(SS)朝キョン「薬よりも効く魔法」
勝手に今日輝いていたハルヒのレス:
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958 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/02/14(木) 22:02:30 ID:AidXMVDl
流れを読まず、と言うより読む気力もないまま3レス行きます
ずっと寝てるのも疲れるんです
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薬よりも効く魔法
人間というものは、一人暮らしの老人でもない限り、病気で倒れたくらいでは早々命の危機を感じたりはしないものだ。
それは勿論看護してくれる相手が傍に居てくれるという安心感もあるだろう。心配してくれる知人のありがたみも痛感する。
だが、それでもこの距離の遠さだけは言葉にしようがない。
世間がどれだけバリアフリーだ何だと謳おうが、どう足掻いても病人と健康体は違うのだ。
そもそもバリアフリーとカテゴリを付けなければ障害者に優しい設計ではないということ自体が間違っているのだ。全ての人に優しい設計である事が大前提であり、バリアフリーと分けること自体が差別であると何故気付かないのか。
そんな事を漠然と考えている俺自身もまた、病魔に侵されて床に臥せているところである。
どうやら感染力の強い病気らしく、妹やシャミセンも俺の部屋に出入り禁止だし、見舞いに来たらしいハルヒたちも門前払い状態。母親が時折スポーツドリンクや粥やらを持ってくる程度で、部屋に物音を立てるものは時計の針の微かな音しかない。
俺自身は身を起こすどころか指一本動かす気力も失って、先程のような意味のない思考か、泥沼に沈むような眠りを貪ることしか出来ずにいた。
時間の感覚も失い、何度目かのまどろみから重いまぶたを開くと、薄闇の中誰かがジッと見ている気配を感じた。
「……うぁあ……?」
誰だ、と問おうとした声はただの呻き声と変換され、相手は小さく笑ったようだった。
「無理に喋らなくていいわよ。あなたの思考を読むから、話したいことを考えて、頭の中で語りかけるようにしてみて」
言い聞かせるように優しくささやく声は、聞き覚えのある女の声だった。
――まさか、朝倉、か? 何でここに居る。
「あら、病で床に臥せっているクラスメイトを心配して、わざわざお見舞いに来たというのにつれないのね」
――どうやって入って……いや、どうせ宇宙人的パワーで勝手に入ってきたんだろう。
朝倉は勝手に枕元のルームランプを着ける。薄い光に照らされながら、傍らに置いてあった粥の器を手に取った。
「すっかり冷めてるわね。駄目よ、食欲なくてもちゃんと食べないと、体力戻らないわよ」
手で扇ぐように空中で一撫ですると、途端に器から湯気が立ち上る。あの一瞬で温めたと言うのか。一体どんな魔法を使ったんだ。
レンゲを持って、朝倉がにこやかに微笑む。
「ほら、食べさせてあげるから」
――そうは言うがな、俺はもう指一本動かすのも億劫なんだ。
959 958 sage 2008/02/14(木) 22:03:43 ID:AidXMVDl
「そこまで衰弱して……解ったわ」
粥を一旦置いた朝倉が、脇を抱えるようにして俺の上半身を起こし、壁に寄りかからせる。
「大丈夫? 体勢辛くない?」
俺が平気だと小さく頷くと、朝倉が小さく笑って粥を構える。
レンゲに取った一口分をふーふーと息で冷ますと、「あーん」と言いながらレンゲを突き出してくる。抵抗する体力も気力もない俺は、なすがままにそれを口にした。
「熱くない?」
心配そうに尋ねて来るが、このくらいの温度が丁度いい。朝倉も思考を読んだのか、にっこり笑って次の一口を差し出してくる。
何口かそうやって味のない粥を喉に流し込むと、今度は喉が渇いてくる。仕方ないだろう、人間寝ている最中も汗や何だ水分を消耗しているんだからな。
それに気付いた朝倉も、マグカップに注いだスポーツドリンクを手の中で温めた所で停止した。
「ね、自分で飲める?」
飲める、と言いたかったが生憎と腕を動かす体力は未だ戻っていなかった。朝倉は僅かに思案すると、ホットスポーツドリンクを自分で飲んで――
そのまま唇を重ねてきた。
俺の口を割っておずおずと差し込まれた朝倉の舌を伝い、ホットスポーツドリンクが口移しに流し込まれる。細められた目が一生懸命で、俺は目を逸らせずにいた。
流れ込む液体がなくなり、自然と唇が離れる。口内に溜まった甘露を喉を鳴らして飲み干すと、止まっていた思考が動き出す。
「これなら、ちゃんと飲めるわね」
だが朝倉は、自分で自分の考えに満足するように、頷く。
あぁ、俺が勝手に意識して舞い上がっても、こいつには乳児に離乳食を噛み砕いて与える程度にしか感じてないのだろうか。その行為に看病以上に特別な意味などないのだろう。
「ん? もっと飲みたいの?」
俺の葛藤を勘違いしたのか、再び飲み物を口に含んで口移しに飲ませてくる。せめてもの主張に、唇が離れようとする一瞬、舌を絡めた。
「――ッ?」
慌てて立ち上がる朝倉が、薄闇にもハッキリと解るくらいに真っ赤になっていた。
「ちょ、ちょっといきなり何するのっ」
――そんなこと言っても、お前の感じた通りだが?
