆転の幅は狭くなる。そうなるとペーパーに自信の無い人は大逆転が可能な早押しコースを選ぶことは火を見るより明らか。私は3:1で早押しコースに人が集まると予想していた。
 そんなことを考えていると、参加者の一人である丸山淳さんが、「あかん、オレ、本名書き忘れちゃったぁ」と軽いノリで話してきた。「んじゃ、偽名だけ書いたんですか?何て偽名ですか?」と聞くと、「えっ、手弱女(たおやめ)って書いた」。隣にいた春日と共に爆笑。その後しばらくはモンキーズの企画で三角さんが行ったダウトクイズネタで盛り上がり、「もちすすり三太夫」などといった、はた目にはくっだらな〜い話をしていた。
 予選2R開始時に、本名が書いていないということで丸山さんは失格扱いになったが、「手の込んだ演出だなぁ」と、丸山さんの役者ぶりに脱帽。


<ダウト一口メモ>

舟太注:信じないように


予選2R[A]:ローリング早押しクイズ

 予選2Rを開始する前に、新井さんが悲鳴をあげた。参加者51人のうち、40人が早押しコースを選択してしまったのだ。新井さん自身、これだけ偏るとは予想していなかったのだろう。さすがにこの状態で2Rを始めるわけにも行かず、早押しコースにいる人の中で、希望者はボードコースへ移ってもいいということに。これにペーパー順位が微妙だという意識がある者数人が希望者として移ったことで、どうにか3:1くらいの割合となった。
 こちら早押しコースのペーパートップは、24点でアジアの超特急・木下良太。2位には近似値差でクイズワースト編集部・神野芳治、3位は旧中曽根派・春日誠治と、随分と変わったサークルに所属しているプレイヤーが上位を占めた。以下、曽根喜則さん、横山泰良さん、大村哲也さん、小野大佐さん、大川修司さんまでが枠内に入る8名。こちらのコースは早押しだけに、比較的大逆転が起きやすいが、それはあくまで比較的なもので、解答チャンスがある時に正解できるかが問題である。実際問題、30人以上参加者がいるので、単純な割合からすれば4問に1問しか挑戦できない。よって、正味15問程度、他に7人の解答者がいる中で、多くの正解を叩き出さなければ上位陣のプレイヤーを逆転することは出来ない厳しさがある。

1問目「昭和57年、ゆでたトウモロコシ10本や、トースト、餅などを空腹にまかせて手当たり次第に食べたところ、深夜に激しい腹痛を覚え、急性腹膜炎を起こし3週間入院することになり、そのため坂東英二に2回代わってもらったのが/」
大村「児玉清」

 1問目は「アタック25」の司会を児玉清さんが一時だけ代わってもらったエピソード。あの児玉清さんがトウモロコシを10本もたいらげるとは、もちすすり三太夫にも勝るとも劣らぬ逸話である。続く2問目も大村さんが連取し、早くも2○として安全圏に浮上。その後はローテーションにより下位陣にチャンスが回るが、この辺りの順位のプレイヤーは連続で正解を取らないと逆転が難しい。また、中にはルールを理解していなかったのか、正解したのに一緒にローリングして列の最後尾に戻ろうとする人まで出てきた。
 8問目に大佐が正解をしてわずかに浮上。これに上位浮上が微妙な矢野了平が9問目を正解、誤答を1問挟んだ10、11問目はさらに一段下位の小倉剛さんが2連取をして大逆転に望みをつなぐ。13、14問目はペーパー1位、3位の木下、春日が順に正解し、大村さんに続いて安全圏に入る。
 中盤に入ってくると列の順位が若干ばらけてきたか、20問目に曽根さん、21問目に春日、23問目に大村さんと、上位陣の正解が続き始め、下位陣にチャンスが回らなくなる。そんな厳しい状況下で追撃の一番手となったのは矢野。上位陣が連続正解し、若干焦った待木祐紀が28問目に「長野五輪の総合司会」を「逸見政孝」(正解は磯村尚徳)とボケたあとの29問目、矢野が「コンビニエンスストア」を正解して2○。この時点で上位8人のうち1問も正解していないのは神野、横山さん、大川さんの3人。矢野の12番手という順位を考慮すれば、すでに大川さん辺りは逆転したと考えるのが自然である。もっとも神野は予選2位だけに、早押し正解しなくても勝ち抜けられる公算は高い。あとは脱落する者は大川さんと横山さんのどちらかということになってきた。
 31問目、「ジャッキー・ロビンソン」を長野大学の小倉紀雄さんが正解して2○とするが、こちらは矢野と違ってペーパーでかなり離されている下位であるため、上位陣にはまだ届かない。33問目、横山さんが待望の1○を出し、枠内に踏みとどまる。これでペーパーの順序から、ペーパー8位の大川さんが枠から完全に滑り落ちたことに。
 後半に入ると原形をとどめないほど列がばらけだし、正解するのは上位陣ばかり。一方で誤答も目立ち始め、とうとう44問目に一橋の石川貞雄が2×で最初の失格者となり、46問目には高橋由美さんが2人目の失格と、失格者が続々現れる。上位に再び目を向けると、47問目にして神野が初正解し、勝者枠がほとんど固まってきた。
 終盤戦。確率的にはまだ逆転は可能だという人は、このルールの終盤戦がどんなものになるのかを知らない人である。51問目、小倉剛さんがここに来て3○1×とし逆転を目前にしたが、他のプレイヤーもまた一発逆転を狙いたいので誤答の連続。結局これに業を煮やしたか小倉さんが無理に解答権を取りに行って2×としてしまい失格。結局、最後の10問で正解したのは、先程の小倉さんと、曽根さんの2人だけ。残る8問は7×と1スルーというひどい有様であった。

