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第4回K−1グランプリ(ミニレポート)

 この大会は1997年10月11日に、慶応大学が主催したオープン大会です。

スタッフ
稲村卓麿、小沢秀一郎、北形綾一、木村俊孝、黒澤一雄、高鹿恵次郎、五条方昇、志村真幸、神野芳治、隅山恵理、千田裕之、多田光伸、谷口晶、夏目哲宏、西田司、西村法史、沼田正樹、日高大介、平田了、舟橋貴之、古屋なおみ、堀滋、松石徹、松尾浩、水野卓、村上康浩、山口裕司、山崎真、米内克弘


 1996年12月、関西最大のオープン大会であった全日本が終了したことで、K−1が現存するクイズ大会の最頂上に位置づけられるようになった。慶応のスタッフに、その大きなプレッシャーがかかる中、第4回の開催日はやって来た。
 今年もまた高円寺会館が会場なので、バスに乗って西荻窪へ行き、中央線にして3駅で、最寄りの高円寺駅に到着。私から見れば自宅から1時間もかからないところにある会場に、北は北海道から南は九州まで全国の強豪クイズプレイヤーが、現在史上最強と目されるクイズ大会に参加するために馳せ参じるというのは、普通の人には想像し難いことだろう。だが高円寺駅には現実に、今のクイズ界を代表するプレイヤーが数多く立っていた。
 「このメンバーの中の56人に入れるのか?」と、弥が上にも不安は募るが、それはそれとして、あいさつ回り。大門から「祝!銀行員退職 長束恭行様」と書かれた色紙に何か一言書いてと頼まれた。長束さんが第9回史上最強のクイズ王で、ドイツの要塞戦「ジークフリート戦」を誤答したことにちなみ、「ノルウェーの要塞戦って何ですか?」と書く。
 駅前のコロニーを離れ、一人で会場へ向かう。受付を済ませて会場内に誘導されると、到着順が悪かったため、かなり後ろの方に座らされる。が、前の方に栗田が座っているのをいいことに、「栗田の隣に移っていい?」と頼んで、前の席へ移させてもらう。栗田の隣に座って初めて気付いたが、この回りには関西の強豪と、リバティのオープン常連組の面々がほとんどを占め、カンニング、じゃなくて大会評価を聞くには絶好の場所となった。


第1R:50問ペーパークイズ(全員→56人)

 会場が暗くなり、オープニングが始まる。第6回全日本を意識してか、昨年の第3回K−1の見せ場となった場面の音声を流し、最後に安藤のウィニングアンサーとなった「パンプローナ」で、「今回のウィニングアンサーを答えるのは誰か?」と落とす。そういえば私の第3回K−1体験記を見返すと、安藤が「さん付け」になっていたのに、時の流れを感じる。
 開始のやりとりも早々に、ペーパークイズが始まった。今日では基本とされる問題が多く、取りこぼしが重そうなペーパーであった。それはわかっていたものの、4、5問は取りこぼしてしまうのはいつものことである。15分が過ぎ、ペーパーは終了。手応えは35点は確実で、取りこぼしが多かったからシードは無理だろうが、予選落ちはいくらなんでもないだろうという出来。

順位名前主所属サークル主戦歴得点
1位安藤正信QUAPS第3回K−1グランプリ優勝48点
2位山本耕造モンキーズ第4・5回全日本クイズ選手権優勝46点
3位橋本隆弘QUEST第6回全日本クイズ選手権優勝
4位牟禮大造モンキーズ花と蛇杯WEST優勝45点
5位石川健一郎史上最強7・9回本戦出場44点
6位林廣宣QUESTぷりぷりカップ優勝43点
7位大倉太郎第5回法政オープン優勝
8位永田淳島根大学第6回全日本クイズ選手権4位
9位関口仁クイズ部第2回藤井杯準優勝
10位池田忍QUEST第7回Ryu杯準優勝42点
11位石貫能和QUEST第6回Ryu杯4位
12位栗田修クイズワールドカップ優勝41点
13位堀江亮次QUAPS静岡オープン準決勝
14位飯田暁第7回Ryu杯準決勝
15位舛舘康隆第13回マンオブザイヤー準優勝
16位横井貴史QUAPS第1回同志社オープン準優勝40点
17位遠藤誠弥生杯優勝
18位鈴木雅也イージオスダダイストカップ準決勝
19位串戸尚志イージオス第6回一橋オープン準優勝
20位能勢一幸クイズ部第15回ウルトラクイズ優勝39点
21位小川雄之QUEST第1回京都オープン準優勝
22位佐藤泰司つぎの会第7回FNS本戦出場
23位鰐部哲也モンキーズアタック25グラチャン大会代表
24位西村陽東北学院大学第3回K−1 2R38点
25位藤井健一郎第7回Ryu杯準決勝
26位仲西知憲第6回全日本2R
27位高山慎介イージオス弥生杯3位
28位春日誠治イージオス嶺上杯優勝
29位佐々木貴之KITANクラブ第4回法政オープン予選1位
30位井上幸治イージオス弥生杯予選2位37点
31位大村哲也またんごの森嶺上杯準優勝
32位深澤岳大リバティ第2回東大オープン優勝
33位鈴木舟太第1回都立オープン優勝
34位宮澤大輔駒澤大学花と蛇杯EAST準優勝
35位佐通雅之QUEST第1回同志社オープン2回戦36点
36位藤井和彦OBA−Q第2回FNSグランドチャンピオン大会優勝
37位塚本丈二TQCスプートニクカップ5位35点
38位木村武司QUEST第6回Ryu杯準決勝
39位内田拓也ギャグスターズダダイストカップ2R
40位月森直人モミジQ楽部史上最強数回本戦出場
41位上野裕之クイズ部第4回Ryu杯優勝34点
42位高木晃一クイズラバーズコンコルドカップ優勝
43位中村弥史東洋大学第5回明治オープン2R
44位中橋大介北海道大学アタック優勝24枚
45位西岡能範イージオス第6回一橋オープン2R
46位パンチョ眞露杯準決勝
47位松本隆一横浜国立大学弥生杯準決勝
48位下田力アタック25 2回出場33点
49位渡辺徹リバティでじま杯優勝
50位村上彰S市役所第5回明治オープン準決勝
51位田中利樹QUAPSアタック25優勝
52位横山泰良またんごの森ラスパイレス杯本戦1R32点
53位神山学第1回藤井杯準優勝
54位村上浩一一橋大学弥生杯準決勝
55位増田秀直イージオス弥生杯4位
56位大森孝宏モンキーズ第3回法政オープン優勝

