2008年02月17日

(SS)ハルキョン「図書館でのひととき」

勝手に今日輝いていたハルヒのレス:

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440 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/02/15(金) 21:52:35 ID:4P6ZTry+
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  俺は涼宮ハルヒにとってどういう位置にいるのだろうか。
  初めて会ったときは会話するクラスメート、いうなれば一番近い他人だったと思う。
 文芸部室に5人が揃った時は逆らう団員その一、一番遠い仲間とでもいうのか。
 そしてハルヒを取り巻く異常な事情を知った俺はSOS団の仲間になった。だが、それはハルヒに近づいたわけではない。
 ただ見方を変えただけだ。関わると厄介なことになる、それでも知った以上は無視できない。
  結局、曖昧になっただけだった、関係も距離も気持ちも全部。

  今日は恒例の不思議探索の日。珍しいことに結構強い雨が降っている。
 他称神様の力が弱まったのか、はたまた晴れている必要がなくなったのか、朝から止まない雨だった。
 それでもなんとか午前中は外を回ったのだが、昼を摂っていたファミレスでハルヒはこう言った。
 「今日は止まないらしいから屋内を探索しましょう!」
  屋内と言っても目ぼしい建物はそうないんだがな。一体どこを探索する気なのか。
 「図書館よ。古代の魔術書とか宇宙人の自伝なんかが埋もれてるかもしれないじゃない」
 「あるわけないと思うぞ」
  長門に聞けば一発でわかるだろう。
 「ないの?有希」
  ハルヒは長門のほうを向いて尋ねる。長門は少し思案する素振りを見せた後に小さく口を開いた。
 「…わからない」
  俺は驚いた。あの長門がわからないことがあるとは、しかも図書館で。
 「なら決まりね!キョン、あんまり騒いで恥じ掻かせないでよね」
  それはない。少なくとも俺は無い。…寝首をかかれて着信でもない限りは。
 「というわけで班分けは無し」
  そう言ってハルヒは自分の飲み物を飲み干した。

  そして俺はお馴染みとなった図書館へやって来た。
 入ってみるなり学生の量に驚きつつもなんとか席を確保できた。
 「何でこんなに学生がいるのかしら?」
  時節のイベント事に聡いこいつが珍しい質問をしてきた。
 「受験だからだろ」何を今更というニュアンスで言う。「塾に行かない奴とかは家より集中できるからここに来るんだ」
 「やろうと思えばどこでも出来るわよ。根性足りてないんじゃない?」
  なに腕まくりしてるんだよ。気合を入れてやらなくても勉強してる時点で気合は足りてるから余計なお世話だ。
 「そうかしら。エールでも送った方がはかどるかもしれないわよ」
 「巨大なお世話だ」
  ただでさえペンの音が耳に届くのに大声なんか出されたら気が散ってしょうがないだろう。
 「まぁいいわ。じゃ、それぞれ本を選んで読みましょ。好きな本を読んでもいいけど、目的は魔術書よ」
  ぱっと見て魔術書とわかったら探すのに苦労はせんだろうよ。
 「だから気になった本を読み進めて確かめるのよ。魔術書の類は人を誘う魔力を発してるからそれを感じなさい」
 「なんとかレーダーとか、ほにゃららアンテナとかか?」
  俺は持ってないぞ。俺以外の4人は持ってても不思議ではないがな。
 「第六感をフルに活用するように」
  そう言ってハルヒは本を探しに行った。

  俺も適当な本を読んで時間を潰すとしますかね。そう考えて小説コーナーに足を向ける。
 そこで直立不動の長門を見つけた。
 「長門。立って読まないでそこの椅子に座って読んだらどうだ?」
  長門はチラと俺と椅子を見て移動した。
 俺は長門に聞きたい事があったが、長門が図書館に来たい気持ちがあるのは今更だと思ってやめた。
  俺は売れっ子作家の代表作を手に取って席に戻る。
 そこには微笑を浮かべながら本を読む古泉と、真剣に食い入るように読んでいる朝比奈さんがいた。
 「あなたが持っているのはミステリー小説ですね。また夏休みにあるかもしれない僕の寸劇の為ですか?」
  断じて違うぞ。三文芝居のために前準備をする奴がいるわけないだろ。
 「冗談ですよ。まぁ知識を吸収する意味でも考え方に触れる意味でも、読書は有意義です」
 「顔が近いぞ。もっと離れろ」俺は手を古泉の顔の前に突き出しながら言う。
 「すみません。あまり大きな声を出すと周りに迷惑だと思ったものですから」
  そう言って古泉は持っていた本の表紙を俺に見せる。
 「こういった本も興味深い記述がたくさんあって飽きませんよ」
 「俺は自伝には興味がないんでな」
  歴史的な人の話は授業で聞くだけで十分だ。
  そうですか、と古泉は読書に戻った。