本戦進出者
名前得点
春日誠治24+6=30
大村哲也22+8=30
木下良太24+4=28
曽根喜則22+6=28
神野芳治24+1=25
小野大佐19+6=25
横山泰良22+1=23
矢野了平17+4=21

 結局ペーパー上位7名は順位変動こそあれ安泰、逆転を果たしたのは矢野了平ただ一人。もっと逆転があるかと考えていたが、何だかんだでペーパー上位を取るプレイヤーは早押しも強いという月並みな結果に終わった。

2○以上を記録したプレイヤー

大村哲也 4○
春日誠治 3○
曽根喜則 3○
小野大佐 3○
小倉剛  3○2×
木下良太 2○
矢野了平 2○
小倉紀雄 2○
武藤善仁 2○
松尾浩  2○1×


予選2R[B]:サバイバルボードクイズ

 私はこちらのボードコースなので、メモを芝浦工大の増田に任せることに。
 こちらのコースのトップは23点の佐藤泰司さん。2位はこちらも近似値差で藤井和彦さん、3位は上野裕之さん、そして4番目に私の名が呼ばれる。以下は宮澤大輔君、五津昌利さん、関口仁さん、舛舘康隆さんと続き、ここまでが上位8名。早押しより逆転が難しいことが予想されるこちらのコース、ペーパー上位なのに負けるなんてことは出来ないなと気を引き締める。
 1問目はさっぱり分からない音楽問題で、半数以上が正解する中、私は誤答。
 2問目は「東京六大学野球で唯一の完全試合を慶応の渡辺泰介が達成したときの対戦相手チーム」。五択にはなっているが、知っていれば問題ないクイズ。しかし私はこの「立教大学」を知らない上、五択も外して連続誤答。
 途中、東工大の先輩である五津さんが「ノビよ帰ってこい」という魂の叫びをボードにぶつける中、ボードクイズは淡々と続く。5問目に「日本に8ある証券取引所で、最も新しく設立された取引所がある都市」という問題で、「札幌」を上野さんが単独正解して場内をにわかに沸かせる。
 7問目に宮澤君が最初の失格者となる。さすがにペーパー上位とはいえ、この段階での失格はかなり大きい。もっとも、下位陣には勝者枠に這い上がる絶好のチャンスが巡ってきたことになる。
 8問目は全員正解。こういう問題が早い段階で失格した人との大きな差になる。
 そして9問目、ここで私は懺悔をしなければならない。本来ならば私はここで失格していたのだが、何を勘違いしたのか、正解扱いにしてしまったのである。どうしてこういうことが起こったのかというと、問題は「中国人の姓で、1位は・・・・では5位は何?」という問題で、私は「林」と解答してボードを挙げ、司会の新井さんが順に「チョ・ソンミのチョ、チョ・ソンミのチョ、パク・チャンホのパク、(私のボードを見て)パク・チャンホのパク....」と一人一人読み上げていたのだが、私は「パク・チャンホって誰?」と中国読みが分からなかったため、隣にいる舛舘さんの反応に合わせりゃいいやと投げやりなことをしてしまったのであった。そして正解の「パク・チャンホのパク」が発表されると、舛舘さんは「フゥ〜、よかったぁ」ってな反応を示したので勝手に良かった良かったと正解扱いにしてしまったのである。しかし、「パク・チャンホ」は実は「朴賛浩」と記述し、正解は「朴」だったのであった。これに気付いたのは増田が取ったメモを読み返した後のことであり、結局、当日は次の10問目で失格というのが記録として残ったのであった。ここで失格していても予選を抜けていたとはいえ、これはちょっとやっちゃいけないことだよなぁ〜と反省。アットホームな大会に甘えていたか、もうちょっと気をつけるべきだった。今後はこれを自戒することにした。
 10問目「ツール・ド・空海」(四国八十八ヶ所を巡る自転車レース)を藤井さんが単独正解する一方で、私を含め数多くの人がまとめて失格。ここまで勝ち残っているプレイヤーはわずか6人となったため、上位陣はほぼ安泰。勝ち残っている下位陣は、7問目に失格した宮澤君に追いつけるかどうかが課題となる。そして12問目に全滅となり、ボードクイズは終了。果たして逆転できたプレイヤーはいるのかどうか。
 集計の結果、佐藤さん、藤井さん、上野さん、関口さん、私、五津さん、舛舘さんと、上位陣7人がガチガチに残った。最後の8人目の枠には、7問目失格が響いた宮澤君に、3点差を縮めた高山慎介と、何と5点差を縮めた西村友孝の3人が27点で名乗りを挙げた。これにより、3人で1○1×のサドンデスを戦うことになった。しっかし、ボードのサドンデスが早押しになっちゃうのは何だか変な感じである。

1問目「1910年に旧ユーゴスラビアに生まれた、本名を/」
西村「マザー・テレサ」

西村が見事カン一発、最後の勝者枠に滑り込んだ。1○1×でこの勝負度胸は、私も見習いたい点である。

本戦進出者(下2名はサドンデス敗退)
名前得点
佐藤泰司23+12=35
藤井和彦23+11=34
上野裕之22+10=32
関口仁20+12=32
鈴木舟太21+10=31
五津昌利20+10=30
舛舘康隆19+10=29
西村友孝15+12=27
宮澤大輔20+ 7=27
高山慎介17+10=27

