(SS)長キョン「おしゃれ泥棒」
勝手に今日輝いていたハルヒのレス:
-----------------------------
907 :SS 1/3:2007/09/27(木) 21:14:07 ID:nz71S8hf
長キョンSS おしゃれ泥棒
「わぁ…お洋服がいっぱい」
幸運にも森の中でお菓子の家を発見した子供のような感慨を漏らす朝比奈さんである。
…はて、私服のときは毎回違う服を着てくるように感じられるのですが、
あなたはいったいどこで服を調達しているのでしょうか?
「…うふ、禁則事項です」
本日土曜日、我らSOS団一行は女性向ブランド店舗が
松花堂弁当のごとく詰め込まれたファッションデパートに来ている。
もちろんハルヒの発案なのは言うまでもないよな。
まだまだ残暑が厳しい初秋の日なのだが、
どのお店も地球の地軸が狂ったかのように既に秋冬物一色であり、
俺たちの服装とのギャップが著しい。
ハルヒに至ってはノースリーブなのにコートの試着などしている。暑苦しい。
「そうだ!有希、ちょっといらっしゃい!」
ハルヒは朝比奈さんと手をつないで、
花畑を漂うチョウチョのようにキャッキャウフフと飛んだり跳ねたりしていたが、
いきなり長門を呼びつけた。
「あたしが有希に似合う服をコーディネートしてあげるわ!
キョンと古泉君はあっち向いてなさい!」
「…」
他人事のようにコクリとうなずく小柄なセーラー服。
そう、今日も今日とて長門は制服なのだ。
ハルヒが違う服を着せたくなるのも頷ける。
ハルヒのことだ、きっと長門にぴったりの服を選んで
俺たちを唸らせてくれるのだろう。
俺と古泉は素直に反対を向いて待つことにした。
「っじゃーん!どうっ!?」
男二人で女性もののフロアに突っ立っている俺たちに対する
店員や他の客の好奇の視線に心の中で言い訳をするのにも飽き、
ポニーテールの視覚的優位性について緒言をまとめようとしたころ、
ようやく船首回頭を許された。
振り返った俺は言葉を失った。何を見たか?
まあ衣装チェンジした長門なのだが。
いつもと違う雰囲気に、俺は完全に目を奪われてしまったのさ。
身を包むのはアイスグレーのタータンチェックのワンピース。
首はカシミヤの白いストールで守られ、
ノースリーブの袖からはストールよりも
さらに美白な腕が惜しげもなくさらされている。
上半身は体のラインに沿ったシルエットで、
長門の細い体をより繊細に見せている。
腰から下はボックスプリーツで、スカート丈は短い。
ヒールのついた膝上までの編み上げブーツと
スカートの間から覗くほんのり上気した太ももが妖しいまでになまめかしい。
清楚と妖しさが同居した見事なスタイリングだ。
一言で言うと美しい。
高校1年の夏に行った孤島では、長門はカジュアルな服ばかりだったから、
今回のお嬢様っぽい格好には意表を突かれた。
908 :SS 2/3:2007/09/27(木) 21:15:16 ID:nz71S8hf
「…」
長門がまっすぐ俺を見ている。
俺がジェントルマンだったらすぐさまエスコートしていたかも知れないが、
あいにく俺にはそんな素養はなく、
SOS団唯一のジェントルマンである古泉は
「とてもお似合いですよ」なんて余裕しゃくしゃくに抜かしやがったが、
俺は口を開けて見惚れるしかなかった。
似合ってるとか何とか言ってやりたいのに、咄嗟に言葉が出てこない。
相変わらずハルヒの見立てはすばらしいということだけはわかった。
「間抜け面っ!」
俺はただ見てるだけだってのに、ハルヒが噛み付いてきた。
人を指差しちゃダメって小学校で習わなかったか。
「有希、エロキョンが舐めるようにヤ~ラシイ目で見てるから早く着替えるわよ!」
ハルヒに言われるまでもなく間抜け面だろうという自覚はあったが、
そんなに早く引っ込めなくてもいいだろうに。
ほら、ハルヒに引っ張られていく長門だってちょっと残念そうじゃないか。
長門をデフォルト状態に戻したハルヒはSOS団を率いて別の店舗に入り、
そこでまたも長門を着せ替え人形にした。
「これはどう?」
ハルヒにつれられて試着室から現れた長門は、今度はジーンズだ。
トップはラインストーンできらきらするタイトな長袖Tシャツ、
ボトムはぴっちりとしたローライズのジーンズで、
ミリタリーぽいロングブーツに入れている。
腰に巻いたごついベルトが全体のバランスを整えている。
「…」
所在無さげに佇む長門がいじらしい。
しかし、なんだ。悪くはないのだが…はっきり言って、似合わない。
キャラが違いすぎる。
「こういう元気よさそうなのはハルヒのほうが似合うんじゃないか?」