441 SS さっきミスった。ゴメン sage 2008/02/15(金) 21:53:21 ID:4P6ZTry+
 「朝比奈さんは何を読んでるんですか?」
  俺は3冊ある内の1冊を取って表紙を見てみる。『編み物~中級編~』とあった。
 「冬までにセーターを編んでみようかと思ったんです」
  にこやかな笑顔で言う朝比奈さんは見ているだけで温まりそうだった。
 「キョン君、あとでサイズ教えてくださいね」
  まさか俺のために編んでくださるので?俺はそう思って心底驚き、舞い上がるような気持ちになった。
 「5人分の毛糸ってどのくらいなんでしょう?」
  なんと朝比奈さんは5人全員分作るつもりらしい。その心遣いだけで暖まる。
 「ハルヒに言えば団費で落とすって言うと思いますよ」
 「そうかもしれませんね」
  朝比奈さんは微笑みながら次の本を読み始めた。

  一冊読み終えると眠くなってきた。部屋なら寝そべって読んでいるからそのまま夢の中にいけるんだがここは図書館である。
 寝るにはいささか抵抗がある。そもそも寝ようものなら団長に鉄拳を食らわせられかねない。
  そう思ったところでハルヒを見てないことを思い出した。集中していて戻ってきたことに気付かなかったのかと思ったが、
 「戻ってきてませんよ」と古泉が言ったのでいやなことを想像した。
 「どこかで本棚の本を全部出したりしてないだろうな。『内側にスイッチがあるかもしれないわ!』と言って」
 「そこまで破天荒な方ではありませんよ。探しましょうか」
 「いいよ俺が行ってくる」
  読み終わった本を戻すついでにな。
 「お願いします」と言う古泉の声を背に受けて歩き出した。

  見つけた。なんともわかりにくい場所にいたもんだ。
  ハルヒが居たのは机があるスペースから一番遠い文庫本のエリアだった。しかもただ居たのではなく床に座って眠りこけてやがる。
  俺は起こしてやろうと手を伸ばした。ふと目をやるとハルヒは2人の作家が男女の視点をそれぞれ描いた話題作を手にしていた。
 「う…」
  起きたか。寝るならここじゃなくて朝比奈さんたちの机で寝ればいい。
 「スー…、スー…」
  起きたんじゃなかったのか。やれやれ、揺さぶれば起きるかね。
 「まだ…、遊び…ましょ」
  どんな夢だよ。図書館に来てるくせに外で遊んでる夢か。
 「まったくしょうがないな。明日は晴れるらしいから、思いっきり外で遊ぶとするか。だから今は夢で我慢してくれよ」
  もう少しだけならいいだろう、と俺はハルヒを寝かせておくことにした。他の人が迷惑しないように起きるまで見ていてやるとするか。

  俺がハルヒに自身のことを教えてやれる日は来るのだろうか。その時の俺達は普通では無いかもしれない。
 だけどもし伝えるときが来るのなら、俺は自分の気持ちを偽らずに伝えたいと思う。
 ・

 終わり。
 久しぶりに書いたから変な感じ。


442 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/02/15(金) 22:02:36 ID:5BPL/bry
 >>441
 GJ!イイねぇ。和やかな気分になったよ。


443 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/02/15(金) 22:51:10 ID:aFCTSKHz
 >>441
 GJ!なんていうか距離感がいいね。


444 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/02/15(金) 22:52:54 ID:UGay66lS
 >2人の作家が男女の視点をそれぞれ描いた話題作
 結構前だけど辻仁成と江國香織のやつかな?


445 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/02/15(金) 22:58:15 ID:4P6ZTry+
 >>444
 そうです。「冷静と情熱の~」
 選んだ意図はまったくありません。たまたま目に付いたからです

 なんとなく恋愛小説(だよね?)を読ませてみたかったので


446 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/02/15(金) 22:59:28 ID:oFU4Ffuk
 雑用と恋人の間


447 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/02/15(金) 23:05:36 ID:39NUUjdG
 >>441
 GJ!! なんだか暖かくて良いな。今俺の心は小春日和だよw
 今寝たらもの凄く良い夢が見れそうな気がする。
 これはもう寝るしかないな。おやすみハルキョン。

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(舟)
 ハルヒの寝言が「なんだ、やっさいもっさいか」とか「たった1億円かよ」だったらヤだなぁと。

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総合改変ガイドライン
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引用元:【涼宮ハルヒの憂鬱】涼宮ハルヒを語れ その80

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