(SS)長キョン「長門有希の福音」
勝手に今日輝いていたハルヒのレス:
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98 :SS「長門有希の福音」3-1:2007/09/29(土) 07:44:30 ID:ibRgrfVh
この世界が分裂したり何かが驚愕したりした佐々木団とのあの一件から数ヶ月。
これは、俺たちSOS団がフリーマーケットに出店したある初夏の日の、とある出会いの物語だ。
「ちょっとキョン。これも持って」
フリマに初めて出店した日の午後。
参加したはいいが午前中は全く商売が成立せず(ガラクタにあんな値札を貼れば当たり前だ)、
飽きたハルヒは谷口と国木田を呼び出して店番を押し付け、団員一同でフリマ会場の巡回を始めた。女ってやつはやっぱり、「買い物」のほうが好きなのかね。
「あの、あのあの、長門さんが…」
俺が団長殿に荷物を押し付けられていると、朝比奈さんが控えめに視線を後方に送っていた。
振り返ると、長門がとある出店の前にしゃがみ込んで何やらやっているようである。
「ほう」
そういや、前回の下見のときもシャーマンチックな仮面に興味を持ってたな。
長門もたまには本以外の物に興味をもっていそうなことは感じていたが、いい兆候だぞ。
「……(オソルオソル)」
「どうだ長門。なにか欲しいものでも見つかった… ああ、そいつは、」
こっちを見上げた長門が指先でつんつんしていた先、そこでは「仔ライオン」がじゃれていた。
動いているのでぬいぐるみではないが本物なんてこともあるはずもなく、メタリックな体が鈍く光っている。
「ソニーのアイボ<AIBO>ですか。第2世代の、ERS-210シルバーのようですね」
「こんなところで珍しいな。従姉妹の姉ちゃんちにあったのと同じタイプだ。それ」
「うわぁ。この子もプリミティブでとってもかわいらしい<禁則事項>ですね」
「あたしも持ってたわよ。クマちゃんのやつ。
いろいろあって遊ばなくなったから、勉強見てあげてる近所の男の子にあげちゃったけど」
さすがはハルヒさん。1体20万円くらいはしたんじゃありませんでしたっけ?
「お金の問題じゃないわよ。うちにはぬいぐるみのみんなもたくさんいるけど、
部屋で置物にされるよりクマちゃんもその方が喜ぶに決まってるじゃないの」
なにげに自らの可愛らしい個人情報を漏洩したことに気づいていないハルヒである。
しかしそのクマちゃん、解剖されてなけりゃいいんだがな。
99 :SS「長門有希の福音」3-2:2007/09/29(土) 07:48:36 ID:ibRgrfVh
とここで、40代半ばのマイホームパパと思しき出品者のご登場だ。
「別にどこも壊れてないから安心していいよ。
最初は娘も可愛がってたんだけど、本物の犬を飼うようになってね」
「……(ナゼコンナニキニナルノ)」
「ちょっと拝見。これは…我々一般高校生が手を出すにはかなりの決断が必要な金額ですね」
古泉よ、SOS団のどの角度からMRI撮影したら「一般」なんて2文字がでてくるんだ?
「有希、このこ気に入ったの?」
「…コクリ(コレマデニナイカンジョウ)」
長門にしては珍しくはっきりとした意思表示だ。ここはなんとかしたいとこなんだが、金がなぁ。
今日は結構買い込んだし、オレこの金額の十分の一も残ってないぞ。
「だからあんたはバカキョンなのよ。部費があるでしょ、部・費・が」
「部費だと?お前まさか、今度こそ文芸部の部費に手をつけるんじゃないだろうな」
「そんなことしないわよ!
ふふーん、これなーんだ」
ハルヒが高々と上げたその手には、なんと!かの諭吉先生がひーふーみー、4名様もいらっしゃる!
どうしたんだその金!?
「バレンタインのくじ引き大会で集めた参加料ですね。朝比奈さんのおかげで大盛況でした」
「そういうこと。このお金で買うわよ!そのアイボ!! おっちゃん、4万円しか出せないから」
「……(ツレテカエッテイイノネ)」
その後、片付けをして会場を後にした俺たちは(※結局出品したものはほとんど売れ残った)、
ハルヒの許しを得て解散とあいなった。ていうかなぜ荷物を俺の家へと運び込んでいる?
そして別れ際だ。ハルヒからSOS団人事についてのある発表がなされた。
100 :SS「長門有希の福音」3-3:2007/09/29(土) 07:51:19 ID:ibRgrfVh
「有希。それとキョン!
あんたたち2人を今日からそのアイボの乳母(うば)とお守り役(おもりやく)に任ずるわ。
SOS団の一員として恥ずかしくないようにしっかりと教育しなさい!」
「…了解した」
「おいおい。あんまり本気にするなよ」
なお「ご養育」の場所は、団長の判断により乳母長門のマンションとすることが決定された。
ハルヒいわく『あんたの家にはシャミセンがいるでしょ』なんだと。
こりゃ、しばらくは長門のマンションに通うことになりそうだな。
そして、皆それぞれの家路につき夕闇の中にたたずむ俺と長門。
遠くのほうでは、気の早いやつだ、セミが一匹もう鳴いている。
「まったく、ハルヒの思いつきには毎度毎度苦労させられるな」
「わたしはかまわない。重要な任務」
「お前がそういうなら何も言わんが… ま、今後ともよろしく頼むぜ、『有希おかあさん』」
「…! わたしが… おかあさん?…」
想定外の言葉を聞いたからか、長門は自分が抱いているアイボに視線を移す。
たっぷり十数秒固まった後、目を細めたように見えたのは決して俺の気のせいではないはずだ。
その長門の表情に俺ははっとした。そうだったのか。
長門がアイボに興味を持った理由、それが今、ようやく分かった気がする。
長門よ。今のその気持ちを忘れないでいてくれ。
少しずつでもその変化を続けていけば、お前はきっと幸せになれる。
『何当たり前のこと言ってるのキョン!
有希が幸せになるっていうのはね、SOS団結成のときからもう決まってるの。
不幸せにするような奴がいたらこのあたしが許さないわ!そのときはあんたも手伝いなさい!』
「…そうだな。お前の言うとおりだ」
どこからか、ハルヒの声が聞こえたように思えた。
一応終わり。
長門成分薄味かな。
106 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 11:32:20 ID:wDLX0E//
おはよう長門。今日は一段と可愛いよ。
>>98-100
素晴らしくGJ
ロボットじゃなくてハムスターあたりの動物でもよかったかな。
109 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 11:48:43 ID:GtlBkzaM
>>98-100
あだ名がアイボな俺は長門が親かwww
111 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 12:03:09 ID:KGkC7yev
そういえばAIBOって何か学習するんだっけ?
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(舟)
人型端末が動物型端末に引かれるってのも、興味深い繋がり方ですな。
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引用元:長門有希に萌えるスレ 106冊目
















コメント
これを長キョンに分類するのは妙な気が…
と言っても、他にいい分類先はありませんが。
Posted by: 通りすがり | 2007年10月04日 23:37