2007年08月29日

(SS)佐々キョン「キョンの学ラン」

勝手に今日輝いていたハルヒのレス:

-----------------------------

127 :SS キョンの学ラン:2007/08/19(日) 23:31:43 ID:BuYy3F4h
 北高の体育祭。
 1年5組は、あたし、涼宮ハルヒが体育着の上に学ランを着て、一人応援団を務めていた。

 体育祭も終わって、後片付けをしていると、佐伯さんが声を掛けて来た。
 「ねぇ、涼宮さん?その学ランってどうやって手に入れたの?」
 なるほど、当然な疑問だわ。
 あたしがこの高校に来る以前に、性別を偽って生きてきているわけでもなければ、
 男物の学ランなんて持ってるわけないものね。
 「これ?ああ、これはキョンの中学時代のやつよ」
 これが本当の話。
 『応援団やるから』の一言で、キョンに持ってこさせた学ランが、ちょうどあたしにピッタリのサイズだったのだ。
 世の中なかなか都合よくできてると思ったものね。
 「やっぱりそうなんだ……」
 とは、声を掛けて来た佐伯さんの反応。
 「やっぱりそうなのね……」
 「やっぱりそうなんだ……」
 よく見たら、阪中さんと成崎さんも一緒に居る。
 この三人はコーラス部の仲良し組だ。
 それにしても、何が「やっぱり」で、何が「そう」なのか、あたしにはさっぱりわからなかった。
 やれやれ、この年頃の女の子の考えることは難しいわ(※自分もこの年頃の女の子である)。

 そんなことを話していると、偶然にもキョンが通りかかった。
 「あ!キョン!終わったからこれ返すわ」
 返しに行く手間が省けたというもの。
 あたしは、学ランの上着を脱いで、キョンに手渡そうとした。
 「おいおい……借りたものは洗って返せよ……」
 そうしたら、キョンのくせにそんなことを言ってくる。
 なんて生意気な。
 このあたしが借りてあげたのに……てなことを言おうと思ったけど。
 よく考えたら、自分の手に持っている学ランがじっとりと湿っていることに気付いた。
 今日は暑かったから、さすがに汗をかいてしまったらしい。
 まあその、何て言うか……この学ランあたしの汗の匂いがする。
 これをこのまま返すのは、相手がいかにキョンと言えども、レディとして恥ずかしいわ。
 「わかったわよ……」
 あたしは、渋々譲歩する素振りを見せながら、差し出した学ランを引っ込めたのだった。
 それにしても、あたしの持っている学ランに注がれる阪中さんの視線が熱いような気がする。
 チラリと見てみると、何となく顔も赤い。
 ひょっとして学ランフェチ?そんなフェチ聞いたこと無いけど……


 そんなこんなで、あたしはSOS団の部室にやってきた。
 そこで、ズボンを脱ぎ、その下に穿いていたブルマも脱いで、いつもの制服に着替える。
 そして、クリーニングに出すべく、キョンの学ランをその辺に放ってあった適当な袋に突っ込もうと思ったときだった。

 パサリ

 乾いた音とともに、キョンの学ランのポケットから1枚の紙切れが落ちてきた。


129 :SS キョンの学ラン:2007/08/19(日) 23:32:47 ID:BuYy3F4h
 何だろう?
 あたしは、きっちりと四つ折にしてあるその紙切れを開いてみた。


 『キョンへ

 この手紙をもって僕の親友としての最後の仕事とする。
 何故なら、おそらく君と僕との関係は、
 これから僕が述べることによって、「親友」と呼べるものではなくなってしまうからだ。
 まず、僕の思いを君に直接伝えるために、体育館裏の一番大きな桜の木、
 通称「伝説の樹」の下へ、放課後来るようお願いしたい。
 以下に、僕らの関係についての愚見を述べる。
 僕らの関係を考える際、第一選択はあくまで同じ塾に通うクラスメイトあるという考えは今も変わらない。
 しかしながら、現実には僕自身の場合がそうであるように、
 気付いた時には、いつの間にか自分の中ではただのクラスメイトでは無くなっている例がしばしば見受けられる。
 塾の行き帰りで二人きりになることはたくさんあったけど、残念ながら未だ満足のいく成果には至っていない。

