2007年12月25日

(SS)朝キョン「サンタクロースになろう」

勝手に今日輝いていたハルヒのレス:

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488 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2007/12/05(水) 01:02:45 ID:G5XT+Vw8
 サンタクロースになろう

  サンタクロースをいつまで信じていたかなんてことはどうでもいい話だが、一年で最後の月に入ると、すっかり街はイルミネーションの彩るクリスマスムードに様変わりしている。
 「朝倉、お前サンタクロースの存在を信じてるか?」 
  何の変哲もない街路樹のイルミネーションを楽しそうに眺める、地球に来て三年目の宇宙人製アンドロイドの少女はこの風習をどのように捉えているのかがふと気になった訳だ。
 「サンタクロース?」
  ここで宇宙人三人娘の中から朝倉を選んだのは何てことはなく、一番まともな返答をしてくれそうってだけであり、長門に尋ねて万が一信じてた時に「……居ないの?」と真っ直ぐな目で見られたら良心が軋むし、喜緑さんに聞いたら何かと怖いのが目に見えているからな。
 「グリーンランドとかフィンランドに公認のサンタクロースが居るんでしょ?」
  まともどころの話ではなかった。朝倉があっけらかんと口にした言葉は、夢のカケラもない現実じみた返答だった。
 「あー、いや、まぁそうなんだが……」
 「ん? よい子にプレゼントを持ってきてくれるとかそういう話? 大丈夫よ。わたしも有希も江美里さんも毎年プレゼント貰えてるから」
  長門はともかくお前がよい子って――いやまて俺が悪かったからナイフは仕舞え。
 「と、言うかだ。毎年プレゼント貰ってるのか?」
 「ええ。ちゃんと睡眠中にプレゼントが置かれているの。不思議よね。普通の有機生命体の筈なのに、わたしたちの索敵センサーに引っかからないんだもの」
  多分その正体は喜緑さん辺りだと思うんだが。まぁ触れない方がいいんだろうな。
 「でもわたしたちを出し抜くなんて、流石よねサンタクロース武道協会」
 「ちょっと待て」
  何だ今の不穏当な単語は。武道って。
 「え、だってサンタクロースって引退した武道家の集まりなんでしょ?」
  どっからそういう発想が出て来たのか教えて欲しい所だ。
 「よい子にプレゼントを配り回る時に反対組織が攻めて来るから、それに対抗すべく武術を極めた集団」
 「それって、赤いサンタ服は返り血に染まってってオチか」
 「ええ。一年に一度の晴れ舞台の為に、日夜サンタクロースは己の武術を極め上げるという。一度手合わせしてみたいけれど、どうしても就寝モードに入らないと姿を現さないみたいなの」
  理由はどうであれ、サンタクロースに一目逢いたいと願う朝倉の眼は、その存在を信じている純粋な幼子のようで。
  俺は、どう遠回しにこいつの欲しい物を聞き出そうとか、当日一緒に過ごせるようどうやって都合を付けようかとか、夜こいつの部屋に忍び込む術とか、色々と難解な課題を抱える訳だ。

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 季節ネタをやるつもりはなかったが、どうしても書きたくなったので


781 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2007/12/23(日) 22:46:04 ID:qAxu4fB9
 唐突に>>488の続きらしいですよ?
 喜緑さんの方が出番多いし\(^o^)/
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 サンタクロースになろう2

  今宵は師走の23日。クリスマス前夜。イブイブってやつだ。
  街を行き交う人も自然浮き足立ち、街路樹を彩るイルミネーションやBGMもいよいよもって気分を盛り上げてくれる。
  こういう時は、家族や恋人とささやかに過ごすのが定番だが、友達連中で集まってはしゃぐのも悪くないだろう?
  まぁ、天上天下唯我独尊な団長様の一存で、俺のクリスマスのスケジュールなんて既に決まってるんだがな。
  だから、明日の予定が詰まり過ぎていて、手元にあるラッピングされた小さな箱をどうするか迷っていた、そんな日の夜だった。