主所属サークル名は舟太的分類による。

予選通過者の主所属サークル分布

 大学系のクイズサークルはイージオスとリバティのみが複数人を輩出。今時の複雑なクイズ環境を物語る分布である。

以下の所属サークルは解答用紙に書かれたものそのまま

順位名前所属サークル得点
57位新井浩同志社大学32点
58位野瀬昌彦QUEST
59位若林一也城西大学31点
60位金田浩輔無所属
61位鷹羽寛グランドスラム
62位北洞貴康QUAPS30点
63位山本剛茅ヶ崎市教育委員会
64位松村憲昌イージオス
65位大谷雅子島根大学
66位黒巣弘路リバティ
67位八十田隆行早稲田29点
68位矢野淳一千葉大学
69位湯本敏樹RUQS
70位菊地晃史群馬クイズ愛好会
71位鈴木亮早稲田
72位上田洋一平塚市立相模小学校クイズクラブ28点
73位沼屋暁夫都立大学
74位小田典生一橋
75位宮崎裕茂東大
76位高橋次郎次の会
77位沢登由佳イージオス
78位渋谷裕司一橋
79位岡村悟史関東学院
80位西山義之東大27点
81位佐々木繁樹東大
82位岩村貴成OBA−Q
83位市川尚志早稲田26点
84位森家盛早稲田25点
85位西村友孝イージオス
86位湯川善行モンキーズ
87位鶴祐一東大
88位植西正樹モンキーズ
89位新井健一RUQS
90位小林大介一橋
91位井田純一北海道クイズ愛好会24点
92位大門弘樹同志社大学
93位相田聡一一橋大学
94位豊田恭平富山大学
95位豊嶋恭子QUAPS
96位小林崇リバティ
97位曽根喜則帝京大学
98位石川貞雄一橋23点
99位大川修司駒澤
100位矢野了平東洋大学

以上がベスト100。


第2R:2○2×((12人→6人)×4組)

 予選1位で安藤が呼ばれる。得点は48点と驚異的なもの。名古屋のトップが来ればということで、2位には関西最強と謳われる課長こと山本耕造さん。3位には橋本隆弘さん、4位には牟禮大造と関西勢が続き、5位には九州・中国地方を根拠とするサークル「草」の石川健一郎さん。6位は林廣宣さん、7位には関東唯一のシードとなった大倉太郎、そして8位は私のそっくりさん(似てないって)として知られる永田淳さん。
 シード8人の地方分布は、関西4人、中国2人、関東と名古屋が1人ずつで、中国地方のプレイヤーが初めてシード枠を獲得したことになった。
 シード8人が紹介されたあと、即座に2Rの開始が告げられる。ビゼーの「カルメン」をバックミュージックに、Aブロックの挑戦者が次々呼ばれ、35点ちょっとと言っていた深澤が32位で名前を呼ばれたので、私は別のブロックだなと腰を据えてAブロックを見ていようとしたところ、「33位、所属・コンモリヰ連、鈴木舟太!!」と呼ばれ、「37点でこの順位なのか?」と、驚きを隠せない状態で控え室に回る。

1○2×関口仁栗田修石貫能和池田忍
横井貴史堀江亮次飯田暁舛舘康隆
2○2×遠藤誠能勢一幸串戸尚志鈴木雅也
西村陽小川雄之佐藤泰司鰐部哲也
藤井健一郎春日誠治高山慎介仲西知憲
深澤岳大佐々木貴之井上幸治大村哲也
鈴木舟太藤井和彦佐通雅之宮澤大輔
月森直人塚本丈二木村武司内田拓也
上野裕之中橋大介中村ひさし高木晃一
下田力西岡能範小林道生松本隆一
渡辺徹横山泰良田中利樹村上彰
大森孝宏神山学村上浩一増田秀直

