2008年05月02日

(SS)ハルキョン「新たな懸案事項」

勝手に今日輝いていたハルヒのレス:

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107 SS 新たな懸案事項 1/4 sage 2008/04/30(水) 21:52:19 ID:TGTMC1+I
 高校二年生になってから早2ヶ月、桜はとっくのとうに舞い散って見ることもなくなり新入生達が徐々に新たな学校の空気に順応してきたこの頃、俺は高校に入って3度目の懸案事項を抱えていた。
 一度目は朝倉から死に招待されるという思い出したくもないサプライズイベントであり、二度目は大人の朝比奈さんから胸のほくろを証拠代わりに未来人なのですと前者とは裏腹に
 あの笑顔は何度思い出しても癒されるという心のメモリーディスクにきちんとしまってある出来事だったのだが、さてはて、今回は一体誰が俺を待っているんだ?
 俺はポケットから下駄箱に入っていたとても可愛らしいメモ紙を改めて観察した。そこにはピンク色のこれまた実に可愛らしい字で
 『放課後、体育館の裏に来てください』
 と書いてあり、裏側も一応チェックしたが名前らしきものはどこにもあらず、俺の脳内人格はまたしても会議を開き解析を始めた。
 男の可能性は無いとして、まず文面から察するに長門とハルヒはないだろう。長門の字は一応把握しているつもりで、あの機械的な精密さはこの書体に存じないし、長門はこんな率直な手は使わない。
 ハルヒの可能性など考えるだけ無駄で、あいつは用があるならこんな回りくどいことをせずに強引に手を引っ張って部室かどこかで用件を述べるだろう。
 それでは朝比奈さんかというと、正直それもどうかと思う。朝比奈さん(大)からの用件は必ずと言っていいほど封筒に入れた便箋というスタイルであり、現在俺たちと共通の時空にいる愛しい一学年上の朝比奈さんもきっとそうするだろう。
 じゃあその愛らしい先輩の同級生でいまだに何者かよく分からない鶴屋さんはと俺の脳内人格の一人が問う。ありえん。あの人は言うことがあるならそれこそ部室にいきなり来てあの大きな明るい声で言うだろう。


108 SS 新たな懸案事項 2/4 sage 2008/04/30(水) 21:53:33 ID:TGTMC1+I
 メモ紙を凝視しながら考えふけていると
 「なにそれ?」
 後ろからすごい勢いで右手が通過したかと思うと、俺が持っていたメモ紙をすばやく奪い持ち主に戻っていった。
 しまった。俺としたことが脳内会議に没頭していたせいで後ろの席で窓の外を眺めていた我が団長様のことをすっかり忘れていたぜ。なんつうこった、こいつが関わったら事の二十倍はややこしくなる。
 「ふうん」
 そういうとハルヒは顔をメモ紙から上げいつもとはちがう奇怪な笑みを見せた。
 「これって俗にいうラブレターじゃない?相手も物好きね」
 ほっとけ。俺はメモ紙を取り返そうと手を伸ばすがハルヒは持っているほうの手を遠ざかす。
 「あんた行く気なの?」
 問うハルヒの表情はなんともいえず、何故か不安そうなのは気のせいだろうか?
 「そりゃ相手に用件があるのに行かないのも失礼だろう」
 俺は手を差し伸べ紙が返されるのを待つ。安易に取り返そうとするとハルヒのことだ、永遠に取れないだろう。朝からの運動はできるだけ山登りだけにしたいんでね。
 「部活はどうすんのよ?」
 すこしぐらいの遅刻は許容範囲だろ?
 「駄目よ!あんたSOS団のことを何だと思ってるの?SOS団は不可侵な象徴たる存在よ。一部になれてるだけでも幸せと感じなきゃいけないの!」
 古泉なんてよく遅刻するじゃないか。
 「とにかく駄目よ。遅刻したら死刑だから」
 なんて無茶なことを言いやがる。まぁいつものことなんだが。そしていつも通り俺には拒否権というものがないのさ。
 団長様はいかにも不機嫌な顔をしてそっぽを向き、メモ紙を俺の顔の前に放り投げた。たくっ、そこまでいらつかなくてもいいだろ?俺は懸案事項の元をポケットにしまうとタイミング良く岡部担任が来て朝のHRが始まった。


109 SS 新たな懸案事項 3/4 sage 2008/04/30(水) 21:56:18 ID:TGTMC1+I
 俺は俺で屁理屈をいわせてもらうことにした。
 帰りのHRが終わったら即座に部室へと向かい、鞄を置くと今日もいつものように本を読んでいた長門に訳を言いそのまま体育館裏に直行することにしたのさ。
 そのときの長門はいつもより長い沈黙を保っていたが遅刻ではないことをハルヒに聞かれたら答えてくれるだろう。
 自分でも何故これほど積極的なのかはよく分からない。好奇心が普段より強いんだろう...といいたいところだが、実際のところ俺は心の奥であのメモ紙はラブレターだと思いながら自負しているのかもしれない。
 自分の事を好きになってくれる人をみすみすこっちから逃すこともないだろ?

