(SS)長キョン「傘がない」
勝手に今日輝いていたハルヒのレス:
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833 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/13(木) 18:29:37 ID:V2DKNW1V
SSでも書こうと思ったが、とっかかりに何かお題が欲しいな。
誰か電波を飛ばしてくれんものか。
836 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/13(木) 18:34:16 ID:2Op4ZuN3
>>833
雨の中の下校
856 :傘がない 1/3:2007/09/13(木) 20:05:12 ID:V2DKNW1V
それは、寒くはないが、断続的に雨の降り続く嫌な天気の日のことだ。俺はもうすっか
り日も落ちている時間だというのに、学校の玄関先で立ち往生していた。
用事があるとかで、先に帰っちまったハルヒのことを思えば、律儀にSOS団室で団活
に勤しむ必要など無いわけだが、なにせこの天気だ。アンニュイな気分を紛らわせるのに、
朝比奈さんの愛らしいお姿を目に納めて、怠惰な時間を過ごすのも悪くは無いさ、なぁん
て思っちまったのが運の尽きだったのかもな。
雨は朝から降っていた。つまり登校時は、俺は傘を差していたわけだ。しかしながら、
今現在の傘立てには、あるはずの俺の傘がない。俺がSOS団室で時間を浪費している間
に、誰かが持っていっちまったらしい。間違えたのか、故意にかは知らないがな。
さて、どうしたものかね。さすがにあの坂道を、この雨の中傘を持たずに突っ走るのは
躊躇われるぜ。かと言って、このまま雲の厚い空を睨み付けていたところで、雨が止む気
配はシャミセンの髭の先程にも感じられないしな。
まあ、濡れる覚悟を決めて、早めに帰っておくのがベターな判断なんだろうな。教師達
に怒られるギリギリまで待ち続けて、結局止まなかったら踏んだり蹴ったりだ。
「よし」
と、口に出して気合をいれ、いざ降りしきる雨の中踏み出さん、というところに、ふわ
り、と俺の袖を微かに引く感触を感じた。それは、遠くないかつてにも感じた事のある感
触だった。
「長門」
振り向けば、そこには長門有希が立っていた。予想はできた、今とは違うはずの、あの
時の長門も、こんな風に俺の袖を掴んでいたからな。
「まだ残っていたのか」
尋ねるが、長門は答えず、俺にほんの少しだけ咎める様な目を向けた。
「外は雨が降っている。傘を差さずに帰宅し、雨に濡れれば、あなたの健康を害する可能
性がある」
分かっちゃいるがな、何処かの誰かに俺の傘を持っていかれちまったんだ。というか、
なんだ。小言を言う母親みたいだぞ、お前。
「私の傘がある」
ずい、と地味なモスグリーンの傘を突きつける長門。言うまでもなく、これに二人で入
って帰ろう、という意思表示だよな、俺の自意識過剰でなければ。
858 :傘がない 2/3:2007/09/13(木) 20:06:18 ID:V2DKNW1V
歩き出してみて気づいたが、雨脚は思ったよりも強いようだった。これに手ぶらで挑む
のは、少々無謀だったろうな、今だから思えることだけどさ。
長門の傘は、長門の体格を考えると大きめのものだったが、それでもやはり、人が二人
入るようには作られていないな。当然だが、傘は背の高い俺が持っている。そしてやはり
当然だが、やや長門よりに傾けているので、右半身が所々濡れてしまっているが、頭や胴
体部を守れれば御の字だね。
が、長門はその俺の謙虚さがお気に召さなかったらしく、
「もっと寄って。濡れるから」
と、体を押し付けきた。
長門さん、俺は自分を戒めるためにですね、あえて少し身を離し、半身を濡らしていた
のですよ。それを、なんだ、そういうことされると、その、困る。非常に、男として。
「平気」
だから俺が平気じゃないんだ、分かってはもらえないだろうが。そしてどんなに言葉を
尽くしても、こういう時の長門は、一歩も引かないよう予感が何故かしているんだよな。
なので、もう覚悟を決めて、ぴっとりと寄り添う長門と、家路を急ぐことに決めた。
859 :傘がない 3/3:2007/09/13(木) 20:08:02 ID:V2DKNW1V
自宅についた俺は、
「待ってろ、マンションまで送ってく」
と言って、自分の傘を玄関まで取りいき、そういえば学校で誰かに持っていかれたのだ
ったと思い出し、仕方なく親父の傘を持って長門のもとに戻った。
「いい。私を送る必要はない」
遠慮する長門だったが、俺が、
「良くない。主に俺の都合でだ」
そう説き伏せると、
「そう」
と頷いたきり、何も言わなかったが、心なしか、歩調が嬉しげだったのは、俺の気のせ
いかもしれないな。
長門の住む高級マンションの前まで来ると、長門は「上がっていって」というような目
線を送ってきたが、時間が時間だけに、俺は「このまま帰る」という意思をこめてかぶり
を振った。そのときの長門は少しさびしげだったが、最後に振り向いて、海洋深層水のよ
うな瞳に俺を写し、
「ありがとう」
と口の動きだけで言った。
ただそれだけのことだが、こんな雨の日も悪くないな、と思ってしまった俺も単純な奴
だよな。
後日、長門と二人で連れ立って下校していたのを、学校の誰かに目撃され、何故かそれ
がハルヒの耳にも入っていたんだが、まあ、それは本筋とは関係ない些細なことさ、多分
な。
終わる
860 :833:2007/09/13(木) 20:09:19 ID:V2DKNW1V
以上です。836のお題で勢いで書いた。
反省はしていない。
861 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/13(木) 20:17:27 ID:2Op4ZuN3
>「もっと寄って。濡れるから」
> と、体を押し付けきた。
不覚にも
863 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/13(木) 20:25:41 ID:zGBJnCKO
こういうの大好き
864 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/13(木) 20:30:29 ID:0bmtO71d
>>856>>858-859
これは…素晴らしい。
まるでながるんが書いているみたいだ。
所々長門に萌えたぜ。
グレートGJ!
865 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/13(木) 20:38:24 ID:AcBk4Ej+
>>860
妄想するならこれくらいじゃないとな
ありがちなシチュエーション(結構既出)だが、終わり方がもの凄く上手い
久しぶりにGJ
866 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/13(木) 20:42:11 ID:62qJdSXj
>>860
GJすぎるぜ
867 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/13(木) 20:43:53 ID:zSOR2VIk
>>860
長門のらしさがとても感じられた。
視線で会話するところイイね。
GJ!
870 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/13(木) 20:53:34 ID:sFhY8YkW
>>860GJ
読みながら、キョンの傘は長門が隠したと推理した俺は多分心の病気orz
長門疑ってすまんかった長門
871 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/13(木) 20:59:44 ID:STl8lwYQ
>>860 GJ 毎日雨でもいい
872 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/13(木) 21:00:00 ID:B3uz9W2n
某スレの梅雨シリーズみたいだな
あれはハルヒの仕業だが
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(舟)
長門に含む所が無くとも、雨中に相合い傘での下校というのはいいものですな。
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引用元:長門有希に萌えるスレ 103冊目

