 サドンデスまで残った2人を含めた記録が上記の通り。ペーパー上位8人の中で宮澤君が西村に逆転を許した形となった。ちなみに、私は順位こそ変わらないが、実際の得点は1点低いので。

 予選2R両コーナーの逆転に注目すると、意外にもボードクイズでは5点差をひっくり返し、早押しでは2点差にとどまった。得点差でどっちのコーナーが有利かということは、やってみないと分からないという結果であった。


敗者復活戦

 三択は音楽を使った問題。1問目は「イギリス国歌「ゴッドセーブザクイーン」はどれ?」というもので、似たような曲が三曲流れる。他の2つはオランダ国歌とニュージーランド国歌だったが、私にはさっぱり分からなかった。
 2問目は「太陽にほえろの刑事ごとのテーマ音楽で、渡辺徹が演じたラガーのテーマはどれ?」というもの。前に(法政リバティの)ラガーがイントロで出した気もしたが覚えていないのでどれがどれだか。
 3問目は「黛敏郎作曲の曲」。黛敏郎の代表曲って何だろう?と考えながら聞いていると、野球放送の前によく流れる音楽が三曲。さっぱりわかんねぇ〜
 この結果、実力かカンかは推し量りかねるが、人数が10人以下となったので、残った人達で2○2×を行うことに。この2○2×挑戦者の中で、本戦へ進めるのはたった一人だけ。そういうシチュエーションだけに、失格覚悟でガンガン来るクイズを想定していた。
 1問目は“高円寺”のキーワードに反応してしまった市川が「ねじめ正一」と誤答。しかし2問目に「キング牧師」をすかさず正解して1○1×。3問目は増田が暴発して1×。4問目、「〜が受賞した、かつてのフィリピンの/」と絶好のポイントで市川が反応して「マグサイサイ」を正解し、早々と2○として最後の本戦進出者となった。もっと接戦になるかと予想していたが、市川があっさり勝負を決めた敗者復活戦だった。

 これにより、本戦進出者17名が決定。ようやく本戦という段になって、ペーパーで本名を書き忘れて失格(?)になった丸山さんが、「見ているだけだとヒマだから、私にも1つ、企画をやらせてくれない?」と新井さんに話し掛ける。新井さんは狙ったように「僕の企画は70問限定なんだけど....」と振り、丸山さんは「おや、奇遇だねぇ、僕も70問限定なんだよ」と言い出して、本戦1Rが2つのコース、新井コースと丸山コースに分かれていることをにわかに示唆し始めた。
 本戦1Rは通過クイズの新井コースと、ジャンル別クイズの丸山コースの2つ。2人のやりとりで新井さんは正統派問題、丸山さんはイロモノ問題ということも察知できた。
 予選の総合的な順位は特に無かったが、予選通過者の中でのペーパー順に本戦1Rのコースを選択することに。
 私はボード側で4位だったが、全体では10位と、後半の順位。それでもコースが埋まる前に選択権が回ってきて、どちらか好きなコースを選べることに。私は正統派問題の通過クイズならまた出来るチャンスはあるが、丸山さんのイロモノ問題で、さらに気になるジャンル別クイズにひかれたため、丸山コースを選択。

総順位コース別順位名前選択コース予点近差
 1位早 1位→3位木下良太新井コース24 315
 2位早 2位→5位神野芳治丸山コース24 461
 3位早 3位→1位春日誠治丸山コース24 462
 4位ボ 1位→1位佐藤泰司丸山コース23 202
 5位ボ 2位→2位藤井和彦新井コース231323
 6位早 4位→4位曽根喜則丸山コース22  43
 7位ボ 3位→3位上野裕之新井コース22 277
 8位早 5位→7位横山泰良丸山コース22 322
 9位早 6位→2位大村哲也新井コース22 462
10位ボ 4位→5位鈴木舟太丸山コース21 447
11位ボ 6位→6位五津昌利丸山コース20 458
12位ボ 7位→4位関口仁 新井コース201823
13位早 7位→6位小野大佐新井コース19 133
14位ボ 8位→7位舛舘康隆丸山コース192323
15位早13位→8位矢野了平丸山コース17 377
16位早15位→復活市川尚志新井コース17 662
17位ボ12位→8位西村友孝新井コース15 677

 新井コースは比較的ベテランが選択し、丸山コースは比較的若手が選択をした。この辺りは安定志向と冒険志向の差なのだろうか。また、矢野了平が選択した時点で丸山コース選択者が9人となり、以下2名が自動的に新井コースへ組み込まれた際、「あぁ〜」という残念リアクションをしたので、丸山コースを選びたかったのだろう。


本戦1R[新井コース]:通過クイズ(8人→3人)

挑戦者
木下良太
藤井和彦
上野裕之
大村哲也
関口仁
小野大佐
市川尚志
西村友孝
1問目「自宅では、たとえ眠っているときでも、テレビをつけっぱなしにしているため、最初は「電気の無駄」だと妻も怒っていたが、今では諦めたようだと、自ら著書「情報スーパー活用術」/」
上野「西村顕治さん」

 1問目を先取したのは上野さん。秘かにクイズ界で話題になっている本がこんなところでクイズネタになるとは。にしても、クイズプレイヤーがクイズの答えになる時代になったんだなぁ〜
 2問目は大村さんが正解。その後上野さんと市川の誤答を挟み、