 何だか、何を言いたいのかわからないね。

 うまく言えないけど、僕の中で君はただのクラスメイトではなく、「男」になりつつあるんだ。

 とにかく、卒業式の放課後、体育館裏に来て欲しい。
 そこで、私の思いを全部話すよ。

                                佐々木』


 …………
 ……………………
 ………………………………なにこれ?
 何だかとてもまわりくどいんだけど、要するにラブレター?……ってこと?
 でも、一人称が「僕」ってことは、お……男からってこと?
 あれ?でも、最後のところだけ「私」ってなってるし……
 精神が女の子になりつつある男の子ということなのかしら?
 まったく、理解に苦しむわ……

 でも、何故だろう……胸の中がなんとなくモヤモヤする。
 それは、きっとこの手紙が本当に、切実に、本気なんだってことが、字体からわかるから……

 あたしは、その手紙を制服のポケットに突っ込んだまま、部室を出た。


130 :SS キョンの学ラン:2007/08/19(日) 23:33:51 ID:BuYy3F4h

 もう一度、運動場の方に行ってみると、もう人はまばらで、
 隅っこの方で体育祭で使った木材が盛大に燃やされていた。

 あたしは、その炎の側へ行き、ポケットからさっきの手紙を出して、そっと投げ込んだ。
 紙切れはあっという間に燃えて無くなってしまった。
 何だか、凄く悪いことをしている気がした。

 でも、仕方が無いじゃない。
 中学の卒業式の放課後って、いったいどんだけ前の話よ。
 そもそも、大事なことは、こういった手紙じゃなくて、ちゃんと面と向かって本人に直接言うべきだわ。
 あれ?直接言うために呼び出すための手紙だったんだっけ?

 「おーい、何してんだ?朝比奈さんが探してたぞ」

 不意に背中から声を掛けられ、あたしの背筋が震えた。
 何故……?別に悪いことしてないじゃない。
 「朝比奈さんがな『今日はもう帰っていいのか?』だってさ。帰るだろ?疲れたし」
 声の主はキョンだった。
 何故か、胸がチクリと痛んだ気がした。

 「ね、ねえ、キョン……」
 「何だ?」
 「あんた、中学の卒業式の後って何してた?」
 「は?……そうだな、国木田達と飲めもしない酒飲んでバカ騒ぎしたな」
 「何よ?男ばっかりで?あんた、中学の頃から女友達いなかったの?」
 「うるせー……あー、でも、一人だけよくつるんでた女子がいたなあ……」
 「え?そうなの?意外ね……」
 「おいおい……俺はどんだけ……まぁでも、そいつとは卒業式以来会ってないな
  そういや、あのバカ騒ぎにもいなかったな……まぁ当時携帯とか無いし……」
 「ふーん……そう……」
 「でも何でそんなこと聞くんだ?」
 「……この学ラン見てたら、何となく思っただけよ」
 「お前はまたそんなスーパーのビニール袋に突っ込んで……そんなんでも俺の思い出の品なんだぞ」
 「知ーらない」

 あたしは、キョンの学ランの入った袋をぶん回しながら帰った。


 おしまい


131 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/19(日) 23:35:31 ID:BuYy3F4h
 以上です。

 ハルヒスレに投下すべきかとも思いましたが、
 よく考えたら、あちらでは佐々木さんのことがあまり語られていないので、こっちに投下しました。

 佐々木さんと一緒にマクドでポテトの食べさせ合いっこをしたい。


132 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/19(日) 23:36:48 ID:/xzKcc3Y
 卒業してから一回も洗濯に出してないのか学ラン


133 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/19(日) 23:38:23 ID:3eyaE0oA
 >>131よ、、、
 GJとは言いがたい
 この後日談でも書いてくれぇ


 佐々木さんと話してぇ


134 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/19(日) 23:42:31 ID:V+oHAkn8
 乙
 これはフラクラってレベルじゃねーぞ…
 佐々木が当て馬キャラってこと思い出しますた…orz


135 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/19(日) 23:44:16 ID:NQmLAWCU
 乙
 海辺のカフカ思い出した


136 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/19(日) 23:44:26 ID:ZG4q7HDO
 >>131
 お前、これはある意味挑戦か?

 乙。


137 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/19(日) 23:46:56 ID:4Xo8X1vd
 これはさすがに佐々木が不敏過ぎるよ……
 こういうのはハルヒスレに投下しておくれ…

 こういうの見るたびに佐々木はキョンに恋愛感情持ってないほうがいいなと思ってしまう


 とりあえず乙


138 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/19(日) 23:48:03 ID:84z4niTN
 >>131乙。
 でもハルヒスレに落とさなかったのは正解だと思う。


139 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/19(日) 23:51:54 ID:3eyaE0oA
 >>138
 なぜだ?
 現国1の俺でもわかる説明をしてくれ

