2008年03月13日

(SS)九曜キョン「ストーカー」

勝手に今日輝いていたハルヒのレス:

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191 この名無しがすごい! sage 2008/03/09(日) 19:56:37 ID:RmxYQf+t
 ついカッとなって書いてしまったSS。今は反省している。

 「ずっと好きでした! 付き合ってください!」
 時は夕刻、いつもの帰り道、駐輪場でのことだ。それはまさに青天の霹靂というやつだった。
 いや、空はきれいな夕焼けだったのだが。
 「ミヨキチ?」
 最後に会ったのはいつだったろうか、目の前で赤面するミヨキチの容貌は年齢不相応さに磨きがかかっていた。
 「あの……やっぱり私じゃだめですか?」
 「いや、だめっていうか……」
 「じゃあいいんですか?」
 ミヨキチは顔を上げた。彼女が輝いて見えるのは夕陽のせいだけではあるまい。
 「いや……だから何というか……」
 いかん。至極断りづらいぞ。
 その時、何やら黒い影が俺達の横を通り過ぎた。俺はとっさにそれを引き止めた。
 「九曜! 待ってくれ!」
 立ち止まり、不自然なほどなめらかに振り返った九曜の腕を引き寄せ、隣に立たせた。
 「ミヨキチ、こいつは俺の彼女の九曜だ。だからお前とは付き合えない。ごめんな」
 ミヨキチは再びうつむいた。長い沈黙の後、
 「わかりました。きっぱりとあきらめます。お幸せに」
 と言って、そのまま目を合わせず振り返り、長い影をつくりながら走り去っていった。
 九曜は覗きこむように俺を見上げていた。

 「悪かったな、九曜」
 と灯りがつきはじめた街中を歩きながら九曜に言ったが、
 「――――?」
 何に対して謝られているのか、よくわからないようだった。
 当然学校帰りなのだろう、九曜はスクールバックを手からさげている。
 「――後ろ――」
 うしろ? とっさに振り返ったが何もなかった。
 「――影……電柱の――」


192 この名無しがすごい! sage 2008/03/09(日) 19:57:17 ID:RmxYQf+t
 目を凝らすと、たしかに誰かが電柱に隠れてこちらをうかがっていた。
 あれはもしかしてミヨキチか?
 九曜はこくりとうなずいた。
 あいつさっききっぱりあきらめるって……そういえば最近誰かからつけられてる気配がしてたし、無言電話もきてたんだよな……。
 やれやれ、まさか小学生からストーカーされるなんて。
 などと一人黙々とモノローグを綴っていると、手のひらにやわらかくて冷たい感触がした。
 九曜の手だった。
 「――こういう場合は、こうするのが普通――」
 じっと遠くの一点を見つめながら九曜は言った。
 ああそうだった。俺と九曜は付き合っているという設定なのだ。普通、手くらい繋ぐだろ。たぶん。
 しかし、女の子の手とはかくも繊細で、やわらかなものなのか。
 同じ手でありながら、俺のものとは明らかに違う九曜の手。少し握る力を強めてしまった。
 すると九曜は不意に立ち止まり、
 「――――こうするのが……普通……だから、やっている――」
 と再び言った。なぜか視線を合わせようとしない。
 「あ、ああ」
 よくわからん。
 再び歩き始めて、しばらくたった。
 「なあ、どこにむかってるんだ? 俺の家から遠ざかっていくんだが」
 「ついてこなくなるまで――」
 俺は横目で後ろをうかがった。
 「しかしあいつも相当しつこいぜ」
 前を見ると、Mのマークのハンバーガーショップが見えた。
 「飯を食わないか? その間にあきらめるかもしれないし」
 「――うん――」

 俺は普通のセットにしたのだが、九曜はメガ○ックとかいう馬鹿デカいハンバーガーを注文した。
 案の定、一口ではほうばることができず、口の回りにマスタードがついてしまった。
 「おい、ついてるぞ」