 激戦となった予選を勝ち上がってきたので、誰が相手でも簡単に勝てるわけがないという気構えはあった。が、Aブロックの面々を見る限り、「自分が最弱では無かろうか?」と思わずにはいられなくなるほどの豪華メンバーである。この12人で準決勝を始めると言っても、誰も不自然に思わないだろう。
 控え室から舞台に上がり、早押し席に座る。隣の深澤と月森さんと若干談笑していると、司会の沼田が第2Rの開始を告げ、幕が上がる。目の前には舞台下の暗さが広がり、今から始まるであろうさらなる激戦を見るための面々があった。
 早押しの皮切りとなる1問目、第2回は「K−1」、第3回は「高円寺純情商店街」と、何らかの形で大会に絡んでいる解答で、楽しみとしている人も結構いたようだが、舞台にいる状態ではそんな余裕はなかった。設立者のジョセフ・シモンズが読まれた途端に、早押し合戦となったが、遠藤が解答権を取り「クー・クラックス・クラン」を先取。3問目で関口さんがアドバンテージの利を生かしてトップ抜け。
 いまいち他の人の早押しについて行けていなかったので、いつも通りのトンコロ負けかと覚悟するが、4問目に「「音無しの剣」でデビューした/」と、絶妙のポイントで解答権を取ることができ、「横山光輝」を正解して1○。これでちょっと楽になれたと息をつこうとしたところ、直後の5問目で遠藤が勝ち抜け、早くも残る枠はあと4つ。6問目に上野さん、7問目に藤井さんが正解して、5人がリーチ。8問目、長々とした前フリでドイツの細菌学者ということだけはわかり、「スライドガラスの代わりに....」と振ってきたところで「シャーレの別名に名を残すあの人じゃなかろうか?」と見当付け、「純粋培養する....」の辺りで100%の確信を得て解答権を取り、「ペトリ」と正解して2○。リバティの面々からは「また半濁音で抜けてるよ〜」とヤジられながらも、「少女革命ウテナ」(選曲はデュエリスト北形)のバックミュージックと共に勝ち抜けを宣され、自分としては出来過ぎの3位抜けで第3Rへコマを進めることになった。
 私が抜けたあともAブロックでは激戦が続き、リーチをかける人が続々出る中で深澤、月森さんが抜け、残る席はあと一つ。ここで最後の賭けに出た上野さんがまさかの玉砕。同様に下田さんも2×で失格。結局はラガーが「李承晩」を正解して最後の勝者となった。
 Bブロックでは1問目に栗田が正解し、アドバンテージを持っていたので早くも勝ち抜け。その後、春日、堀江、塚本といった若いプレイヤーに正解が集中し、わずか9問で残る席はあと2つ。正解する人が集中したせいか、しばらくはファウンデーションの状態で、15、16問目で佐々木さんが連取して勝ち抜け、最後は能勢さんが滑り込んだ。
 Cブロックは、1問目で高山が先制し、さらに3問目、「アレッサンドロ・モレスキ」というキーワードで得意満面に解答権を取り、「カストラート!!」と正解してトップ抜け。高山が抜けた直後に、アドバンテージを持っていた石貫さんと飯田が順に抜ける。枠があと3つになり、続々とリーチをかける者が出てきたのに焦った串戸が、「阿部定」を答えさせる問題で解答権を取ったがそれを思い出せず、思わず「ちんちん切った奴」という爆笑発言をし、昨年の「テトロドトキシン」に勝るとも劣らぬ爆笑王となった。それでもこーぢが4抜けしたあとで、串戸はどうにか5位で抜け、最後は木村さんが勝ち抜けた。
 Dブロック、開始早々に仲西さんが1×を付け、さらに直後の問題が読まれた瞬間に指を滑らせボタンを押してしまい、2×となって失格するというハプニングが起こる。そのハプニングの虚を突いたか、同志社の“ゲーハー”“ギータカ”こと高木君が二連取してトップ抜け。続いて忍が得意のプロレス問題を正解して2抜け。中盤は接戦となり、大村さんが抜けると連鎖的に村上さんと雅也が抜け、2○2×には圧倒的な弱さを誇っていた舛舘さんが、大方の予想を裏切る形で3R最後の席に着いた。

1抜け関口仁栗田修高山慎介高木晃一
2抜け遠藤誠春日誠治石貫能和池田忍
3抜け鈴木舟太堀江亮次飯田暁大村哲也
4抜け深澤岳大塚本丈二井上幸治村上彰
5抜け月森直人佐々木貴之串戸尚志鈴木雅也
6抜け渡辺徹能勢一幸木村武司舛舘康隆


第3R:コース別クイズ

安藤正信山本耕造橋本隆弘牟禮大造
永田淳大倉太郎林廣宣石川健一郎

 3Rに進出したのは32人だが、形式決定戦に出られるのは2Rシードになった8人のみ。しかも、コースの選択権を得られるのは3人だけである。
 1問目を制したのは、私が組み込まれているAブロックの永田さん。ホンの数秒の間だが、ドキドキしながら永田さんの選択を待った。永田さんは最初から決めていたのか、司会者に振られると迷わず「アタック風」を選択。その瞬間、「アタック風」のルールと作戦を頭の中で反復し始める。
 2問目は橋本さんが取り、「早押しボード」を選択。3問目は課長が取って「通過クイズ」を選択。これにより、各ブロックのコースは次のように決まった。

 K−1スタッフにはありがたいことに、ブロックの順番とコースの順番が一致した。


第3R[1]:アタック風サバイバルクイズ(8人→4人)

挑戦者
予選 1位:安藤正信
予選 8位:永田淳
予選 9位:関口仁
予選17位:遠藤誠
予選32位:深澤岳大
予選33位:鈴木舟太
予選40位:月森直人
予選49位:渡辺徹
 アタック風サバイバルというルールでは、大抵上位陣の一角が誤答で潰れるので、ペーパー上位5人のうち誰か一人が潰れることを見越し、さらに間隙を縫うように正解が出せれば勝つ可能性はあった。
 序盤、皆が慎重なせいか、確定ポイントまで待って押すケースが多いが、私も不必要なくらいに慎重になってしまっているせいで解答権は取れず。展開は安藤、永田さん、遠藤の3人を中心として進み、それに深澤が下位4人に対して一歩リードする形。
 中盤戦、これまで淡々と進んできた勝負が一気にヒートアップする。15問目に安藤が「丸山」を正解すると、

16問目「「アニタの足の裏に/」
安藤「エーゲ海に捧ぐ」
17問目「初代学長は哲学者のマルジウス/」
安藤「ハイデルベルク大学」

今までは遊んでいたかのように、突然目覚めた安藤が三連取。これで私の得点はもう6点しか残っていなかったが、逆転の機会なんてそう簡単には来ないもの。
 21問目の時点で私だけ正解0だったために得点は2点と最下位。安藤、遠藤、永田さんの勝利はほぼ決まっていたので、4点の深澤に、3点の関口さん、月森さん、ラガーの3人が追う形。だが、追っていた3人が揃って1×してしまい、深澤に2点差がついた状態で、下位4人が並ぶ。最後は安藤の二連取で4人まとめて葬り去られてあっさり決着。
 終わって見れば昨年のチャンピオンである安藤の圧勝。それにコンスタントに正解をしていた遠藤と永田さんが続き、他の3人が正解を独占していたせいで、わずか2問しか正解できなかった深澤が最後の席に着いた。

安藤正信 8○(11点残し)
遠藤誠  5○( 4点残し)
永田淳  4○( 3点残し)
深澤岳大 2○( 1点残し)
関口仁  1○1×
月森直人 1○1×
渡辺徹  1○1×
鈴木舟太
 そういうわけで、結局私はヤキトリ状態での敗退。いつものことだが、必要以上に守ってしまったことが敗因であることは間違いない。でも攻めに出たところで勝てたかというと自信は無い。