「そ、そう?それじゃ仕方ないわね、あたしが着てあげるわ!」
「いや、別に…」
着なくていいと言おうとしたがハルヒは長門を引っ張ってすぐさま試着室に消えた。
口には出せないが朝比奈さん(大)に着てほしい服だったな。
「なんですかぁ?」
いえいえ、禁則事項ですよ、朝比奈さん。
程なく試着室から得意満面で現れたハルヒは、
タイトなTシャツとぴっちりジーンズがまあそれなりに似合っていた。
長門はなぜか不機嫌なオーラを出していて、
怯えた朝比奈さんが冬場のウサギのようにふるふると震えていた。
その後はテンションをあげたハルヒにつれられて、
みんなでお茶を選んだり、ゲーセンで太鼓をたたいたり、
益体もないことをして過ごした。
ちなみに、長門はいつの間にやらあの似合っていたワンピを購入していた。
本人も気に入っていたのかもしれないな。
909 :SS 3/3:2007/09/27(木) 21:16:26 ID:nz71S8hf
明けて月曜日、放課後。
ハルヒはなんだか用事があるとかで遅れ、
朝比奈さんと古泉も来ていなかった。
SOS団のアジトには俺と長門だけ。
なんにもすることがないので、ぼけーっと文芸部員を眺めていると、
うん?何か違和感がある。いつもの長門じゃない。
…なんか、唇が光ってる。
「グロスをつけた」
唇に色はつかないが、つやつやと輝くタイプだそうだ。
ハルヒあたりの入れ知恵かと尋ねると、首を横に振った。
なんとまあ、いったいどういう心境の変化だろう。
長門が自らお化粧をしてくるとは。
こないだの着せ替え人形でおしゃれに目覚めたのだろうか。
確かに似合ってはいる。
控えめな文学少女の密かな背伸びって感じで、正直ドキッとした。
しかし俺の胸には、中学時代のクラスメートに
長門を紹介してくれと言われたときのような、
自分勝手な焦燥感も同時に沸いていた。
―――長門はそんなお化粧をして、誰に見せるつもりだったのだろう。
クラスに気になる男子でもいるのだろうか。どこのどいつだ。
俺の中ではつまらん嫉妬が行き場をなくし、
口から出たのも全くつまらない台詞だった。
「学校でそんなもんつけてると怒られるぞ」
あー、俺すごく格好悪い。大切な仲間に対してこんなことしか言えないとは。
長門は肩を2ミリ落として、
「…なぜ」
なぜって、そりゃあ…
…そう、男はアホだから、見惚れちまって勉強に身が入らなくなるからさ。
「それなら…」
長門は立ち上がって、俺に正対した。
小首を傾げて、くそう、上目遣いは反則だぞ。
「あなたも見惚れた?」
以上。
なんかハルヒがヤな子になってしまった感がありますが、
気を悪くしたらゴメンね。
910 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 21:33:30 ID:kcSdaUZf
GJ!俺的にけっこうすきな感じの話だった。本当に本物のほうに収録されてても
おどろかないくらいリアルだった
911 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 21:41:16 ID:WhJax2sh
GJだが>>910はないわ
912 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 21:52:15 ID:8eegp+at
超GJ!ながるんみたいだ。
キョンは鈍田鈍男に改名した方がよろしいww
917 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 22:17:35 ID:VgKFxbxf
>>907-909
服の種類よく知ってるなあ。
正直…見惚れました。GJ
921 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 23:09:04 ID:3JDI6H1n
>>907-909
GJ!すっごくリアルだ!
たしかコミック版ハルヒだと、長門が服屋の店員になされるがままに
ロリータファッション着てたよな。
-----------------------------
(舟)
お嬢様ファッションに身を包んだ長門というのも、一度見てみたいものですな。
-----------------------------
「輝いていたハルヒのレス」リスト一覧:総合/SS/SS・長キョン/歌/改変/ガイドライン
-----------------------------
引用元:長門有希に萌えるスレ 105冊目






