「べ、別にわたしは看病のためだし、そんなやましいこと考えてじゃ……うー」
ふくれた朝倉がそっぽを向く。
「いいわ、あなたがそういう態度ならそのまま放置して帰るから」
――ちょっと待ってくれ、せめて横に寝かし直してくれ。
「知らないわ。そのまま病気をこじらせてしまえばいいのよ」
――俺が悪かった。もうあんなことしないから。つい出来心で。
960 958 sage 2008/02/14(木) 22:04:58 ID:AidXMVDl
「……はぁ、わたしもお人好しなのかしら」
深く息を吐いて、朝倉が俺に向き直った。
「ほら、お粥食べて薬飲むところまではお世話してあげるから。早く食べなさい」
――感謝します。神様仏様朝倉様。
「それはちょっと大げさすぎると思うな……」
その後、何だかんだ文句を言いつつも、朝倉は器の粥を全て食べさせてくれた。薬を飲ませるのに白湯を飲ませる時は、先程のことを意識してしまって、流石に口移しって訳にはいかなかったが。
――しかし、何で朝倉はわざわざ見舞いに来てくれたんだ?
「あら、心配だったから、じゃ駄目なの?」
横になった俺の額に濡れたタオルを置きながら、朝倉は薄く優しく微笑む。
「まぁ、わたしたちは有機生命体の病気にはかからないから、こうして何も気にせずに接することが出来るのだし」
腹が膨れたからか、睡魔が過ぎる。あれだけ眠っていたというのに、未だ眠いというのか。
「大丈夫。寝て起きればきっと元気になってるから」
――だと良いんだがな。そろそろ眠ってるだけも疲れるからな。
「うん。また学校で会いましょう」
まぶたが下りる一瞬、朝倉は確かに微笑んでいた。
目が覚めると、身体はすっかりと調子を取り戻していた。
流石に若干体力が落ちている気もするが、病み上がりと考えればこんなものだろう。
何日も床に臥せっていたことを考えると辛い気もするが、約束したからな。通学しない訳にもいかないだろう。
先ずは礼を言わなければならないだろう。あの手厚い看病のお陰で治ったようなものだしな。
でも出来るならば、もう一度看病されたいと願うのは健全な感情だよな?
俺の唇に残っていた、薬よりもよく効く甘い魔法に感謝を。
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ノロウイルス死ぬかと思いました。マジで朝倉さん看病に来てくれませんかね
え? バレンタイン? 何ですかそれは
961 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/02/14(木) 22:11:16 ID:hfUCG6YG
ちょっと家の前の川にダイブして朝倉に看病してもらおうかな……
バレンタイン? このスレがあれば十分だろ。
>>960
GJ!
962 名無しさん@お腹いっぱい。 2008/02/14(木) 22:50:21 ID:O6PA6zC7
>>960
GJ!!
朝倉さんの顔真っ赤な表情を脳内変換しながら寝るとするかな
963 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/02/14(木) 23:49:25 ID:wQhiYfuF
>>958-960
お前のこの作品が一番のバレンタインプレゼントだよ、バカヤロウ・・・
俺たちみんなの今夜の夢に朝倉さんが来てくださいますように・・・
964 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/02/15(金) 00:33:32 ID:F1EdIi75
>>960
とてもナイスだぞぉ!
朝倉さんを召喚する為に、ちょっと風邪ひいてくる。
965 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/02/15(金) 00:37:37 ID:M/J6H9Qb
せっかく風邪をひいたのに、放置プレイされるワケですね!
966 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/02/15(金) 00:55:45 ID:G62Br4lv
GJ
ちょっと鳥インフルエンザかかってくる
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(舟)
蘇民祭でもないのに朝倉スレの住人が残らず裸で川に飛び込みそうな、風邪を誘発させる危険なSSですな。
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