第3R[2]:ステップアップクイズ(8人→4人)

挑戦者
予選 4位:牟禮大造
予選 5位:石川健一郎
予選12位:栗田修
予選13位:堀江亮次
予選20位:能勢一幸
予選28位:春日誠治
予選29位:佐々木貴之
予選37位:塚本丈二
 最初の段階決めでは、春日が先制して1位の席に着く。
1.春日 2.能勢 3.石川 4.牟禮 5.栗田 6.塚本 7.堀江 8.佐々木
 スターティンググリッドは上記の通り。
 本編となるステップアップクイズの前半は、佐々木さんが飛び出して一気に1位の席にたどり着くも、誤答で一気に逆戻りするが、この間に+7点として他7人に水を開ける。佐々木さんが下がったあとで、上がってきたのは牟禮。4位席からのスタートであるも、

9問目「滑降の跡が花をつないだように見えるところから/」
牟禮「ギルランデ」
10問目「海田庄太郎と北河芳平という2人の人物によって/」
牟禮「吉田石松」

と速攻の連答で佐々木さんに+7点で並ぶ。さらに12問目には栗田も+7点で並ぶ接戦となったが、栗田もまた1位席で痛恨の誤答をしてしまい後退。
 中盤は堀江が総会屋となって場を荒らしたものの、塚本と能勢さんが代わる代わる1位席に着いて+7点と牟禮に並ぶ。だがここでも

22問目「副題は「交響的運動第1番」/」
牟禮「パシフィック231」

と速攻で正解し、牟禮が塚本と能勢さんに4点差を付けて1位席に舞い戻り、勝ち抜けをほぼ決定的にする。
 残り問題数がわずかとなって、佐々木さんが目立たないところで得点を9点にまで上げ、高めの席次ボーナスは狙えない代わりに素点で勝ち抜けを確実にしてきた。
 26問を終了して、

1.牟禮+11 2.能勢+7 3.春日+3 4.塚本+7
 5.佐々木+9 6.石川−3 7.堀江−1 8.栗田+6
という状態。席次ボーナスを考えれば、牟禮、能勢さん、佐々木さんの3人はほぼ確定。4つ目の席はほぼ塚本に間違いないが、栗田と春日にわずかな望みが残っている状態。
 27問目、栗田が解答権を取るが痛恨の誤答で、+4となった上に2問休みで逆転は絶望的。残る逆転のチャンスは春日にのみ残っていたが、ここで何と6位席の石川さん、7位席の堀江が順に正解し、塚本が一気に6位にまで転落。そして最後の30問目は何と栗田が正解し、塚本にとっては悪夢のような転落劇が起きた。
 30問のステップアップクイズが終了し、席次ボーナスが各自に入った。結果、素点と席次が共にトップの牟禮が文句無しのトップ抜け。2位には能勢さん、3位には佐々木さんが入り、そして4位はタナボタで春日と、ボーナスが見込めなかった塚本が同点。両者の間でサドンデスが行われ、「山本七平」のキーワードに春日がいち早く反応し、「イザヤ・ベンダサン」を正解して、最後は自力で逆転勝ちを決めた。
牟禮大造  3○   8+11=19
能勢一幸  2○   7+ 7=14
佐々木貴之 4○1× 1+ 9=10
春日誠治  1○   6+ 3= 9 ○
塚本丈二  2○   2+ 7= 9
栗田修   4○2× 3+ 5= 8
堀江亮次  4○3× 4+ 1= 5
石川健一郎 2○2× 5− 1= 4
<得点は、席次ボーナス+素点=合計>
 私は1問1問メモを取りながらクイズの進行を見ていたので、誰がどういう状況にあったか分かりやすかったが、他の人はどういう印象を持ったのだろうか?多分、ごちゃごちゃ入れ替わって把握しきれなかったのでは無かろうか。それと、通常の正解が席次によって「5、4、3、2、1」だったのに、最後のボーナスが「8、7、6、5、4、3、2、1」というのは、ちょっとボーナスをやり過ぎだったのでは無かろうか。上位の席にいた人は、危ない橋を渡るよりもということでほとんど押さなかったので、下位陣が激しく争っていただけにしか見えなかった。


第3R[3]:早押しボードクイズ(8人→4人)

挑戦者
予選 3位:橋本隆弘
予選 6位:林廣宣
予選11位:石貫能和
予選14位:飯田暁
予選19位:串戸尚志
予選27位:高山慎介
予選30位:井上幸治
予選38位:木村武司
 1問目に高山、2問目に飯田が早押し単独正解するが、やはり様子を見てしまったせいか、赤紙を使わずに大量得点のチャンスを逸する。序盤戦は特に飛び出す人もなく、横一線の展開。6問目に林さんが赤紙を使って大量得点を狙うが、誤答をしてしまい勝ち抜けに黄信号がともる一方で、7問目は高山が赤紙で+5点とそこそこの高得点を挙げて、合計を9点として他を大きくリード。
 11問を終了した段階で、赤紙正解もあって高山が11点とトップ。2位は串戸で7点、3位は橋本さんで6点。以下、飯田、林、石貫さんが2点、木村さん1点、こーぢ−1点と、4つの枠を考慮すればまだ全員にチャンスがある状態。
 12、13問目、赤紙使用で誤答をしてピンチであった林さんが二連取をして一気に上位陣の仲間入り。14問目、「カナダ・マニトバ州の州都はどこ?」と問題文が読み切られたところで高山が解答権を取り、この+3点を追加して勝ち抜けるかと思わせたが、何と「サスカチュワン」と誤答して9点に後退。高山が後退した直後の15問目、串戸が早押し正解して10点として逆転でトップに立つ。
 16問目、ここまで低迷していた木村さんが赤紙を使って+4点を追加し、勢いに乗れたか続く17問目も早押し正解して得点を9点にまで上げる。