5問目「昭和34年の十両昇進まで、本名の「納谷」をしこ名にしていたが/」
大村「大鵬」

大村さんがこれで二連取で通過クイズ挑戦とし、2度チャンスを与えられることになる。「みんな止めようぜ〜」とやる気無さげな檄が飛ぶ中、6問目は大佐が阻止し、

7問目「ヴァル経営研究所から発売され/」
関口「駅すぱあと」

大佐と関口さんの活躍で、大村さんは与えられた2度のチャンスを生かせず阻止される。その後は+1となる人が続々増え、通過クイズ挑戦が雪崩式で起こりそうな予感があった。
 まず口火を切ったのは大佐。13問目に「柳田国男」を正解して通過席に着くが、これを関口さんが二度目の阻止。さらに阻止→通過席となった関口さんを阻止したのは、先程阻止された大村さん。
 一息付いたところで大佐の誤答を挟み、今度は、

17問目「スペイン語で「加工する費用」を意味する言葉と、「作業場」を意味する言葉の合成語で、アメリカとメキシコの国境沿いに建設/」
市川「マキラドーラ」

と、市川が通過クイズ挑戦。さらにその後は予感したとおり雪崩式に阻止→通過席が続く展開で、市川→上野→大村→藤井と、実に四連コンボとなった。藤井さんの通過席は0ポイントの大佐が阻止したことで途絶えたが、+2で通過クイズ挑戦でスピーディーに押させる問題が続くと、こうした接戦となって見ている分にはとても楽しめる。
 ただ、このルールに限ったことではないが、スピーディーに押させる問題で誤答の罰則が甘いと、誤答が多くなってしまうマイナス面も出てくる。結局、70問行ってスルーはわずか2問だったが、誤答数は何と28問。トータルで40○28×と、誤答が多過ぎなんじゃ無かろうか?と感じさせずにはいられなかった。(とは言っても、実は市川と大佐の2人だけでこのラウンドの半分以上の誤答を叩き出しているのだが。)前半戦は必要悪的な数の誤答がほとんどだったが、中盤戦以降は戦いがヒートアップし、誤答の罰則が2問休みと軽いことからガンガン押しに来ての無茶な誤答が目立ったのはちょっと残念だった。
 28問目から32問目までは実に5人連続誤答。その混乱状態に乗じ、西村が通過クイズ挑戦をするが、今まで全く沈黙していた木下が初めて解答権を取り阻止。荒れた試合展開の中で、8人中ただ一人誤答が無かった木下にはフェアプレイ賞でも贈りたいくらいであった。
 35問目はスルーとなって、この通過クイズもいよいよ後半戦。この時点で通過クイズ挑戦2回の大村さんが頭一つ抜け出した感じで、まだ通過クイズ挑戦がない木下を除く6人は全員が一回ずつと横一線の状態で、勝負は後半戦次第であった。
 後半戦で最初に動いたのはここでも市川。

39問目「1990年に結婚し、その4年後「海の底で歌う唄」でデビューした/」
市川「le couple」

これで2回目の通過クイズ挑戦として大村さんと並ぶ。もちろん通過クイズに正解すれば即座に勝ち抜けだが、

40問目「女性秘書のデラ・ストリート/」
藤井「ペリー・メイスン」

ここで得意の推理小説問題を藤井さんが正解して阻止→通過席。誤答が多い分、こうした凄い押しが多いクイズもまた、ホームランか三振かみたいにも楽しめるので、これはこれで良いかもしれない。

41問目「商法の改正により/」
木下「ストックオプション」

この正解で会場中をうならせた木下が今度は阻止→通過席。木下は今時のオープンではあまり出ない時事社会ジャンルにホント強いわ。
 木下の通過クイズは先程とは立場が逆になった西村が阻止。その直後は3問連続誤答。挑戦者8人が横一線の状態で、

48問目「青山学院大学国際政経学部を卒業し、現在はNTT関東の法人営業本部に勤務/」
藤井「平木理化」

と、まずは藤井さんが正解数の上ではトップに立つ。流れからして判定になった場合は通過クイズ挑戦3回が確実なラインであるから、現時点で最も勝利に近い。

49問目「生後6ヶ月の時、NHKのドラマ「女の一生」/」
大村「岩崎ひろみ」

 藤井さんが抜け出した直後に大村さんがこれで再び並ぶ。そういえばRyu杯では駒形が似たような問題を正解していたが、このエピソードはそんなに有名なのだろうか?

50問目「1956年には大幅に改造され、名前を「はやぶさ丸」/」
大村「第五福竜丸」

前の問題の疑問が解けないうちに大村さんが再度の二連取通過クイズ挑戦。3回目の通過クイズ挑戦一番乗りとなり、判定となっても勝利を揺るぎ無いものにした観があった。
 51問目は関口さんが阻止→通過席だが、大村さんにはまだもう一回チャンスがあった。こういう局面になってみて初めて気が付いたのだが、通過席はちゃんと2つ用意されていたのである。新井さんは意外と細かいところをチェックしているなぁと感心。さて、2人通過席にいるということは、阻止側は迂闊に誤答して休むことができないため、次でどちらかが勝ち抜ける確率は格段に高くなる。

52問目「1973年、「アズベリーパークからの挨拶状」でレコードデビューしたアメリカ、ニュージャージー州出身のミュージシャンで、全世界で2000万枚以上の大ヒットとなった、「Born in the USA」で知られるのは誰?」

