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藤井杯体験記 はじめに

 この大会は1996年6月9日に、藤井和彦さん主催で行われた大会で、前回は95年の12月に開催されたものです。
(この大会の正式名称は、CORNELIUS MENU04です。)

藤井杯体験記Part1

 1996年6月8日、夜の10時頃、私は一通の電話を吉屋大樹のPHSにかけた。明日の藤井杯の集合時間、多少の注意事項の確認、そして今日行われた新人戦で、深澤岳大の大活躍により法政リバティが優勝したことを聞く。私としては明治や慶応の様子も聞きたかったが、電話代が気になったので切ることにした。


 1996年6月9日 10時

 代々木八幡駅に到着。近くで見つけたパン屋でパンを買って、会場へと足を進めた。受け付けは参加者のはずの神野芳治がやっていた。参加者だというのに、今回もかなりこき使われそうである。ちなみに今回の参加費690円は参加者に浸透していたので、ほとんどの人がピッタリを用意していたが、ギャグのつもりか前回準優勝の神山学君が1万円札で参加費を払っていた。
 今回の予選に際し、参加者全員にパンフレットが配られた。大会ルール概要と、暇つぶしのための読み物なのだが、これがかなり笑える。(しかし、関西のクイズプレイヤーが見たら激怒しそうな表紙の作りである)
 総参加者数は54人と、予想通りといえば予想通りの人数で、この時点で既に全員が第1次予選通過確定となった。もっとも、強豪が多数参加していることを考えれば、ハイレベルな戦いは十分予想できる。
 また、大会が始まる前に、今回は残念ながら参加できなかった男塾塾長・上野裕之さんから送られてきた電報が読まれ、笑いの渦の中予選が始まる。


第1次予選 ペーパークイズ

 ほとんど第2次予選のラウンドセレクトのために行われる形となった予選だったが、かなり死角を突かれた感じで、取りこぼす問題が多かった。ワールドカップを前に、こうした思い出せない問題は少なくすることが個人的な課題となった。
 ペーパークイズ終了直後に一般問題60問の正解が発表される。私はちょうど30問で30点。他の人も大体その前後を取っているので、可も不可もない普通の順位らしいと考えていた。
 休憩後、順位発表。その前に、難問9問の解答が発表される。ここで私は何と4問正解で一気に16点を追加し、計46点となった。中でも、

「椎名へきる」

の正解は、「インターネットサーファーやってて良かった」という気にさせられました。
(ただ藤井さん本人は國府田マリ子の方を出題したかったらしい)
 結果、私は4位というかつてない順位を確保。3位は秋田芳巳さんで、聞いた話では50点以上だというので、ちょっとやそっとでは抜けない大差でした。2位は新井浩さん。前は同志社大学に在籍し関西圏のプレイヤーでしたが、就職して関東に来た方です。正直、こういう方が増えると、関東圏のレベルが上がって良いです。シード権獲得となるペーパー1位は、57点の高得点を残した神野であった。どうやらダテにこき使われているわけではないようである。

 1位はシードで本戦進出なので、2位から成績順に第2次予選のラウンドセレクト。早押しは遠慮したかった私は三択クイズを選択。
 全員のジャンルセレクトが終了。さっそく第2次予選が開始される。


藤井杯体験記Part2

第2次予選は各組2人勝ち抜け


第2次予選 A 5○2×

 このブロックの参加人数は14人と、中規模の人数。有力プレイヤーは、秋田さん、山本剛(RYU)さん、深澤、永井荘一郎といったところ。
 展開は、秋田さんが積極的に正解を重ね、それに深澤が追随する形。永井とRYUさんは早いうちに1×としてしまい、やや不利な状況。
 最初にリーチをかけたのは深澤。リーチをかけた直後の問題で解答権を得て、勝ち抜けを決めたかに見えたが誤答。それに続いて秋田さんもリーチとし、1×ながらも早いポイントで押し、見事1抜けを果たす。勝ち抜け枠が1つとなり、ここで積極的に来たのが永井。2○1×の状態で2問連取をし、深澤に対し追っかけリーチをかける。共に4○1×で、勝負は次の問題へ移った。

「今年夏季オリンピックが行われるアトランタはアメリカの/」
深澤が解答権を得る。ここで問題の先を見事読み切り、「ニューサウスウェールズ州」を正解し、2つ目の枠を得た。


