(SS)ハルキョン「ペアマフラー」
勝手に今日輝いていたハルヒのレス:
-----------------------------
925 ハルキョン SS ペアマフラー 1/2:2007/11/28(水) 00:24:38 ID:HN+xsBN0
年の暮れも差し迫り、寒さは身を切らんばかりに金切り声を上げている。
こんな日に用もないのに出歩くなんておかしな奴らだ、と中学の頃思っていた集団に今俺はいる。
名実ともに変な奴らの仲間入りをしているということだろう。
断じて望んだわけはないが巻き込まれて結果こうなってしまったのだから仕方ない。
ここまできたらハルヒが飽きるまで付き合ってやる。そう決めたのだ。
とはいえこんな寒いなかをつれまわされるなんてのは嫌なわけではあるが団長命令とあれば仕方ない。
だが今の俺には武器がある。そう朝比奈さんがくださったこのマフラーだ。
編み物のことなんてよく知らないがあの朝比奈さんのことだ、きっと手編みに違いない。
あんな美少女から手編みのマフラーをもらうなんて俺も出世したものだ。そこはハルヒに感謝してもいいかもしれん。
このマフラーがあれば俺は冬を乗り越えられそうだ。
「あ、あの、喜んでもらるのは嬉しいですけどそこまで手間もかかっていないですしそんなに…」
いえいえ朝比奈さん。あなた自身は気づいていないかもしれませんが俺にとっては宝ですよ。
「デレデレするな、バカキョン!」
「なんで朝比奈さんにお礼を言ってるだけで文句を言われなきゃいけないんだ」
「必要以上にデレデレしてるからでしょ」
俺と朝比奈さんのことなのにどうしてこいつがちゃちゃ入れてくるんだ。
「あ、あのケンカはやめましょう?」
当の朝比奈さんが迷惑してる。仕方ない、ここは俺が折れるべきか、と思ったが朝比奈さんが何か思いついたようだ。
「そうだ!涼宮さんちょっといいですか?」
朝比奈さんがなにやら鞄から取り出しハルヒの首に巻く…ってあれは。
「マフラー?」
「はい。キョンくんにあげたから涼宮さんにもって」
「…ねえみくるちゃん。これ、キョンと同じ柄なんだけど…」
そう、たった今ハルヒの首に巻かれたマフラーは今俺がつけているものと色も模様もまったく一緒のものだった。
「おそろいです♪」
やたら楽しそうな朝比奈さん。なにがそんなにおかしいんですか。
「まるで恋人のようですね」
にこやかな古泉。なぜか怒らないハルヒのせいで俺もなんとなく怒りにくい。
せめてハルヒと同じ班にはなりたくない。どんな目で見られるかわかったもんじゃないからな。
「提案なのですが」
「却下だ」
「せめて話だけでもさせてください。今お二方はまさにカップルです。その間に我々が紛れ込むのはあまりに無粋だと思います。
ですから今日の班分けは」
「ダメだ」
「ええ~、わたしもそのほうがいいと思いますよ?」
その上目遣いはやめてください。レッドカードものです。
「まあまあ、ではここで多数決をとりましょう。民主的でいいと思います。では僕の案に賛成する方は」
手を上げる古泉と朝比奈さん。
「では反対の方」
手を上げる俺。よくわかっていない様子で手を上げない長門。
「で、なんでお前は反対しないんだ」
なぜかハルヒも手を上げなかった。
「では賛成2反対1棄権2ということで僕の案が可決されました。それではさっそく出発しましょう」
「異議あり!5分の2が棄権なら有効性は疑問視される」
「却下です。団長の意思を尊重すべきです。それでは」
「おいちょっと!」
行ってしまった。
「…ハルヒ、なんで文句言わなかったんだ」
「やったことないことは一度くらいやってみようって思っただけよ」
「じゃあ賛成すればよかったじゃないか」
「あんたと一緒に行きたいみたいで嫌だったのよ」
はいはいそうですか。どうなっても知らないぞ。
926 ハルキョン SS ペアマフラー 2/2:2007/11/28(水) 00:26:04 ID:HN+xsBN0
こころなしか周りの視線が痛い。
それはそうだろう、ペアでマフラー巻いてる奴なんて俺だって痛い目で見るだろうしな。
ハルヒはといえば「ねえキョン、こっちこっち!」などと楽しそうにはしゃいでいる。
それに「わかったわかった」と付き合う俺は客観的に見て恋人のように見えているのではないか。
もともと人の目なんか気にしないハルヒはかまわないだろうが俺は違う。