193 この名無しがすごい! sage 2008/03/09(日) 19:58:50 ID:RmxYQf+t
 ナプキンで拭いてやると、九曜は頬を赤らめ、
 「――もう、キョン君ったら……子供あつかいしないでよ――」
 と言って少し微笑んだ。
 俺は思わず手にしたハンバーガーを落としてしまったが、その瞬間九曜はいつもの純度100%の無表情に戻り、
 「――こうするのが普通――」
 と冷たく言い放った。
 「…………」
 釈然としない気持ちでいると、九曜の指が近付いてきて、俺の唇をなでた。
 「――キョンくんもついてるぞ♪」
 今度は即座に、
 「――こうするのが普通――」と言われた。
 「…………」
 これが……普通……なのか……?
 どうやら九曜の恋愛観は、かなりベタなものらしいな。
 さて、ミヨキチはどうしただろう。店の外を見た。
 「帰ったみたいだな」
 九曜の視線がそちらに向いた。
 「――うん」
 「じゃあ帰るか」
 「――うん……」

 外に出ると人影はまばらだった。
 なんだかんだでかなり夜も深くなっていたのだ。家に電話しとかないとな……。ポケットの携帯をさぐった、が。
 あれ?
 「携帯、どっかに落としたみたいだ」
 「――もう、キョンくんの」
 「悪いがお前の携帯かしてくれないか?」
 「――――」
 九曜は無言で携帯を渡してきた。
 「すまないな」


194 この名無しがすごい! sage 2008/03/09(日) 19:59:38 ID:RmxYQf+t
 幸いにも母さんはそんなに怒っていなかった。そういや九曜に門限はないのか?
 「――大丈夫――」
 そうか、そりゃよかった。
 「――今日は家に……誰もいない――」
 不意に九曜に腕をつかまれた。
 「――だから……泊まっていって――」
 ちょっと待て! それはまずい!
 九曜は有無を言わさずものすごい力で引っ張っていく。
 「――こうするのが……普通――」
 俺の声は九曜には聞こえていないようだった。もはや九曜の目は焦点すらあっていない。
 よせ九曜!誰か!助けてくれ!

 「やれやれ……」
 こんなに感情のこもったため息をついたのは初めてだぜ。
 九曜の家に引っ張りこまれながらも、なんとか身の清らかさを死守した俺は、
 太陽も高くのぼった時間にようやく帰路についたのである。
 「はぁ……」
 もはや何も言うまい。
 ふと俺の家の前に誰かが立っていることに気がついた。ミヨキチだった。
 「あ……おはようございます」
 ミヨキチの台詞の後には(汗)とでも付いていそうだ。
 「あの……これ、落ちてました」
 そう言って差し出してきたのは俺の携帯だった。
 「あのあと駅前で拾って、すぐ渡そうと思って追いかけたんですけど、ふたりの邪魔をしちゃ悪いかな、と思って……」
 「そうだったのか、ほんとにありがとう」
 「いいえ、彼女さんを大事にしてあげてくださいねっ」
 可憐にはにかみながらミヨキチは去っていった。
 ミヨキチはストーカーではなかった……じゃあ以前感じていた気配や無言電話は……?
 ミヨキチから渡された俺の携帯をポケットに入れた。だがそこにはすでに違う携帯が入っていた。


195 この名無しがすごい! sage 2008/03/09(日) 20:00:05 ID:RmxYQf+t
 九曜から借りた携帯を返し忘れてたんだ。
 参ったな……返しにいく時にまた九曜に襲われたらどうしよう……佐々木にでも返してもらおうかな……。
 何気なく九曜の携帯を開くと、発信履歴の画面だった。
 「これは……」
 そこには同じ番号がぎっしりと連なっていた。
 そう、それは俺の電話番号だ。
 「――ふふふ……」
 「!」
 振り返ると、電柱の陰から九曜が冷たく笑いかけていた。

 了


197 この名無しがすごい! sage 2008/03/09(日) 20:37:27 ID:fDpf0jUv
 くーちゃんに萌えた
 でもストーカー怖いよ


198 この名無しがすごい! sage 2008/03/09(日) 21:14:03 ID:5aNm/A8k
 いやいや最後のいらないだろwww

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(舟)
 他の人にストーカーされていると思わせておいて、ストーカー自身が仲良しに。なんという自作自演。

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引用元:【涼宮ハルヒの憂鬱】周防九曜――萌えスレ……4

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