18問目「ほぼ同時期にドイツのウェルスバッハも発見し「カシオピウム」と命名したものの正式な名前としては認められなかった、1907年にユルバンによって発見され、パリの/」

 ここで串戸がうまい頭ハネを見せると赤紙を取り出し、確実に「ルテチウム」を正解して+5点を追加。これによって串戸が早押しボードをトップ抜け。
 残り2問で、2位の林さんが12点、3位の高山が11点、4位の木村さんが10点。逆転のチャンスがあるのは5位の橋本さん8点、6位の石貫さん6点まで。その残る2問に対し、石貫さん、橋本さんは共に赤紙を使って一縷の望みを託すも共に失敗し逆転ならず。

串戸尚志 3☆5○  (+2) 16
林廣宣  3☆8○1×     14
高山慎介 2☆6○1×(+2) 11
木村武司 2☆4○  (+1) 11
橋本隆弘 1☆5○1×      5
飯田暁  1☆4○1×      4
石貫能和 1☆6○2×      3
井上幸治   3○1×      0
 赤紙を有効に使えた人は串戸、高山、木村さんの3人だけ。だがそれも+2点の上乗せに留まるだけで、やはり一発逆転よりも確実に早押し正解をして点を積み重ねていった人が勝ち抜けたという結果であった。


第3R[4]:K−1風通過クイズ(8人→4人)

挑戦者
予選 2位:山本耕造
予選 7位:大倉太郎
予選10位:池田忍
予選15位:舛舘康隆
予選18位:鈴木雅也
予選31位:大村哲也
予選42位:高木晃一
予選50位:村上彰
 課長が2、4問目を正解し、早くも通過席に立つ。これに対し、3、5問目を正解した雅也が阻止席に立ち、わずか5問で最初の対決通過クイズのカードが決まり、課長と雅也の2人にスポットが当たる。6問目、代表作がいくつか並べられたあと「野間文芸賞を受賞した「女坂」....」で課長が反応し、「円地文子」を正解し、下馬評通りの圧倒的な強さでトップ抜けを果たした。
 課長が抜け、雅也が阻止失敗で0点に戻ったことにより、点を持っているのは1問目を正解した忍のみ。7問目、その忍が正解をして通過席に立つ。他6人は0点なので、忍は阻止側が来るまでかなりチャンスを待つことが出来たが、11問目を誤答してしまい通過に失敗。
 16問目に雅也が再び2点目を挙げ、今度は通過席に立つと、それに続くように大倉が阻止席に立つ。19問目、いくつかのエピソードが読まれたのちに雅也が「ラエネク」を正解して2位抜け。
 大倉が阻止失敗し0点に戻った隙を突くように、22問目に高木、23問目に忍が2点目を挙げてそれぞれ通過席と阻止席に立つ。この対決は高木が勝負に出て「白頭山」を正解して3位の席をものにした。
 とうとう残る席はあと一つ。村上さん、舛舘さんも通過席にリーチをかけたが、高木が勝ち抜けた時点でポイントを持っていた大倉がわずかに有利だったか、27問目に通過席に立つ。

28問目「その内部には天降石、前の千本、玉簾といった名所があり、出口付近には弥生時代の遺跡があることでも知られる、高知県の三宝山/」
大倉「龍河洞」

 残った4人を阻止席に立たせる前に勝負を決め、大倉が最後の4R進出者となった。

<通過席&阻止席での出来事>

 4問目:課長:通過席
 5問目:雅也:阻止席
 6問目:課長:勝ち抜け

 7問目:忍:通過席
11問目:忍:失敗

16問目:雅也:通過席
18問目:大倉:阻止席
19問目:雅也:勝ち抜け

22問目:高木:通過席
23問目:忍:阻止席
24問目:高木:勝ち抜け

27問目:大倉:通過席
28問目:大倉:勝ち抜け

山本耕造 3○    6問目勝ち抜け
鈴木雅也 5○1× 19問目勝ち抜け
高木晃一 3○   24問目勝ち抜け
大倉太郎 5○   28問目勝ち抜け
池田忍  4○2×
舛舘康隆 1○
村上彰  1○
大村哲也   1×


第4R:ボードクイズ

挑戦者
予選 1位:A:安藤正信
予選 2位:D:山本耕造
予選 4位:B:牟禮大造
予選 6位:C:林廣宣
予選 7位:D:大倉太郎
予選 8位:A:永田淳
予選17位:A:遠藤誠
予選18位:D:鈴木雅也
予選19位:C:串戸尚志
予選20位:B:能勢一幸
予選27位:C:高山慎介
予選28位:B:春日誠治
予選29位:B:佐々木貴之
予選32位:A:深澤岳大
予選38位:C:木村武司
予選42位:D:高木晃一
 1問目は牟禮、2問目は雅也が単独正解で、いきなり15点の高得点を獲得。その後、前半は正誤半分前後の所で落ち着く問題が多く、得点は徐々にばらけてきた。前半10問を終了した時点で、牟禮が49点、大倉が44点と、安藤の弟子コンビがワンツーで揃っているが、肝心の安藤はわずか15点と低迷し苦しい状況。3位は佐々木さんで42点、4位は串戸で40点と、この辺までは安全圏か。課長は33点で5位と、普通のプレイヤーならば上出来の順位のはずだが、課長にしては苦戦気味の順位。
 後半戦は、前半のペースとはうって変わって難問が続出。10問中3問が全員不正解、2問が単独正解で、さらに他5問のうち4問は10点以上と大味な展開。この難問続きでほとんどの人は追加点を望めないまま終了。そんな中で強さを発揮したのは串戸で、最後の20問目に単独正解をして、常に前を走っていた牟禮を逆転してトップで通過。他にも、難問を拾っていく形で安藤が浮上。そして深澤が第2回、第3回に続いて逆転勝利でベスト8入りを果たすかと注目が集まったが、残念ながら今回は及ばず。
串戸尚志  9○:83点 勝
牟禮大造  9○:81点 勝
鈴木雅也  7○:59点 勝
安藤正信  6○:51点 勝
大倉太郎  7○:49点 勝
林廣宣   6○:48点 勝
佐々木貴之 7○:47点 勝
山本耕造  6○:38点 勝
高木晃一  6○:37点
深澤岳大  3○:31点
能勢一幸  5○:29点
遠藤誠   4○:27点
永田淳   4○:24点
春日誠治  4○:23点
高山慎介  4○:22点
木村武司  2○:10点
 それにしても、3○の深澤が上で、5○の能勢さんが下の順位とは。実際、今回のボードは1問で獲得できた点数が異常に高かったから、正解数逆転現象は別に珍しくもなかった。
 ボードクイズの結果、いよいよK−1の本戦とも言えるトーナメントの組み合わせが決まった。