アトランタはアメリカジョージア州の州都。2000年の夏季五輪が開催される都市シドニーは答えの通り。

第2次予選 B トーナメント戦

 このブロックの参加人数はわずか10人と最も少なかった。とはいえ、有力どころは関口仁さん、西岡能範、高山慎介君、高橋由美さんと十分に揃っている。
 まず一人目の勝ち抜けを決めるトーナメント。1回戦で高橋さんが高山君を倒し、場内から歓声が沸く。それに乗じた深澤の「由美ちゃんセクシー!」発言に秋田さんが激怒し、怒りの鉄槌を下す一幕もあった。その後はやや間延びした展開となるが、決勝戦には西岡と関口さんが残った。苦しみながら残った西岡よりも、余裕で抜けてきた関口さん有利と見たが、1問目を関口さんが誤答したことで西岡が有利な状況となり、「スカイプレー」(ハンドボールのプレーの一つ)を正解し、西岡が1人目の勝ち抜けとなった。
 2人目の勝者を決めるため、トーナメントが組み直される。今回は淡々と進み、決勝には関口さんと高山君が残った。共にハイレベルの押しを見せるが、関口さんが「ハロー」(太陽や月の回りの光のこと)を正解し、紙一重の差で勝ち抜ける。


第2次予選 C ABブロック対決クイズ

 ここの参加者は17人とフルエントリーとなった。その上、有力プレイヤーが新井浩さん、田中伸之さん、築山典弘さん、井筒優一さん(親方)、栗田修、吉屋、木下良太、春日誠治、大倉太郎、神山、沼田正樹と、紹介するだけでかなりの行を取るほど集中してしまった。皆ここが一番楽しめそうだと踏んだのだろう。(しかし大半が1度も解答権を得られずに終わる)
 1、2問目、吉屋が「マキルヘニー」「瞼譜」を2連取。対決クイズとするが、相手側の沼田が「ワーニャ伯父さん」を正解し阻止。
 その後多少の移動があるが、栗田が「モーリス・ラベル」を正解して対決クイズとしたところで、命名者だけで「ジンギスカン鍋」を正解して勝ち抜ける。ここで緊張の糸が切れたのか、直後に新井さんが難なく勝ち抜け。激戦となるかと思われたが、意外なほどあっけなく勝負がついてしまった。
解答一口解説
「マキルヘニー」:タバスコの発明者
「瞼譜」:京劇で顔に塗る模様
「ワーニャ伯父さん」:チェーホフ四大作品の一つ
「モーリス・ラベル」:フランスの作曲家

第2次予選 D 三択クイズ

 参加人数は12人。私は置いておいて、勝ち抜けの下馬評は能勢一幸さんと田中健一さん。
 最初の8問で、何と私の正解は1問のみ。もちろん最下位で、ずっと同じ札を上げていた方が良い点であるほどだった。内心まずいなと思っていたところで、「シェイクスピアの生誕地が舞台の作品」という出題。最近シェイクスピアに関する本を読んでいたので、選択肢が出る前に「お気に召すまま」の答えが頭に浮かんでいて、待望の2点目を上げる。これで波に乗り、20問目終了時で、11点としトップタイとなる。(もっとも、11点2人で、10点5人という激戦だが。)
 中盤にさしかかると、再び正解できなくなる。出題した出来事は知っているが、肝心の答えだけを知らないという問題がかなりあり、この辺が甘いな〜という気にさせられた。この間に能勢さんが集団から抜け出し、恐ろしいほどの高正解率で進み、私が20点のところでリーチをかける。その直後、能勢さんが「これからは3番しか上げません」と宣言。見ている側には退屈でしかない三択クイズで、大歓声が起こった。これに対し藤井さんが「じゃあ、3番の答えのやつを移そう」と返し、能勢さんをあわてさせる。その後、本当に移したのか、3番の答えが出てこない。2番手の田中さんに大差がついているとはいえ、能勢さんもちょっと焦ってきているように見えた。
 その状態で「スーザが作曲した作品はどれ?」という出題。「1.ニューヨークタイムズ 2.ワシントンポスト・・・」誰もが分かるような問題でとうとう能勢さんが3番の札を捨てて2番の札を手に取り、場内からブーイングが起こる。(実はその次の問題の答えが3番だったので、貫いていればかっこよく抜けられていたというオマケ付きでした)これによって結局、能勢さんが一抜けを果たす。
 席があと一つとなったところで、田中さんを含め27点が3人、私は22点でカヤの外。(それでも4番手)客観的に見て勝ち抜け不可能のこの状態に限って、立て続けに知っている問題が来る。3人の中で最初に田中さんがリーチとなるが、足踏みが続き、私は26点にまで来ていた。
「ジャン・ジャック・ルソーが作曲した「むすんでひらいて」は元々何という作品のために作られた?」
私は知っていた。が、田中さんが正解したら意味がない。私と違う札が上がるのを願うものの、同じ札が上がった。これによって、田中さんが最後の本戦出場者となった。
 終わってから気がついたことですが、勝者2名はウルトラクイズの第15回・第16回のチャンピオンだったという、普通の大会でもなかなか見られない豪華な組み合わせだったのでした。

