2008年02月15日

(SS)ハルキョン「バレンタインの終わり際」

勝手に今日輝いていたハルヒのレス:

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359 ハルキョン SS バレンタインの終わり際1/2 sage 2008/02/14(木) 23:13:51 ID:CDjDnRCs
 バレンタインデーなんて製菓会社の陰謀だなんて恨み言をよく聞くがそれがきっかけとなるなら悪くはないのではないかと思う。
 だがもらえるもらえないの違いだけで男の価値が決まるなんてこともない。
 なんていう理論武装をしたところで2/14に漂う空気を意識しないわけにもいかない高校生男子の俺だった。
 下駄箱にチョコが入っているわけでもなく、机の中に入っているわけでもない。まあそりゃそうだ。
 ふと後ろの席のハルヒが気になる。
 去年は義理とはいえくれたわけでそうなると必然的に今年も……などと考えるがハルヒにそういう様子はない。
 催促するなんてのもおかしな話で俺からアクションを起こすわけにもいかないのが現状である。
 「あの……」
 振り返ると阪中が何か差し出している。
 いうまでもなくチョコだろう。
 「お世話になったお礼なのね」
 一瞬ハルヒはどんな顔をするだろうなんて意味のないことを考えたが阪中はハルヒにも同じようにチョコを渡していた。
 なるほど、純粋にお礼を兼ねた義理チョコらしい。
 「ありがと」
 ハルヒはまともに受け答えしている。今日がバレンタインだということを忘れていたわけではないようだ。

 何度かチャンスはあったが結局ハルヒは何もせず、そのまま放課後になってしまった。
 部室に入るとハルヒはまだきていないようだった。
 「あ、キョンくん」
 朝比奈さんの愛らしいボイスが俺を呼ぶ。守ってあげたいオーラが出ているなぁ。
 「あの、その……これどうぞ!」
 差し出された包みを受け取り許可をもらってから包装を解く。
 中からは心臓、いわゆるハート型のチョコが出てきた。
 「あの……もらってくれますか?」
 ここで断る奴はいない。全世界の男に代わって断言しよう。
 「ありがとうございます」
 「えへへ……」
 はにかむ朝比奈さんは例えが思いつかないほど可愛らしかった。
 でも朝比奈さん、ハート型っていうのはいろいろ本気にしてしまいそうになるので避けたほうがいいですよ。
 トントン、と肩を叩かれ振り向くと長門が間近まできていた。
 「食べて」
 ラッピングされた包み。まさかチョコか?
 「そう」
 意外と言えば意外だ。長門がチョコとは。だがまあ長門がこのイベントを楽しんでいるということならそれでいい。
 「ありがとうな、長門」
 「……どういたしまして」
 長門もまたハート型だった。朝比奈さんに教わったのだろうか。
 二人は古泉にも渡していた。考えるまでもないが俺と同じ義理チョコだろう。

 さて早速頂こうか、というところでハルヒがやってきた。
 つい隠してしまった。なんとなく罪悪感めいたものが残る。
 「みくるちゃん、有希、ちゃんとチョコ渡せた?」
 ……え?
 「はい♪」
 こくり。
 ん?長門がハルヒをじっと見ている。珍しく何か言いたそうだ。
 二人の肯定に満足そうに頷き、ハルヒは高らかに宣言した。
 「今日はこの北高で誰が一番モテるのか調査よ。さあチョコもらった数を聞き込みにいくわ!」

 モヤモヤしたものを抱えつつ終了。ちなみに結果は言わないでおこう。古泉が少なかったのは意外だったが。
 「どうもこのSOS団に所属していることが原因のようです」
 さもありなん。そりゃ変人とも思われるだろうさ。
 帰り道、結局ハルヒは俺に対して何もなかった。
 「……もう暗いから送っていこうと思うんだが、どうだ?」
 「んー、そうね。じゃあそうしてもらいましょうか。えっと、古泉くんは……」
 「俺はお前を送っていく。古泉は朝比奈さんと長門を頼む」
 ハルヒの頭に疑問符が浮かんでいたが無視。なんというか俺も往生際が悪い。
 「あ、そうだ、古泉くん、これ」
 ハルヒが古泉にチョコらしきものを渡していた。


