(SS)ハルユキ「たまにはこんな相合傘」
勝手に今日輝いていたハルヒのレス:
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487 :SS たまにはこんな相合傘:2007/11/18(日) 03:58:53 ID:eGtQtDlp
冬至の近付く十一月の暮れ。下校時刻をとうに過ぎた文芸部室の窓の外は、先程まではまだ地平近くに赤い光を残していたが、今ではそれも消え、漆黒の窓には部室内の風景が反射している。
こんな時刻まで帰らずに残っているのは、さりとて大した理由でもないが、ひとえに、長机を挟んで対面に座している存在のせいである。
こちらからは、黄色いカチューシャを付けた頭頂部しか見えない。セーラー服にカーディガンを着た肩が、ゆっくりと、しかし大きく上下に動く。
SOS団団長、涼宮ハルヒが部室内でこのような姿を晒すのは、なかなかに希少と言えた。
それだけに、団員の誰もが率先して起こすことをせず放置を決め込んでいたのだが、流石に一人残して帰ることもはばかられたし、かと言ってこのままではいつ起きるか知れない。
読んでいた本を机の上に置いて立ち上がり、涼宮ハルヒの元に歩み寄って声を掛けた。
「ハルヒ」
返答が無かったので、肩を掴んで揺さぶってみることにした。
「ハルヒ」
「……ん、キョン?」涼宮ハルヒは、いかにも気怠そうに上体を起こした。
「起きた?」
「あれ……有希? キョンは?」
「彼は居ない。今日は風邪で欠席していると、あなたが言った」
「あ、そうだったっけ……」
「なぜ?」
「え?」
「なぜ、彼がここに居ると思った?」
「だって、その……名前で呼ばれたから。ハルヒって。そう呼ぶの、あいつだけだし」
「だめ?」
「いや、だめってわけじゃ……今まで有希に名前で呼ばれたこと、無かったから」
「あなたはわたしを有希と呼ぶ。だから、わたしはあなたをハルヒと呼ぶのが適切だと思った」
「あ……そっか。そうだよね。あたしは有希のこと、有希って呼ぶもんね」
「不服ならば変える。別の呼び名を提示して欲しい」
「ううん、ハルヒでいいよ。ハルヒって呼んで」
「そう」
そこで涼宮ハルヒは、初めて気付いたように窓の外を見て言った。「うわ、真っ暗。ひょっとして有希、あたしを待っててくれたの?」
わたしは肯定の意を込めて頷いた。
「ごめんね有希。あれ、外、雨降ってる?」
「先程までは降っていなかった。降り始めたのは五分ほど前」
「困ったわね、傘持ってきてないわ。また職員用のやつ借りればいいかしら」
「わたしは持ってる」
「え?」
「一本あれば、じゅうぶん」
わたしと涼宮ハルヒは、一本の傘を共有して下校した。
「なんていうか今日は驚いたわ。有希があたしをハルヒって呼ぶなんてね」
彼女は個人的な感想を述べていると思われる。なので返答はしない。
「でも、なんだか有希との距離がグッと縮まった感じがするわ」
現在彼女とわたしの間の距離は最短で五センチメートル未満。かなり近接している。
しばらくの沈黙の後、彼女は改まった口調で切り出した。
「ねえ、有希ってさ、キョンのこと好きなの?」
これはわたしに対する質問と判断する。
「わりと」
「何よ、わりとって。そんな曖昧三センチな答え許さないわ。有希はキョンのことどう思ってるの?」
わたしは考えた。彼は涼宮ハルヒにとっての鍵であり、観察対象であると同時に保護対象でもある。しかし、このことは涼宮ハルヒに話すことは出来ない。
「彼は、わたしにとってとても大切な人」
そうわたしが答えたきり、彼女は黙ってしまい、そのうち、わたしと彼女が別れる地点に到達した。
「わたしの家はすぐそこ。あなたのほうが遠い。この傘はあなたにとって必要」
「いいわよそんなの。途中にコンビニあるし買うわ」
「そう」
「今日はありがとうね、有希。待ってて貰っちゃったし」
「いい」
「じゃあ、また明日」彼女は家の方に向かって歩きだそうとしたが、すぐに振り返ってこう言った。
「有希、あたし負けないから!」
そして彼女は走り去った。わたしは今、特に彼女と何かを競っている事項は無い。彼女の発言はとても不可解。そのままわたしも帰路についた。
翌日の放課後、わたしが部室で本を読んでいると、涼宮ハルヒがやってきた。――隣りに、彼を伴って。
その時、彼女はわたしを見て、不敵に笑ったように見えた。それを見て、わたしはなぜだかこう言いたくなった。彼女がわたしの前を通り過ぎる刹那。
「わたしも負けない、ハルヒ」
その時のわたしの表情は、挑発的だったと思う。
488 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/18(日) 05:06:10 ID:rvyiY4+m
>>487
おぉ、なんか新鮮な雰囲気だな。ユニークだったぜ!!
489 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/18(日) 05:59:54 ID:A5OH0f+j
>>487
(実は長門も好きな俺からしたらGJ!もいいとこなのは秘密だ)
492 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/18(日) 07:55:27 ID:eWvM5zS8
>>487
うぬぬぬ…長門がハルヒと呼ぶのか…それにハルヒと争うみたいな構図も如何なものか…
だがこの何とも言えぬ萌え萌えは否めない…よって私は貴公にGJを捧げる…
493 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/18(日) 08:38:37 ID:GO8JrcZ2
女の子同士の相合い傘っていうのもいいなぁ…
494 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/18(日) 08:41:37 ID:8v4ORDQ0
>>487
GJ!
そしておはようハルヒ
495 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/18(日) 09:02:31 ID:CDetE1sB
>>487
それにしてもハルヒ、らきすた知ってるのか
そのうち、SOS団で聖地巡礼とか?
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(舟)
相合い傘で、良きライバルとして認識が深まったようですな。
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コメント
DVD最終巻ジャケのハルユキに流れる微妙な空気を思い出しましたよ。
>曖昧3cm
コンプティーク学校に持ち込むくらいだから普通に知ってるのではとw
Posted by: unos | 2007年11月18日 21:07