  手の中で箱を転がしつつ、そろそろ寝ようかと思っていた矢先。コンコン、とドアから小さいノック音が部屋に響いた。
  はて、自慢じゃないが妹がわざわざノックして俺の部屋に入ってくるなんてことはありえない。とは言え誰が来たのか。
 「こんばんは」
  考えている間に、挨拶と共に勝手に入って来たノックの主を見て、俺は正直な話溜息しか出なかった。
 「どうやって、は聞きませんが、何の用ですか喜緑さん」
  ふわふわの髪を揺らして入って来た先輩宇宙人はいつも通りの貴婦人のような微笑で小首をかしげる。
 「クリスマスイブですね」
 「そうですね」
  正確にはイブまでまだちょっと時間ありますがね。
 「前々から思っていたのですが、幾らサンタクロースやそのお手伝いさんが複数人居ても、世界中の子供にプレゼントを一夜で配るのは不可能だと思うのです」
 「はぁ」
 「ですので、親御さんがサンタクロースの代わりに子供にプレゼントを用意しているという解釈も出来ますよね」
 「まぁ、そうですね」
  結局は言い訳なんだけどな。
 「そんな訳で、早速涼子さんと有希ちゃんにプレゼントを配りに行きましょうか」
 「どんな訳ですか」
  言っていることは理に適ってはいるんだが、その言動力は突拍子も無かった。しかし、二人のサンタクロース役はやっぱり喜緑さんだったんだな。


782 781 sage 2007/12/23(日) 22:47:16 ID:qAxu4fB9
 「そんなこと言って、ちゃんと彼女へのプレゼント用意していらっしゃるじゃないですか」
  そう言って喜緑さんが持っているのは、青いリボンのかかった小さな箱。俺の用意したプレゼント。
 「って、いつの間に!」
  取り返そうとする俺の手をひらりと避けて、プレゼントの箱を持ったまま喜緑さんは踊るような軽い足取りでドアから部屋を出て行く。俺はその後を追って部屋を飛び出して――
 「……どこだここは」
  俺の家の廊下ではない、どこかのリビングに出た。
  いや、解ってるんだ。そこが朝倉の部屋のリビングだってのは。ただ、それを理解したくないって心理は理解していただけるだろうか?
  テーブルの上にそっと箱を置いた喜緑さんは、ちょいちょいと一つのドアの前で手招きをする。
 「こちらの寝室で、涼子さんと有希ちゃんが寝てます」
 「……二人一緒にですか?」
 「その方が手間は掛かりませんから」
  そこで、ハッと何かに気付いた様子で一瞬真剣な表情になった喜緑さんが、さも深刻そうに俺の方を見た。
 「あ、もしかしますと、一人じゃないですから、寝ている間に涼子さんにちょっかい、主に性的ないたずらが出来なくて不満ですか?」
 「しません! ……しかし、何で俺が呼び出されなきゃならないんですか。寝ている隙にプレゼントを置く事くらい喜緑さんなら動作ないでしょう」
 「いえ、実はちょっと困った事になりまして」
  僅かに俯いた喜緑さんが、声を低くして呟いた。
 「サンタクロースに逢いたいと願う有希ちゃんと、捕まえたい涼子さんが結託して、年々サンタクロース捕獲トラップが強化されてしまい、仕方ないので今年はフライングで行こうかと思いまして」
  一体何をやっているんだこの宇宙人たちは。
 「それで、インターフェイスの機能を低下させる結界のようなものを寝室に張ったのですが、わたしも入れないことに気付きまして。ですので、抑制フィールドに影響を受けないただの有機生命体であるあなたに、サンタクロース役を譲ろうかと思いまして」
  それ絶対計算通りだろう、なんて突っ込みは命にかかわるから口には出さないぞ。
  まぁ、俺も折角用意したプレゼントを贈る機会が出来たと、そうポジティブに考えておけばいいのかね? そうでもしないとやってられんぞ。
 「解りましたよ。どうせ拒否権も無いでしょうからね。……しかし、喜緑さん」
 「はい?」
  無邪気に首をかしげた喜緑さんに、俺はかねてより思っていた疑問を口にする。
 「別にプレゼントをわざわざ枕元に置かないでも、それこそこうしてリビングにでも置いとけばいいのでは?」
  その瞬間、確かに喜緑さんは凍りついていた。笑顔をどっかに置き忘れたかのように、無表情のまま顔をこわばらせた喜緑さんなんて、相当レアじゃないのかね?