362 ハルキョン SS バレンタインの終わり際2/2 sage 2008/02/14(木) 23:23:20 ID:CDjDnRCs
 「じゃあねー!また明日!」
 ぶんぶんと手を振りながら大声を張り上げるハルヒ。無駄に元気な奴。
 「ねえ、男子ってもらったチョコの数言いたがらないのね」
 「……そうだな」
 「……何よ急に黙っちゃって」
 関係ない。ハルヒが誰にチョコを渡そうと渡すまいと関係ない。
 ただまあ同じ団員なのに俺には渡さないというのは不公平ではあるまいか。
 「変なの。糖分が足りてないんじゃないの?ちゃんとチョコ食べた?」
 ハルヒにしては婉曲な嫌がらせだ。そういうこと言える奴じゃないとは思うが、なぜだか腹が立つ。
 「……そんなに足りないなら、明日あげるから、ちょっとだけ待ってなさいよ……」
 目を逸らし唇を尖らせてハルヒが何か言った。
 「……ちょっと待て、どういう意味だ、それ」
 「しょうがないじゃない、失敗しちゃったんだから」
 話を聞くと去年と同じように女子三人で集まりチョコを作ろうとしたらしい。だが失敗し材料の数が怪しくなってきたので朝比奈さんと長門の分だけ作らせて自分は作らなかったそうだ。
 「朝比奈さんと長門は知ってるのか?」
 「知らないと思うわ。二人の分が出来た時点で追い出したから」
 変なところで不器用な奴。
 「あたしは団長なんだからそれくらい譲るのが当たり前でしょ。別にあんたへのなんて明日でも同じだと思ったし……」
 「なんで古泉の分はあったんだ?」
 「あれはお昼に学校を抜け出したときにチョコの材料と一緒に買ってきたのよ」
 なるほど、帰ってから作るなら材料を買わないといけないもんな。……ん、とすると……。
 「俺のは手作りってことか?」
 暗いのに、ハルヒが真っ赤になったのがよくわかる。
 「な!?べ、別に深い意味はないわよ!単に自分の腕を試してみたいと思っただけで……」
 「なあハルヒ」
 「あたしはあんたに……って何?」
 「俺はお前のチョコ、今日食いたい」
 もらえるのが当然のような言い方は俺らしくない。けど、思ったままを言った。
 ハルヒは息を呑み、しばらく俺の顔を見ていたが一度深呼吸してはっきりと言った。
 「じゃあ、あたしの家に来なさい。そこで食べさせてあげるわ」

 初めて行ったハルヒの家。お父さんはまだ帰っていないようだったが、お母さんはハルヒに似て美人だった。
 「夕食前なのに」
 言葉とは裏腹に優しそうに、そして嬉しそうに微笑んでお母さんはハルヒを手伝っていた。
 お母さんと話すハルヒは新鮮で、俺はまだまだハルヒのことを知らないのだ、と思い知らされた。
 時間がかかるから夕食を食べていったら?と誘われ、自分の腹具合とハルヒの視線に負けてご馳走になった。
 一言で言えばめちゃめちゃうまかった。ハルヒはこの人譲りの腕なわけだ。
 出来るまで待ってて、とのお母さんの一言により強引にハルヒの部屋に通された。
 初めて入るハルヒの部屋は異常に気恥ずかしく感じたし、ハルヒ自身もなんだかテンパっていた。
 それでもまあハルヒは楽しそうだったし、俺も楽しかった。

 コンコン、とノックされハルヒのお母さんが顔を出した。どうやらチョコが完成したらしい。
 ハルヒに凝視されつつも右手でチョコを掴み食べる。
 「……どう?おいしい?」
 言うまでもない。だからこそ言おう。
 「うまい。今まで食べたどのチョコよりもうまいかもしれない。ありがとうな、ハルヒ」
 太陽がさらに輝く現象をなんと言えばよいのだろうか。
 ついハルヒの頭を撫でようと手を伸ばす。だが右手のチョコで汚すのはまずいと左手に代えて撫でる。
 ハルヒはそのまま左手で撫でられるままにしていた。
 猫のように目を細めるハルヒ。
 「ねえキョン、右手出して」
 なんだ?そう思っている間に指がハルヒの口内へ吸い込まれる。
 混乱し頭が真っ白になる俺を尻目にハルヒはぺろりと指を舐めとり「うん、おいしく出来た」と呟いた。

 帰り道、ハルヒに舐められた指をなんとなく見やりながら考える。
 ハルヒの家に行ったのも初めてだしハルヒの部屋に入ったのも初めてだしプライベートなハルヒと2人きりも初めてだ。
 ……ああ、そういえば聞き忘れたことがある。
 「あのチョコは本命なのか、義理なのか……」
 一晩悶々と考えたあげく、翌日の学校で直接聞いてみることにした。
 意を決して質問したのにハルヒは怒ってポカポカと叩いてきた。なんで俺が怒られなきゃいけないんだ、まったく。


363 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/02/14(木) 23:30:14 ID:adtWge4h
 あまぁああああああああああい!
 GJ!


364 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/02/14(木) 23:31:23 ID:Hfay8HbG
 もうバレンタインデーが終わると言うのに最後の最後まで甘いのが!
 GJ!!
 しかし、そこまでのことがあって、まだ本命かどうかわからんのか、キョンはw


365 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/02/14(木) 23:33:31 ID:3btG753y
 >>362
 GJ!
 キョンが羨ましいな


366 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/02/14(木) 23:36:59 ID:1SmIYS8o
 >>362
 GJだっぜ

 しかしキョン・・・フラクラもたいがいにせんと殴るぞお前w

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(舟)
 女子の部屋にまで招かれた上で、振る舞われた手作りチョコが、義理であるはずがなかろうに。

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総合改変ガイドライン
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引用元:【涼宮ハルヒの憂鬱】涼宮ハルヒを語れ その80

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