             優 勝
              |
      −−−−−−−−−−−−−−−−−
      |               |
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1   8   5   4   3   6   7   2
串   課   大   安   雅   林   佐   牟
戸   長   倉   藤   也       々   禮
                        木

 昨年のベスト8で残っているのは、チャンピオンの安藤と、秋田さんにタッグ・オブ・ウォーで敗れた牟禮の2人のみ。一方、K−1初参加でここまで残ったのは課長のみ。
 地方別では、関東と関西が3人ずつ、名古屋と東北が1人ずつ。佐々木さんが進出したことにより、東北のプレイヤーが初めてベスト8に残ったことになった。
 学生・社会人(社会に出ていない人も含む)の構成はちょうど半々で、準々決勝の4試合全てが学生対社会人である。


準々決勝:連答クイズ

第1試合:串戸尚志 対 山本耕造

 ダダイストカップの7○3×で戦った両者のリターンマッチ。4R上位ではあったが、ダダイストで負けた串戸は「今度こそは....」という気迫がみなぎっていた。この息巻く串戸に対し、課長はいつも通りのマイペースであった。
 1問目、問題が全文読まれ、「ガルブレイスの著書」を答えさせる、ここまで残った人なら確実に知っているはずの問題で串戸が解答権を取る。先手は串戸が取ると思いきや、どうやら答えが思い出せないようで、悩んだ末に「豊かな社会」と別の著書を答えて誤答。解答権を振られた課長は難なく「不確実性の時代」を正解して先取。2問目、「ハレー彗星が初めて/」とポイント部で押し合いとなったが課長が一歩早く解答権を取って「ジオット」を正解して二連取。さらに3問目、代表作「バイナル・カスライン」が読まれても串戸は答えを思い出すことが出来ず、易々と課長に解答権を取らせてしまい、あっさり「ナギブ・マフフーズ」を正解されて決着。

 この第1試合を見て、4Rのボードがあんなに難しかったのに、準々決勝に入って難易度が3Rに戻ったかのような印象を受けた。それだけに誤答は即相手の得点になる可能性が高く、後手に回る側は迂闊な押しは出来なくなり、先制した側が圧倒的有利に立てるので、ワンサイドゲームで終わってしまう危険性が強かった。

第2試合:安藤正信 対 大倉太郎

 オープニングの挑戦者紹介ではネタを仕込んで、第13回ウルトラクイズを真似て

安藤「最高の相手です。成田空港で考えたときの最高の相手です。そのために、僕は、勝ち残ってきました。」

この安藤のトークに早くも場内大爆笑。そして当然大倉も

大倉「最低の相手です。」

と切り返して場内の笑いを取る。が、司会はネタに気付かなかったようで、とっとと次に進行してしまい大倉の続きを聞かずに準々決勝第2試合を始め、ネタをぶち壊す。
 お笑いはここまでにして、K−1準々決勝という舞台で師弟対決が実現した。1問目「根津美術館」は地元の利があったか、大倉が先制。2問目は安藤が焦ったか誤答。問題文が全文読まれ、確定ポイントの「火星の運河」が読まれたことで、大倉は当然の如く「スキヤパレリ」を正解して二連取。3問目、やはりリードしている側が強気に出られるため、「高杉晋作が死んだ時に/」と、ポイントを早めて大倉が解答権を取り、「野村望東尼」を正解して三連取。第1試合同様に、この試合もあっけなく決着した。

第3試合:鈴木雅也 対 林廣宣

 ダダイストカップの早押しボードクイズで対戦し、その時は雅也が勝ち、林さんは敗れた。この戦いについて司会が触れると、雅也は「記憶にございません。」と、林さんと戦ったことを忘れてしまっていたようであった。やはり雅也はブルジョワだけに、下々のことをいちいち覚えないのだろうか。
 1問目、「初代監督は山本栄一郎/」で林さんが「ロマンス・ブルーバード」を先取。これまでの流れからして先制した側が有利ではあったが、2問目は雅也が返し、

3問目「「ハイドロスフィモグラフ」という水を利用した嘘発見器を/」
雅也「ロンブローゾ」

と、これぞ雅也という押しで二連取しリーチをかける。勝ち抜けを賭けた4問目、雅也が解答権を取り決まったかと思いきや、答えを思い出せず誤答。問題を全文読まれて振られた林さんはこれを正解し、逆転の糸口を掴む。だが流れは林さんには傾かず、再び雅也が二連取し、今度はしっかりと「ネーピア」を正解して三連取を決め、林さんを再び叩き潰した。

第4試合:牟禮大造 対 佐々木貴之

 開始前の紹介時から佐々木さんは浮き足立っているように見えた。第4回法政オープンペーパー1位が主な戦歴、自らマイナープレイヤーと言うだけに、確かな実力を持ってはいるが、こうした大舞台に慣れていないらしく、緊張感がありあり見えた。
 1問目の「フログネル公園」、2問目の「アベラール」は牟禮が余裕を持って楽々と連取。3問目、佐々木さんが巧いポイントで解答権を取るが、「サンガー」と気持ちは分かる惜しい誤答。押し負けていた牟禮は問題文が全文読まれる間、勝ちを確信して半笑い状態で待っており、問題が読み終わって司会者から振られると「アプガー」とボソッと一言発して三連取とし、佐々木さんを退けた。