問題は全て読まれたが、誰も動かない。この問題はスルーになるかという矢先、解答権を取ったのは大村さん。

大村「ブルース・スプリングスティーン」

大村さんがこの通過クイズに正解し、堂々準決勝最初の進出者となった。これで残る席はあと2つだが、残り問題数は18問で、通過クイズに二度挑戦しているのは藤井さん、関口さん、市川の3人であることから、判定勝ちには3回の通過クイズ挑戦が必須。そしてまた他のプレイヤーは、通過クイズでの正解が絶対条件となった。
 大村さんが抜けた直後の53問目「国連大学」を関口さんが正解し、2回挑戦と+1で藤井さんに並ぶ。58問目に西村が2度目の通過クイズ挑戦とし、ここで勝ち抜けたかったろうが、

59問目「卒業論文のテーマは「道徳性における心理学」。大学卒業後/」
藤井「つぶやきシロー」

よりによって藤井さんに阻止される。これによって藤井さんが3回目の通過クイズ挑戦となり、残り問題数からほぼ勝利を手中に収めたかに見えた。だが勝負を再び複雑にしたのは、この藤井さんの通過クイズを阻止した関口さん。これで関口さんも通過クイズ挑戦は3回目となり、このあと他に通過者が出なければ判定勝利をすんなり決められる。また誤答数の関係上、藤井さんは逆転されてギリギリ3位の状態に。
 63問目は大佐が阻止をして通過席に立つ。64問目、その大佐が解答権を取りに行くが自滅。さらに次は木下が2回目の通過席に立つが上野さんに阻止され逆転できず。そしてまた上野さんも2回目の通過席に立つが、こちらも自滅。残り問題数は2問となったが、通過クイズ挑戦の差こそあれ何と全員が0ポイントという珍しい状態に。通過クイズ挑戦回数は3回の藤井さん、関口さんがトップタイ。残る5人は全員が2回であるため、69、70問目を連取してようやく追いつけることになる。だが、実はここで誤答数というファクターがあるため、本当に逆転が可能なのは誤答数が少ない木下と西村の2人だけなのであったが、挑戦者達はそうした細かいことよりも今の勝負に集中していた。

69問目「トムワトソンゴルフコース、ホテルオーシャン45、ワールドコンベンションセンター「サミット」などの施設がある、英語の「海」と/」
市川「シーガイア」

 逆転を信じる市川が正解。これにより勝負は決したが、プレイヤーとして最後の意地を見せられるか、である。70問目も市川が解答権を取るがこれは誤答。通過クイズ挑戦回数が完全に違っていたため、判定結果はほとんど待たずに発表された。

大村哲也 7○2×
関口仁  6○2×
藤井和彦 6○3×
市川尚志 5○7×
木下良太 4○
西村友孝 4○2×
上野裕之 4○4×
小野大佐 4○8×


<一口メモ>


本戦1R[丸山コース]:ジャンル別クイズ(9人→3人)

挑戦者
神野芳治
春日誠治
佐藤泰司
曽根喜則
横山泰良
鈴木舟太
五津昌利
舛舘康隆
矢野了平
 あの予選を勝ち上がっただけに、皆一癖も二癖もあるが、やはり神野、春日、舛舘さんの三強が有力どころ。私が勝つには、この三強に食い込んで一角を崩すしか無いだろう。ただ、この三人について行くこと自体が至難の業で、それだけの実力を持っていれば苦労しないのだが。
 最初のジャンルは「親類」。ペーパーや読み上げでジャンル別クイズはよくやるが、早押しでやるのは初めてである。一体どういうことになるやらというスタート前だった。1問目「写真家・大倉舜二がその孫である」と振ってきて、舛舘さんが「河合玉堂」を先制。これを聞いて、「あれ?問題マトモじゃんか」と、ちゃんとやらないとまずいなという気になる。だがこの最初のジャンルで舛舘さんが大ブレイク。3問目に「マルコムX」、9問目に「石井好子」を正解して3○として早くも6点で独走。さらに追い打ちをかけるように

10問目「妻は作家のレイニー・ギルモア/」
舛舘「野口米次郎」

これで舛舘さんが開始わずか10問でいきなり10点を獲得。舛舘さんの実力からしてこの後の60問全てを無得点で終わるとは思えないし、現実的に10点に追いつけるかどうかという問題自体あるので、もうこの段階で勝者席は1つ埋まってしまった。
 2つ目のジャンルは「ニックネーム」。先のジャンルで舛舘さんがブレイクしたかと思えば、今度は神野。11、12問目をいきなり二連取し、これ以上取らせたらマズイという感じであったが、さらに13〜15問目を春日と舛舘さんが交互に取り合ってますますピンチ。16問目、エアポケットに入ったように全体のポイントが遅れたおかげで私が解答権を取ることができ、「高橋是清」で初正解。よ〜し、反撃するぞ〜としながらも、いつの間にか残り2問。19問目「アルベルト・トンバ」を神野が正解して3○とし、先程の舛舘さん同様の展開に持ってきて、