藤井杯体験記Part3


本戦1回戦 ボードクイズ(9→4)  序盤、シード選手の神野が「瀟湘八景」をただ一人誤答し、一気に9点減点となり、いきなり脱落。
「瀟湘八景」:近江八景、金沢八景など、「八景」という言葉の語源になった中国の景勝地
次に西岡の不正解が目立ち始め、こちらもほぼ脱落状態。やはりこのルールでは、単独正解はさして意味はなく、5、6人の正解者が出たときの大量減点をいかにかわせるかがポイントである。その上、ミスを自力で挽回することが非常に困難であるため、一度脱落すると勝利は絶望的となる。
 その後深澤が脱落し、コンスタントに正解を重ねていた田中さんと能勢さんも上位陣から遅れだし、22問目で上位4名との差が完全に開き、この時点で決着が付いた。

 1位で抜けたのは大量40点を残した秋田さん。あまり大量減点も受けず、「チャンピー」(日本の盲導犬第1号の名前)を始めとした単独正解も多く、堂々とした成績でした。
 2位は秋田さんと1点差の39点で関口さん。秋田さんの陰に隠れがちでしたが、同様に大量減点を受けずに来た実力はさすがでした。
 3位は31点で新井さん。「六郷川」や「オイディプスの三角形」など、本人はマグレで正解したと言っているものがありましたが、これをマグレで正解できる事も十分凄いです。
 4位は27点で栗田。(5位は18点)勝者インタビューでは「マチコ先生とルナ先生の2択でした。」などと笑いを誘っていました。
(かつての人気?アニメ「まいっちんぐマチコ先生」を答えさせる問題で、結構正解者がいたので不正解者は馬鹿にできない減点を受けたのです。)


本戦2回戦 通過クイズ(4→2)

 序盤は関口さんが一歩抜けだし、最初に3ポイントを獲得して通過席へ来る。
通過クイズ「兄は「乙女の愛の夢」で/」
 栗田が苦しみながらも「剛田兄妹」を正解し、辛くも阻止。
「剛田兄妹」:漫画「ドラえもん」のキャラクター。兄・剛田タケシは「乙女の愛の夢」でレコードデビューしている歌手で、妹・クリスチーネ剛田(ペンネーム)は「ショコラでトレビアン」などの作品を書き、漫画雑誌に投稿をしているアーチストな兄妹。
 その後は栗田と秋田さんの点の取り合いとなり、その間隙で関口さんと新井さんがかろうじて正解でき、通過席においても互いに阻止をし続け、常に目が離せない展開となった。
 2回戦が始まってからかなりの時間が経ち、秋田さんの4度目の通過席を栗田が阻止。それと同時に3Pとなって、栗田も4度目の通過席へ。ここで遂に「レイバン」を正解して勝ち抜ける。
 栗田が抜けた影響で、関口さんがチャンスの糸口をつかみ、1度は阻止されるものの、3度目の通過席で「フランクフルト」を正解して決勝進出を決める。


通過席での攻防

関口1回目「剛田兄妹」      栗田阻止
栗田1回目「すぐやる課」     秋田阻止
秋田1回目「野見宿禰」      誤答
秋田2回目「マダムと女房」    栗田阻止で通過席
栗田2回目「沢村栄治」      秋田阻止

秋田3回目「丸井」        栗田阻止
栗田3回目「北沢楽天」      秋田阻止
新井1回目「西城秀樹」      秋田阻止で通過席
秋田4回目「マヨネーズ」     栗田阻止で通過席
栗田4回目「レイバン」      勝ち抜け

関口2回目「パンセ」       秋田阻止で通過席
秋田5回目「マッキンレー」    新井阻止
関口3回目「フランクフルト」   勝ち抜け


藤井杯体験記Part4


決勝 形式制覇クイズ(2→1)