     優 勝
      |
  −−−−−−−−−
  |       |
−−−−−   −−−−−
|   |   |   |
課   大   雅   牟
長   倉   也   禮

 4試合中3試合までが3問で決着と、何だか本当のK−1のようなあっと言う間のKOラッシュであった。


準決勝:タッグ・オブ・ウォー

第1試合:山本耕造 対 大倉太郎

 準決勝は奇しくも関東対関西のトッププレイヤー同士の対決となった。試合前の評では、決勝は課長対牟禮の関西頂上対決が有力そうであった。そうなるとこの勝負は、大倉が課長にどれくらい着いていけるか、というのが大方の見方であっただろう。
 1問目、第7回Ryu杯決勝で出題された「ローレンス・ヴァン・デル・ポスト」を前フリにした「戦場のメリークリスマス」は課長が先取。先程の串戸を倒した時同様に、大倉にクイズをさせないまま倒すのではという印象を受けた。さらに課長は2問目も解答権を取り、これで早くも2点差かと思わせたが誤答。これで勝負は振り出しに戻る。
 ピンチのあとにはチャンスがあるのか、3問目は大倉が「ミュルダール」を正解して1点差を奪う。さらに

4問目「副題は「諷刺第二」/」
大倉「ラモーの甥」

と、課長に対し逆に2点差を付ける。その後スルーを2問挟むうちに大倉が3点差を付け、勝負は下馬評とは全く逆の形になってきた。8問目の「フェヒナー」も確実に問題を読ませてから正解する大倉らしさを見せ、とうとうリーチをかける。

9問目「作者自身が幼い時に聞いた話を素材とした、旅回りの芝居の座長が嫉妬のあまり芝居と現実を混同し、一座の花形である妻を刺し殺してしまうという内容の、イタリアの作曲家ルッジェーロ・レオンカヴァルロ/」

大倉が確実に解答権を取り、期待と不安が入り交じる中、答える。

大倉「道化師!!」

その瞬間、正解音がコールされ、課長に5点差を付けたことにより、大倉の決勝進出が決まった。普段クールな大倉が、滅多に見せないオーバーアクションのガッツポーズを取り、喜びを全身で表現していたのは印象的であった。
 消費問題はわずか9問。下馬評を大きく覆し、終わって見ればワンサイドゲームでの大倉の勝利だった。

第2試合:鈴木雅也 対 牟禮大造

 昨年、牟禮はこの企画を準々決勝で戦った。その時は、対戦相手の秋田さんに勝負の駆け引きの弱さを突かれる形で、結局誤答のトラブルで自滅。弥が上にもその光景はダブる。対戦相手はダダイストカップの早押しボードで逆転負けを食らった相手である雅也。雅也からすれば2戦連続でダダイストで倒した相手との勝負である。両者とも格段の成長を遂げた今、再び対戦することになった。

1問目「刑が執行される前日に詠んだ「明日の死を 前にひたすら/」
牟禮「小原保」

 先制攻撃は牟禮。2問目はスルー。3問目は雅也の誤答で牟禮が早くも2点リード。その後は牟禮が「ラジャ・スコブリコーワ」を正解すれば、雅也も「特性のない男」を正解し、激しい正解合戦が続いて“牟禮2点差”付近を行ったり来たりしていた。

8問目「教祖はベルギー人のルック・ジュレ/」
牟禮「太陽寺院」

牟禮がこれで雅也に対し、3回目の3点差を付けた。こうした勝負はリードしている方が心持ち余裕が出来るのが常で、リードされている方は焦りは禁物である。だが頭の中で分かっていたところで、実際戦っているといちいち考える余裕はない。牟禮は一度この勝負を戦っていることから、そのことは分かっているだけに、危ない橋は渡らないはず。雅也にとっては点差以上に精神的不利さがある。そして牟禮は9問目「イリイン」で余裕を保ったまま4点差を付けてリーチをかける。雅也には後がない。
 10問目。勝負は雅也の自滅という形で、あっけないほど簡単に決着した。
 結局、牟禮の5○に対し、雅也は2○2×。牟禮はこの形式で一度は敗者となり、今度は勝者となった。そして秋田さんへのリベンジはかなわなかったが、雅也へのリベンジを果たし、決勝へコマを進めた。


決勝:10ポイント先取早押しクイズ

予選7位:大倉太郎
3RK−1風通過:4位
4Rボード:5位
準々決勝:対安藤正信
準決勝:対山本耕造
予選4位:牟禮大造
3R早押しボード:1位
4Rボード:2位
準々決勝:対佐々木貴之
準決勝:対鈴木雅也
大倉太郎 対 牟禮大造
 決勝戦は昨年度の優勝者・安藤正信の一番弟子同士の対決となった。準々決勝では師匠であり名古屋最強と謳われた安藤、準決勝では関西最強と謳われた課長を倒して決勝進出した大倉。全てのラウンドで危なげのない横綱相撲で勝ち上がってきた牟禮。全くタイプの異なる二人が、自分達が全てを賭けてきた最後の舞台で対戦する。

1問目「脚本を書いたのは作家のアラン・ロブ・グリエ。あるホテルの中でデルフィーヌ・セイリグ演じる人妻が、ジョルジュ・アルベルタッツィ演じる見知らぬ男から「私達は去年会っている」/」
大倉「去年マリエンバードで」

 先制攻撃は大倉。勝負は接戦が予想されていたが、その予想を裏切る形で「湯浅年子」「フォン・ヘイデンスタム」と大倉が3連取を決めて一気に牟禮を突き放す。そして13問目を終了した時点でスコアは5対1と、大倉のワンサイド。「去年高円寺で」ではないが、安藤が秋田さんをワンサイドで下した光景とあまりに似すぎている。
 だが、ここから去年と違ってくる。14問目の「タイス」の正解で序盤から沈黙気味の牟禮が自分を取り戻したか、「宇都宮三郎」「ソフィア・コワレフスカヤ」と、大倉にお返しの3連取を決め1点差に詰める。17問目、大倉が牟禮の勢いに押されてか誤答をしてしまい、4対4の同点となる。