20問目「昭和32年の映画「明治天皇と日露大戦争」で/」
神野「嵐寛寿郎!」

このラウンドの勝利を賭けた神野の見事な押しで4○。1ジャンルで4○なんてそう簡単に出るものではないはずなのに、こうポンポンと出されたのではたまったものではなかった。これでもう2つの席が埋まってしまった。あと50問も残っているが、この得点差から舛舘さんと神野はかなり強気に攻めることができるので、今後はかなり厳しい勝負を強いられることになる。
 3つ目のジャンルは「映画・ドラマ」。このジャンルは矢野了平が得意とするジャンルだけにマークが必要。しかし、マークすべき相手は得意ジャンルで決める必要は余り無かった。最初に春日、舛舘さん、神野が順に1○。この3人のうちの誰が正解を重ねてもまずいという状況で、舛舘さんが24問目に「奥様は魔女」、25問目に「ビッグ・ウェンズデー」と懐かしのドラマと映画で二連取して3○とし、このジャンルでさらに6点を追加。28問目に春日が2○とし、3位と4位の差が開き始める。期待されていた矢野は30問目に「王様のレストラン」を正解したのみで終える。
 前半3ジャンルを終了して、トップは舛舘さんの17点。2位は神野で12点、3位は春日で7点と、4位の矢野が2点であることから、勝者枠に入るよう逆転することは難しい。
 4つ目のジャンルは「最初」。

31問目「その最初の仕事は、「子供が急病なので/」
舟太「すぐやる課」

このジャンルの1問目を押さえたのは私。ジャンル頭を押さえた人は今後有利になっていたので、私もそれに続きたかったが、なぜかこういう時に限って接戦の様相を呈してくる。やはり「最初」は得意ジャンル問題がばらけるために、速攻で解答権を取りに来る人が増えるためであろう。結果、このジャンルは全体で6○4×となり、6○は全て別の人で素点のみとなった。
 5つ目のジャンルは「死亡」。42、43問目を春日が二連取。このまま春日に離されるともう勝ちは無くなってしまうので、是が非でも正解が欲しかった。45問目、「赤とんぼ」まで読み切られたところで私が解答権を取り、若干迷いながらも「三木露風」を正解して1○。さらに47問目に「たこ八郎」も正解して2○として春日と並ぶ。あと1つ、できれば2つという局面で、

48問目「平成4年4月12日、実の次女に刺されこの世を去った政治家で/」
春日「山村新治郎」

と、一番取らせてはならない相手に正解される。私も分かっていたが、春日が押した時点で反応できず、自分の反応の遅さを呪った。

49問目「79年8月24日のベスビオ山の噴火を視察中に/」
舟太「プリニウス」

これで私も3○として高得点を得るが、やはり48問目においてのわずかな差が、春日との7点差となって表れていることでイマイチ素直に喜べなかった。
 残り2ジャンルで、トップは未だ舛舘さんで18点。2位もまた神野で16点、3位も春日で14点。4位は先程のジャンルで高得点を稼いだおかげで私が浮上したが、得点は8点で、3位に3○分の差がついていた。また、5位は矢野の3点であるため、4○でも追いつけないため、私がギリギリで逆転できるかどうかといった状態となった。
 望みをかけて6つ目の「アニバーサリー」に臨む。が、思うように解答権が取れずじまい。59問目にしてようやく解答権を取れたが、「片岡直温」を「片山直温」と痛恨の誤答をしてしまい、さらに追い打ちをかけるように春日が60問目に3○として6点を獲得。
 最後のジャンルは「KITAN」。3位は神野に変わったが得点は17点で、私とは9点差。逆転するには4○が必須条件だったが、逆に神野が62、63問目を2連取して勝負あり。さすがに残り7問で5○差となっては....その後私は解答権を一度も取れないまま終了。ちなみにKITANというジャンルであったものの、問題は意外とソフト。とはいえ、普通のオープンではまず出題されないし、うまく問題を選べずここに載せられないのは残念である。

春日神野舛舘舟太矢野曽根五津
親類      1 110   1    
ニックネーム  310 1 1   1  
映画・ドラマ  3 1 6   1    
最初      1 1 1 1 1   1
死亡      6 3   6   1  
アニバーサリー 6 1     1 1  
KITAN   3 3 1        
合計     232019 8 4 3 1

春日誠治 14○2×
神野芳治 12○7×
舛舘康隆 10○2×
鈴木舟太  5○2×
矢野了平  4○3×
曽根喜則  3○2×
五津昌利  1○
横山泰良
佐藤泰司    3×


<一口メモ>


準決勝:突然バック・トゥ・ザ・フューチャークイズ(6人→4人)

挑戦者
神野芳治
春日誠治
藤井和彦
大村哲也
関口仁
舛舘康隆
 ルールを単純に表現すれば、クイズ・イキナリと青天井とバック・トゥ・ザ・フューチャーをミックスさせた形式。バック・トゥ・ザ・フューチャー問題(以下「BF問題」)に限り得点が倍になることから、勝負は最後まで分からない。
 ちなみに、ここでは一緒に敗者復活戦も行われたのだが、敗者復活の条件はBF問題7つを全て的中させるというもの。ルールは、丸山コースを除く全ての問題の答えの中から10個を選択して、7つ全てを的中させれば復活。もちろん世の中そんなに甘いわけはなく、この確率を計算したところ0.000000015%で復活となる。こんな確率で「何としても復活するぞ!!」と息巻いている人は、現実というものを考えないマンガみたいな人であろう。
 基盤ルールは青天井となるため、序盤戦はあくまで足固め。4問目に早くも出てきた一つ目のBF問題は春日が正解。二つ目は9問目で、今度は大村さんが正解。この時点で大村さんが23点、春日が19点としてスタートダッシュに成功。以下、舛舘さん5点、関口さんと藤井さんが無得点、そして神野が逆走中で−7点。まぁ、6人中4人が勝ち抜けられるので、まだまだ十分逆転は可能である。
 三つ目のBF問題である13問目、五つ目のBF問題である19問目は共に春日が正解。四つ目のBF問題はスルーとなり、中盤戦はほとんど春日の一人舞台。この中盤戦で他の五人を一気に引き離し、春日がトップの94点で独走。今後の得点上昇範囲を考慮すれば、誤答で自滅しない限りすでに決勝進出を決めたと言えた。2位は大村さんで38点、3位は舛舘さんで19点、4位は関口さんで18点、5位は神野で3点、6位は未だ無得点の藤井さん。
 大逆転を可能とするBF問題も残りあと2問。しかもこの2問が出題された時点でクイズは終了。準決勝も終盤戦を迎えた。