栗田修 (早稲田大学3年)
 オープン大会では常に好成績を残し、強豪の一角として知られるが、例会で見せる早押しを本番に出し切れないため「ブルペンエース」というありがたくない称号がある。今回その称号を返上できるか。

関口仁 (東京大学OB)
 学生時代は秋田芳巳さん、上野裕之さん、田中健一さんと共に東大4強に数えられるが、大会では3人の陰に隠れがちなため「クイズ界の阿波野青畝」というありがたくない称号があるらしい。


 決勝戦のルールは事前に発表されておらず、2回戦終了時に初めて知らされた。(決勝進出者は先にルールを書いた紙が渡されている)
 栗田が選択したルールは「7問限定ポイントアップ」「早押しボード」、関口さんが選択したルールは「早押し機探し」「3問連取」。
 最初に、選択されなかった「ダウトクイズ」が行われる。


ダウトクイズ

 最初のクイズが始まるが、双方ルールをあまり読んでいなかったらしく、「本当」の答えを答えてダウトがかからないと相手の得点になるということに気付かなかった様子。もっとも、観客側も1回しか説明がされなかったので、細かい得点は気にしないで見ていたが。
 結果は終始栗田がリード。関口さんの嘘をうまく見破ったのが勝利の決め手だった。
 続いて栗田が自分のルール「7問限定ポイントアップ」を選択。


7問限定ポイントアップ

 ダウトクイズとはうって変わって関口さんが強気の攻め。1〜4問目を独占して10対0とする。後がない栗田は5問目にようやく解答権を取るが誤答。10対−5となり、次の2問を連取しても逆転できなくなり、勝負がつく。
 関口さんは「早押し機探し」を選択


早押し機探し

 5つの形式で唯一のイロモノ企画だったが、このルールは一騎打ちよりも、多人数が参加するサークルの例会で使えばよりおもしろそうだった。(藤井さんによると、1つイロモノを入れたくて、5分程度で思いついたルールだそうです)
 下馬評は栗田に不利だったが(理由はいろいろ)、終わってみれば3対1で栗田が勝利。視覚的におもしろかったので、観客に飽きさせないという点で考慮された良い形式でした。
 栗田は先ほど負けた7問限定を避け、早押しボードを選択。


早押しボード

 ここでは双方互角の戦いで進み、関口さん9点でリーチをかけるが、栗田は8点。次の問題が勝負を決める状態だった。

 「ティベッツの母親/」
栗田が出会い頭で見事なポイント押しを決め、関口さんがのけぞる。当然両者「エノラ・ゲイ」を正解、11対10として、ルールに即して栗田の勝利となった。


 「エノラ・ゲイ」:広島に原子爆弾「リトル・ボーイ」を投下したB29の名前。機長ポール・ティベッツの母親の名前から付けられた。
 ついに栗田がリーチをかけ、再び7問限定の勝負。
 1回目と違い、今度は双方とも互い違いに正解し、6問終了時で関口さん11点、栗田10点と、最後の7問目を制した側が勝利となる。その7問目、栗田が解答権を得て、優勝を決めたかに見えたが誤答。関口さんにチャンスが巡ってきた。
 関口さんは今度は3問連取を選択。


3問連取

 長い勝負が予想されたが、最初の4、5問で、「トスカネリ」「3A」「ブロードウェイ」と栗田が早々に3連取し、勝利を収める。


 3たび7問限定へ移り、再び栗田リーチとする。

 最初の4問で関口さん7点、栗田3点となるが、5、6問目を栗田が取り、14対7として、7問目を取れば優勝とする。が、またもここで栗田が「エドガー・アラン・ポー」を誤答。7対7でサドンデスとなる。注目のサドンデス問題、栗田が解答権を取る。今度はテニス全仏オープン開催地とはっきりわかった状態で解答権が取れ、「ローランギャロス」を正解し、長かった決勝に終止符を打った。


 表彰式で栗田に金メダル(おもちゃではなく本物)が授与され、拍手が沸き起こる。そして副賞として、大会に深く関わった数字69にちなみ、漫画「男塾」の6巻と9巻が贈られた。準優勝の関口さんには何も用意されていなかったが、栗田が片方の漫画を渡し、決勝を闘った者同士の友情を分かち合った。この西田と大江、いや栗田と関口さんの「友情の漫画」は後世に美談として語られることだろう。

 こうしてCORNELIUS MENU04は幕を閉じた


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