まあ確かにハルヒは連れて歩いたら人に自慢できそうな容姿をしている。
だがそれでは納得できない。なんとなく。
「ハルヒ、今日は早めに終わりにしないか」
「なんでよ、せっかくみくるちゃんがこんなに暖かいマフラー作ってくれたのに」
「それはそうだが…」
ハルヒにしては全うな意見だった。
「うだうだ言ってないで次行くわよ」
手を掴むハルヒ。
「おい、そんなことしたら余計に…」
常のごとく俺の意見など聞かずに歩き出すハルヒ。
こうして今日も連れ回されるのだった。
しかし今日はいつもの2倍くらい疲れた。
自意識過剰なんだろうがどうにも人の目が気になって仕方なかった。
「お前が羨ましいよ」
「なにが?」
「なんというか、度胸とか」
本当は『その厚顔無恥さだ』と思ったがさすがに言わないでおいた。
「あんたが小心すぎるのよ」
「あんな目でジロジロ見られて平気なほうがどうかしてるんだよ」
「…あたしは平気よ」
俺の言う『あんな目』の意味をわかっているのか、いないのか。
「俺は慣れないな」
「慣れればいいでしょ、これから」
気づくとはハルヒは俺を見ずに話していた。
まさかとは思うが照れているのだろうか、あのハルヒが。
「照れてるわけないでしょ。バカじゃないの」
「じゃあこっち見て話せ」
ハルヒはしばらく固まったあと「帰る」といきなり歩き出した。
やたらと早足だったので走って追いかける。
「こら待て」
「うっさい。こっち来るな」
やれやれこう急に機嫌が悪くなるから困るな。
「そういうわけにもいかないだろ。いきなりお前がいなくなったらみんな心配する」
「ほっといてよ」
「仕方ないだろ」
溜息を一つつく。なんで俺がこんな目に。
「ペアのマフラーなんだ。一緒にいないとおかしいだろ」
朝比奈さん謹製で、古泉が余計なこと言いやがったマフラーだ。無碍にするわけにはいかない。
ピタリと止まるハルヒ。さてなんて言われる事やら。
「じゃあさっさと来なさい」
こっちを見ないままずいっと手を差し出すハルヒ。手をとれってことか?
…まあしょうがないか、揃いのマフラーなんかしてるんだ。いまさら手を繋いだくらいどうってことはない。
つないだ手は少し冷たい。
女性は冷え性だなんだと聞いたことがある。
ハルヒもその例に漏れないのかもしれない。
だったらまあ少しくらいは問題ないだろう。
手を強めに握る。
ハルヒは少し驚いたようだが、そのまま手をつないでいた。
ハルヒにいろいろな面で劣っている俺だが体温くらいは分けてやれるらしい。
日はもう随分早い。長い影が仲良く手を繋いでいた。
一本のマフラーを共有するように。
927 名無しさん@自治スレでローカルルール変更議論中:2007/11/28(水) 00:37:50 ID:uCs3wqNz
>>926
GJ!ニヤニヤがw
928 名無しさん@自治スレでローカルルール変更議論中:2007/11/28(水) 00:42:48 ID:Oabyjzzv
>>926
これはやばいwwwGJ!!
ハルキョン以外のメンバーもいい味だしててよかったぜ!!
929 名無しさん@自治スレでローカルルール変更議論中:2007/11/28(水) 01:05:52 ID:hT8JjhwF
>>926
GJ
見事デレエンドwwww
937 名無しさん@自治スレでローカルルール変更議論中:2007/11/28(水) 01:35:57 ID:+mJ9CInt
>>926
うまいなぁGJ!みくるナイスアシスト!
-----------------------------
(舟)
ペアマフラーに対する、ハルヒとキョンの意識の違いが良いですな。
-----------------------------
「輝いていたハルヒのレス」リスト一覧:
総合/歌/改変/ガイドライン
SS/SS・ハルキョン/SS・長キョン/SS・佐々キョン
-----------------------------



















![Megami MAGAZINE (メガミマガジン) 2008年 12月号 [雑誌]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/61wzhTSspwL._SL160_.jpg)