20問目「英語では「beyond right」と表記される、航空協定を結んだ相手方の空港から/」
神野「以遠権」
21問目「本名安田留美。福井県生まれ/」
舛舘「紅夜叉」

終盤での誤答は自分の首を絞めかねないが、微妙な位置にいる両者が強気に出て4位以内に。22問目はスルーで、23問目は春日がさらに追加点を挙げる。

24問目「今年10月にスタートするラジオ番組「ラジオ・なにわ突撃隊」で初のラジオ番組のレギュラーを持つことになった、「この人私の裸を想像しているわ」や「私にほれるなよ」/」
藤井「山田花子」

まるで最初から狙っていたかのような藤井さんの正解。漫画家の「山田花子」を答えさせるものが通過クイズで出題されており、これが6つ目のBF問題であった。これにより藤井さんが無得点から一気に48点を獲得。
 BF問題もあと1問。現時点でトップはもちろん春日で117点。2位は今の一撃で藤井さんが48点で急浮上。3位は春日ほどではないがコンスタントに追加点を挙げる舛舘さんで40点。4位は終盤戦に来て思うように解答権が取れない大村さんで38点。そしてこのまま行けば負けになる5位は神野で23点、6位は関口さんで18点。
 25問目は関口さんが勝負に出たが誤答で後退。26問目は春日がさらに追加点。27問目は再度関口さんが解答権を取って今度は正解。これでまだ2〜6位は横一線。最終的に4位以内に入っていた者が勝者になれるので、現時点では2位でも安全とは言えない状況。
 28問目、順位を上げたい大村さんが痛い誤答で得点を10点にまで落として最下位転落。だが29問目にすかさず取り返して39点として再び4位に返り咲く。30問目、「俗名を佐藤義清」のポイントで押し合いになりながらも神野が解答権を取り「西行」を正解。この終盤での正解により、得点を53点に上げて2位浮上。そして押し出されるように藤井さんが3位、舛舘さんが4位、大村さんが5位に落ちる。

31問目「ヘルシンキに世界開発経済研究所を、カラカスにバイオテクノロジー研究所を、マーストリヒトに新技術研究所を、といったように世界各地に研究機関を持ち運営している、本部は東京都渋谷区神宮前にある学術機関は何?」

皆が慎重になっていたせいか、完全にポイント部分を過ぎても無反応だったが、意を決した藤井さんが解答権を取る。

藤井「国連大学」

この正解と共に、準決勝は終了。本戦1R53問目、関口さんが藤井さんに追いついた時に答えた解答が、今度は藤井さんが関口さんを叩き落とす解答になるとは、これも巡り合わせというか。
 決勝進出者は、まずは準決勝で終始トップを取り続けた春日が全く危なげなく143点でトップ抜け。2位抜けは藤井さんで、成績こそは2○であるが、BF問題の6つ目と7つ目という非常に美味しい問題を正解して110点を獲得。3位は神野で、春日とは逆に始めから終わり直前まで5、6位で負け決定かと思わせたが、30問目の正解で一発逆転に成功しての勝ち抜け。そしてラスト抜けは舛舘さんで、コンスタントに正解したことが実を結んだ。
 逆に敗退した大村さん、関口さんは、終盤の誤答がなければ....である。結局、青天井の定石通り、終盤に誤答をしては勝ちは望めないという結果に終わった。

 春日 藤井神野舛舘大村関口
BF1 4問目 11  0−1−2 0 0
BF2 9問目 19  0−7 523 0
BF313問目 56  0 31723 0
BF417問目 56  0 31938 0
BF519問目 94  0 3193818
BF624問目117 4823403818
BF731問目14311053403920

春日誠治 8○   143点
大村哲也 4○1×  39点
舛舘康隆 4○2×  40点
神野芳治 3○2×  53点
藤井和彦 2○   110点
関口仁  2○1×  20点


<一口メモ>


決勝:7○3×

挑戦者
春日誠治(予選ペーパー24点:Aコース1位、丸山コース1位、準決勝1位)
主なクイズ戦歴:嶺上杯優勝
ここまで全く危なげのないクイズの連続でオールトップ抜け。最も優勝に近い存在。
神野芳治(予選ペーパー24点:Aコース5位、丸山コース2位、準決勝3位)
主なクイズ戦歴:静岡オープン優勝
好不調の波が激しいが、7○3×の短期決戦で波に乗ったときが恐い存在。
藤井和彦(予選ペーパー23点:Bコース2位、新井コース3位、準決勝2位)
主なクイズ戦歴:第2回FNSグランドチャンピオン大会優勝
決勝進出は何年ぶりか?最近はタイトルを与える側だったが、今回は自分がそれを得られるか。
舛舘康隆(予選ペーパー19点:Bコース7位、丸山コース3位、準決勝4位)
主なクイズ戦歴:第13回マンオブザイヤー準優勝
n○m×形式になるとなぜか弱くなるが、勝負どころを押さえる強さがある。
 ここまでの勝負では、春日の強さが群を抜いて光っていた。ただ、花と蛇杯EASTでは同様に圧倒的な強さで決勝進出したのに、あっけなく敗退したこともあるので、他の3人にも付け入るスキは十分にある。