18問目「肩を痛め1950年からは打者に転向し、1958年には打率.320で首位打者を獲得している、投手としては1950年3月16日の対国鉄戦で9回2死までパーフェクトに抑えながら中村栄にテキサスヒットを打たれ、史上初の完全試合を逃したことで知られる阪神タイガースの選手は誰?/」
大倉「田宮謙次郎」

19問目「ロザリオという女性を愛している近衛士官フェルナンドが/」
牟禮「ゴイエスカス」

20問目「東京共立病院歯科部長在職中の昭和8年、患者に勧められて句作を始めた俳人で/」
大倉「西東三鬼」

21問目「その妹・きみ子は女流作家・三宅花圃の母だったという人物で、戊辰戦争では榎本武揚らと共に五稜郭で官軍と戦って敗れたものの、その後札幌農学校の創設、日本標準時の制定/」
牟禮「荒井郁之助」

 正に一進一退の攻防。スコアは6対6。まるでお互いが実力を高め合っているような、最高の勝負が繰り広げられていた。そして22、23問目「赤と黒」「西光万吉」を大倉が二連取して、この終盤に来て牟禮に大きな2点差。だが牟禮は焦らず、すぐさま24、25問目「村野四郎」「リヒテンベルク」と二連取を返し、再び8対8の同点。大倉がリードすれば牟禮が追い付くの繰り返し。
 ヒートアップした勝負が2問のスルーで一段落着く。いよいよ第4回K−1グランプリも最終局面を迎えた。

28問目「パレ・ロワイヤルの劇場は死後メリエスに買い取られ、1896年にはメリエスの最初の映画が公開されたという、本名をジャン・ウージェーヌ・ロベール/」
牟禮「ロベール・ウーダン」

先にリーチをかけたのは、決勝で初めて大倉に対しリードをしたことになった牟禮。逆に大倉は初めて牟禮にリードを許し、最後の最後で追う側の立場となった。29問目、是が非でも取りたかった大倉は若干ポイントを早めて取りに行ったが誤答。スコアは9対7となり、牟禮のリーチは変わらない。

30問目「当時の人気カーレーサー、ルイジ・ムッソとはかつて恋仲だったというエピソードもある、1958年のベルギーGPでデビューし、その年に3つのレースを走っただけで引退した、F1史上初の女性レーサーであるイタリア人ドライバー/」

解答権を取ったのは牟禮。「これで終わるのか?」という含みはあるように見えたが、表情を変えないまま、興奮気味に叫んだ。

牟禮「フィリップス!!」

わずかな時間、会場が沈黙。次の瞬間、司会の沼田が「決まったぁ〜!!!」と大絶叫、正解を知らせる音が鳴り、会場中から拍手が沸き上がり、第4回K−1グランプリの優勝者が、牟禮大造に決まったことを告げた。


おまけ

 なぜだか知らんが、K−1体験記だけには前回、前々回とおまけが付いているので、今回もまた、優勝者・牟禮大造に密着して作ってみた。

フィリップス!!

 大会は終了し、参加者らの慰労として飲み会の席が用意されていたので、そちらへ移動。優勝者の牟禮の隣に無理矢理詰めてもらう。向かいには安藤がいるのを始め、テーブルには次次点で予選落ちした野瀬君、片やギリギリで予選通過した名古屋の元会長田中利樹など、そうそうたるメンバーが揃っていた。
 わざわざ牟禮の隣に陣取るのだから、私には当然牟禮に聞きたいことが山ほどあった。優勝カップを大事そうに持っている牟禮に対し、まず「ウィニングアンサーになった「フィリップス」さぁ〜、何でファーストネームは言わなかったの?その方がもっと格好良かったのに。」と聞くと、「いや、あれファーストネーム知らなかったんですよ。」との返答。あ、そりゃ、答えようがないわ。
 そうなるとファーストネームが結構気になるので、ちょうど正面にいた安藤に振ると、「え、マリア・フィリップスやんか。ダメ猫」と言いながら、テーブルにある枝豆をむしゃむしゃ食い始め、そのカラを牟禮のカップに捨て始める。前回優勝者であり師匠のありがた〜い食べカスだけに捨てるに捨てられず、牟禮はイジケ顔になっていた。

ギータンジャリ

舟太「それにしてもあの決勝さぁ〜、凄いよな。何であんなに難しいの、ガンガン正解できるんダスか。でも、そんな難しいのあんなに正解するのに、何でタゴールの「ギータンジャリ」をスルーにしたんだ?」
牟禮「いや、アレは何となくそうとは思ったんですけれど、押せなかったんですよ〜。それでスルーになっちゃって....」
野瀬「そうそう、決勝戦、何であんな簡単なのがスルーになったんや?「面白半分」とか「国際平和局」とか....」
 その後、牟禮の優勝を祝う人はおらず、揚げ足取りばかりに終始することになった。「ギータンジャリ」のスルーを指摘したのが発端となって、こんなことになるとは。回りが強豪ばかりだけに、すぐにそうしたところが分かってしまうのも悲しいかもしんない。

使徒、襲来

「しゅーた、しゅーたぁ、あたしにも牟禮君紹介してよぉ〜」
かおりが唐突に声をかけてきた。「てめ〜は家盛と一緒にいりゃぁいいだろが」と断るが、激しく引き下がるので、代わりに今売り出し中のトシキを紹介する。こういう女は有名どころの何かしらの肩書きを持った人間が好きだろうから、ついでに「名古屋大学クイズ研の会長だぞ〜」と、パソコンを勧める店員のようにセールスポイントも付ける。
 んで、テーブル移動を何度か繰り返したのち、元のテーブルに戻ってくると、トシキから「いやぁ〜、舟太さん、この人、面白いですね〜」と、かおりを面白がっていた。
 その後、かおりは周りの人と話をしたらしいが、どうやら事あるごとに、「“舟太さんのページで有名な”かおりさんですかぁ〜」と、枕言葉付きで話し始められたらしく、かおりはしばらく私と話をしなくなった。めでたし、めでたし。


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