 朝の脳内会議に出なかった女子の可能性を考えていたら体育館が見えてきた。歩きながら小さい深呼吸をするという器用なことをこなすと、俺は裏へと向かった。
 そこにいた人物にはかなりの意表をつかれた。予想外だった。いや、予想外だったが意外ではなかった。
 もちろん先ほど部室にいた長門ではなく、他のSOS団女子部員でもなく、明るく愉快な鶴屋さんでもハルヒと仲が良くなってきた阪中でも謎だらけの喜緑さんでもなかった。俺はそいつを見ていった。
 「...何かようか?このゲロハゲ野郎」
 そう、俺は最も有力な説を忘れていたのだ。やれやれ、俺も浮かれてたもんだ。
 「おいおいキョン、一体何を期待してたんだ?」
 谷口がむかつく笑みを浮かべながら今にも学校中に響きそうな笑い声を発しそうだった。それにしてもこいつ、高二にもなってこんないたずらするなんて頭がいかれてるんじゃないのか。
 俺は引き返そうとして背を向けるが一つ気になることがあり再び谷口の方向に向き、メモ紙をだした。
 「誰が書いたんだ?」
 腹を押さえ笑いをこらえてやがる。たくっ、ぶん殴ってもこいつに文句はいえねえぞ。
 谷口がいうには罰ゲームに負けた阪中に書かせ、誰宛にするかは谷口が決めたらしい。こいつは説明終わると同時に大声でおおげさに笑い出しやがった。俺は敗北感と怒りが混ざったような不可解な気持ちでそこを去った。あと10秒そこにいたら本気で乱闘スタートだ。


110 SS 新たな懸案事項 4/4 sage 2008/04/30(水) 21:57:56 ID:TGTMC1+I
 このままどこにいくかというともう部室と家以外どこもなく、部室に鞄を置いていったことを考慮するとどうしても部室に向かわなければいけなかった。
 部室につくとそこには珍しくコンピュータを触らずに椅子を窓の外側に向けちょうどドアを開けた俺から背を向けているハルヒがいた。
 しかもなにか違和感がある。ああそうか、あいつ、またあのくくっただけのポニーテールしてやがる。まぁぜんぜん似合ってるんだが。
 「で、どうだったの?」
 ハルヒはこっちを見ずに聞いた。てっきり『遅刻!』と怒鳴ってくると思ったぜ。
 「あ?ああ、そうだな、普通だった」
 「普通って何よ?」
 もっともだ。さすがに谷口に騙されたなんて教える気はさらさらないので、俺は誰もいなかったことにした。それも惨めな気もするが。
 するとハルヒはいきなり椅子から立ちあの見るほうまでもが元気になってしまうような笑顔でこっちを向いた。
 「なーーんだ!ただのいたずらじゃない。あんた馬鹿ね!」
 お前もラブレターだと確信してたじゃないか。
 「ともかく、キョン、あんたは部活を一定の時間サボったから次の不思議探索はあんたのおごり!」
 もう反論する気にもならん。俺はただショートポニーテールハルヒの元気な笑顔を見ながら自然に微笑んでいた。それにしてもなんでいきなりポニーテールにしたんだろう。


111 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/04/30(水) 21:59:59 ID:TGTMC1+I
 >>107-110
 以上です。速やかに投下できずすいませんでした。


112 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/04/30(水) 22:12:06 ID:ABnUpq0P
 >>111
 このオチは考えてなかったGJ!
 谷口たまにはオイシイ役もやらせて貰って喜んでそうだ。
 最後のポニテにしたハルヒが最大の慰めだろうな、キョンは。


113 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/04/30(水) 22:12:34 ID:NRAflIav
 >>111
 あー、なんていうか、俺の隣のハルにゃんが
 「これで終わり?ウソよ、続きがあるんでしょ!」
 と言ってはばからないんだが。


114 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/04/30(水) 22:16:20 ID:vRzmu0K/
 キョンにとって不幸な一日だな。


115 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/04/30(水) 22:21:44 ID:VwozKYK/
 >>111
 GJでした!
 それにしてもなんでいきなりポニーテールにしたんだろうって?
 こたえは~い(ry
 ただ一つ知りたい、谷口と阪中は具体的に何してたんだw

 >>114
 ハルヒのポニーテールを見れるなら安いもの

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(舟)
 最後のオチでキョン的に「プラマイゼロ! むしろプラ~ス!」な状態ですな。

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「輝いていたハルヒのレス」リスト一覧:
総合改変ガイドライン
SSSS・ハルキョンSS・長キョンSS・佐々キョン

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引用元:【涼宮ハルヒの憂鬱】涼宮ハルヒを語れ その88

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