1問目「当初は、明治38年に第1回が行われる予定であったが日露戦争のために延期され、大正9年10月1日に初めて行われた、現在では法律により10年ごとに正式調査を/」
春日「国勢調査」

先制したのはやはり春日。そして決勝の1問目は新井さんが所属する総務庁に関する問題で、会場からのウケを取ることができて主催、解答者とも上機嫌に。
 2問目も春日が連取して2○。3問目は舛舘さんが取り、4、5問目は神野が連取。

6問目「「切なさと孤独に抱かれて」という歌詞が、「月明かりのカンテラにして」という歌詞になっているなど、インドで初めて歌われたアンプラグドバージョンではよく知られた歌詞とは異なっている部分がある、サンプラザ中野作詞、パッパラー河合作曲/」
春日「旅人よ」

7問目「昭和21年に新潟県のある町に設立された、近くの農家から預かった米を加工して水飴を作る作業所である「農民組合/」
神野「亀田」

8問目「3月から5月まで50日間も吹き続ける、というところからアラビア語で「50」/」
春日「ハムシーン」

9問目「昭和22年刊行の、戦後初の国定教科書に掲載されたときは、カタカナ表記がひらがな書きに改められ、また当時1人当たりの米の配給量が1日わずか2合1勺だったため、「玄米4合」という表現が「玄米3合」に改められた/」
神野「雨ニモ負ケズ」

舛舘さんと藤井さんを置き去りにして、春日と神野が一気に畳みかける正解を連発。7問目に神野が亀田製菓を凄いポイントで正解すれば、負けじと春日もハムシーンを巧いポイントで正解し、優勝は二人のうちのどちらかという雰囲気が漂い始める。

10問目「1978年に、当時のトリホス将軍とアメリカのカーター大統領との間で結ばれた条約により、1999年12月31日/」
藤井「パナマ運河」

 そう簡単に優勝させてなるものかと、藤井さんが待ったをかける。

11問目「50の言葉を羅列し、設問に沿った言葉を選ばせる、というイメージアンケート調査を東京都内の小学生に対して行ったところ、「一番心温まることは、友情」「一番大切に思うことは、努力」「一番嬉しいこと/(は、勝利」)」
神野「週刊少年ジャンプ」

12問目「1556年に刊行された、292枚の木版の挿絵を使って、当時のドイツにおける鉱山での採掘や/」
春日「デ・レ・メタリカ」

 しかし藤井さんの待ったも効果無し。神野と春日が並んだまま両者5○。藤井さんと舛舘さんはまだ1○だけに、このケースでの逆転は難しいことから優勝争いは2人に絞られた。
 13、14問目は優勝争いをする両者が揃って1×を付け、神野、春日とも5○1×。

15問目「今は亡き作家で、昭和61年から平成7年まで、毎年1月15日には/」
藤井「山口瞳」

優勝の可能性は低いものの、藤井さんが逆転の望みをかけて好ポイントでの正解で2○。16問目は舛舘さんが解答権を取るがこちらは誤答。

17問目「イギリスのレコード会社「パイレコード」社長ルイ・ベンジャミンが1962年来日した際、コロムビアレコードの部長とスキヤキを食べたことをイギリスに帰ってある日本の歌を売り出す際に思い出し/」
神野「上を向いて歩こう」

先にリーチをかけたのは神野。果たして春日は追いつくか、それとも神野が一気に決めるか。

18問目「ゴドランと呼ばれる細い線は白の色を、キュプールと呼ばれる丸い形は赤の色を、そしてボンベと呼ばれる中央の膨らみはつやを見るためのものであるという、かつてはワインの蔵の番人が/」

解答権を取ったのは神野。これしかない!!といった風に

神野「タソーバン!!」

と正解。これで7○先取して、ラスパイレス杯優勝は神野芳治の頭上に輝いた。
 決勝が始まった直後に春日が二連取したときはこのまま春日が優勝かと予感したが、その後は同学年である神野が春日と共に好勝負を展開し、終盤で春日を追い抜いて優勝を手にするという、絵に描いたようなシーソーゲームで幕を閉じた。
 3位になったのは藤井さん。決勝に限らず、藤井さんは美味しく見せるクイズをしていたなぁというイメージであった。
 4位は舛舘さん。やっぱりn○m×は弱かった。

 戦い済んで日が暮れて、私は芝浦工大の増田と共に大岡山キャンパスをあとにした。どういうわけで増田と一緒に帰ったかというと、彼は芝浦オープンの問題集を作る参考に、私のクイズメモをコピーさせて欲しいと言ってきたわけである。私のメモがどれくらい役に立つかは別として、優勝者としては是非とも問題集を出して欲しいのでコピーを取る。増田と芝浦オープンの話をしながら、私は帰途に着いた。それにしても、あれだけ酷評されているのに腐らず、第2回を考える前向き姿勢はクイズをするには必須である気がした。


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