783 781 sage 2007/12/23(日) 22:48:30 ID:qAxu4fB9
 「……では、わたしは今日明日は外泊ということになっておりますので、そろそろ戻ります」
 「思いっ切り逃げましたね」
 「大きいのが有希ちゃん用で、小さいのが涼子さん用です。では、後はよろしくお願いしますね」
  俺の言葉を無視し、喜緑さんの用意したプレゼントらしい、大きめの袋と小さい箱をテーブルの上――俺の用意したプレゼントの隣に並べ、自身はさっさと姿を消していた。
 「って、俺はどうやって帰れというんですか……」
  慌てて来たから、携帯も何も持たず、姿もパジャマで裸足のままだ。
  もう、サンタクロース任務が終わったら勝手に自室に戻れるプログラムでも用意されている事を祈るしかないな。

  宇宙人とは言え、同い年(設定)の女子の寝室に入るという葛藤に悩まされつつも開いたドアの先、薄闇の部屋の中に置かれたダブルベッドに枕を並べて二人は眠っていた。
  必要ないのかも知れないが、まるで呼吸をしてないんじゃないかってくらいに身じろぎの一つもない。これが機能を抑制するフィールドとやらの効果かね。俺自身には何の影響もないみたいだが。
  そっとベッドに忍び寄る。長門が朝倉に寄り添うように眠っているその姿は、まるで仲の良い姉妹のようだな。どっちが姉で妹なのかはまぁ、考えないでおくが。
  とにかく、プレゼントを枕元に置こう。水色のリボンのかかっている大きい袋を長門の枕元に、濃紺のリボンがかかっている小さくて重い箱と、俺の用意したプレゼントを朝倉の枕元に――
 「……んっ」
  朝倉が小さく身じろぎをして喉を鳴らし、俺は心臓が口から飛び出るんじゃないかってくらいに動揺した。
  恐る恐る振り向く先、伏せられたまぶたがゆっくりと開いて、ぼんやりとした瞳で朝倉は俺を見た。
 「……ぁ、れ……?」
 「……よぉ」
  動揺を悟られないように冷静を装いながら、軽く手を上げて挨拶をしてみる。
 「ゅ、き……?」
  いや、それはお前の隣で熟睡してるだろう。俺を長門と見違えるとは、どれだけ寝ぼけているんだ。
 「寝れない、の……? 仕方、ないなぁ……」
  どこまでもぼんやりとしたまま、朝倉は俺の首へと手を伸ばす。って、ちょっと待て。
 「一緒に、寝て……あげるから……」
  そうぼんやりと呟いて、俺の首に腕を絡めてその胸元へと抱き寄せる。丁度、俺の顔がパジャマ越しの朝倉の胸の谷間にすっぽりと収まった。
  って、待て待て待て。一体なんだこの状況は。
 「――すぅ……」
  俺を抱きしめたまま、朝倉は眠りに落ちる。繰り返すが、てこでも動かないんじゃないかってくらいにガッチリと俺の頭をホールドしたまま。


784 781 sage 2007/12/23(日) 22:49:46 ID:qAxu4fB9
  ああああぁぁぁぁ。こら待て寝るな、手を離せ。
 「んん……」
  俺の呼吸がこそばゆいのか朝倉は僅かに身じろぎして。だが、それだけだった。
  正直、柔らかくていい匂いがして辛抱たまらんのだが。
 「おでん……おいし……?」
  一体何の夢を見ているのやら。嬉しそうな寝言に、俺は抵抗を諦めた。
  心臓の音は子守唄。穏やかな温もりに包まれて、起きた時どう言い訳をすればナイフ一刺しや半殺しくらいで済むだろうかと考えながら、俺はダブルベッドの三人目の住人になる。
  とにかく、目覚めて最初に言う言葉は決まりだろう。
 「メリークリスマス」と。

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 今日合わせにしようと頑張ったけど何故か無駄に長いよ\(^o^)/
 クリスマス? コンビニでホールケーキ安売りしてる日ですよね?


785 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2007/12/24(月) 00:00:52 ID:fcVORBlU
 GJ!
 これは良いキョンサンタw
 長門が大きい箱で、朝倉が小さい箱……
 中身気になるぜ。


786 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2007/12/24(月) 01:07:46 ID:PHr8SMAs
 投げっぱなし鬼緑さん、さすがですw
 陰毛の人といい、役どころが


787 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2007/12/24(月) 02:04:50 ID:DX3X2LOk
 GJ
 朝倉さんの箱の中身は長細い木箱に何やら鉄製の棒が入ってる訳だなw(奮発してダマスカス鋼製かも)

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(舟)
 この状態だと、朝起きた時にサンタさんのプレゼントがキョンだと思ってしまうのではないかなと。

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「輝いていたハルヒのレス」リスト一覧:
総合改変ガイドライン
SSSS・ハルキョンSS・長キョンSS・佐々キョン

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引用元:【涼宮ハルヒ】朝倉涼子さん バッファオーバー26で暴走

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