 マジでたのんます

-----------------------------

-----------------------------

300 :SS キョンの学ラン パラレル:2007/08/21(火) 02:01:04 ID:815ufAC7
 北高の体育祭。
 俺が所属する1年5組は、我らが涼宮ハルヒ団長が体育着の上に学ランを着て、一人応援団を務めていた。
 さて、ここで一つの疑問がわいてくるだろう。
 涼宮ハルヒという女子高生が、今まで性別を偽って生きてきている、
 なんていうどこかで見た漫画みたいな人生を送ってきているわけでもなければ、
 何故斯様な男物の学ランを所持しているのか?
 答えは簡単。
 あれ、俺の学ランだ……
 3日ほど前の帰り際、ハルヒが突然、
 「体育祭で応援団やるから、あんた学ラン持ってきなさい」
 と、声を掛けられた。
 そのまま有無を言わさず立ち去られてしまったので、俺は渋々ながらもとりあえず翌日に中学時代の学ランを持参した。
 やれやれ……何でいまさら窮屈な学ランに再び袖を通さねばならないかね、と不満に思っていたところ、
 ハルヒは俺の手元から学ランの入ったカバンをかっさらうと、おもむろに自分の制服のリボンを外し始めた。
 おいおい、久しぶりだなこの展開。
 「ちょっと、着替えるから出てってよ」
 まあ、最初の頃と違うのは、とりあえず後付でもこういう一言が入るようになったところか。
 おれはそそくさと部室を後にした。

 そんなわけで現在に至る。
 俺は最初、SOS団全員で応援団やるのかと思っていたのだが(だから、俺に自分の学ランを持って来させたと思った)、
 ハルヒが俺に学ランを持ってこさせたのは、自分で着るためだったのだ。
 なるほど、よくよく考えてみれば、何事にもふいんき(何故か変換できない)を重要視するハルヒらしい考えかな。
 それにしても、俺の中学時代、つまり成長前の俺のサイズと今のハルヒのサイズがピッタリというのは、何と言う偶然か。

 まあ、そんなこんなで体育祭も終わって、後片付けをしていると、
 そのハルヒが俺の学ランを着たまま佐伯や阪中たちと話しこんでいるのが見えた。
 「やっぱりそうなんだ……」
 とは、声を掛けて来た佐伯の反応。
 「やっぱりそうなのね……」
 「やっぱりそうなんだ……」
 よく見たら、阪中と成崎も一緒に居るが、何が「やっぱり」で何が「そう」なんだ?
 話途中ではさっぱりわからん。
 俺が近づいていくと、ハルヒはこちらに気付いたようだ。
 「あ!キョン!終わったからこれ返すわ」
 …………おい。
 そういってハルヒが差し出してきたのは、さっきまで汗だくになりながら着られていた俺の学ラン。
 ハルヒの汗でじっとりと湿っているのが見ただけでよくわかる。
 「おいおい……借りたものは洗って返せよ……」
 俺は至極当然の訴えをしたつもりだったが、抵抗虚しくというか、
 汗だくの学ランは問答無用で俺の手の中に突っ込まれた。
 「とか言いつつ、そのまま受け取るんだ……」
 とは、佐伯の弁。
 ふん……お前らにはわかるまい、ハルヒには抵抗するだけ無駄だってことがな……
 「下も返せよ」
 俺はもう抵抗を諦めた。
 こうなったら、さっさとカバンに押し込んで、持って帰ったらクリーニングに出してしまおう。
 「わかってるわよ、もう」
 ハルヒはそう言いながら、そそくさとズボンを脱ぎ始める。
 しかし……その……なんだ。
 下にブルマを穿いているのがわかっているとは言え、
 女子が目の前でズボンを脱ぐ姿というのは……何だかアレだな。
 アレって何だ?
 しかし、それよりも気になったのは、俺の手元に突っ込まれた学ランに注がれる阪中の視線がやたらと熱かったことだ。
 何だ……こいつひょっとして制服フェチか?


301 :SS キョンの学ラン パラレル:2007/08/21(火) 02:02:07 ID:815ufAC7

 俺は汗だくの学ランを抱えて文芸部室へと向かった。
 何故なら、元々この学ランを持って来るために使ったカバンが部室に置きっぱなしになっていたからだ。
 部室には誰もいない。
 というか、おそらく今日は誰も来ないだろう。
 さすがに疲れたから、今日は活動無しで帰るんじゃないか?と言うか、そうであって欲しい。
 そうであって欲しいからには、さっさと帰り支度をしてしまうに限る。
 俺は棚からカバンを取り出すと、もう皺くちゃになってしまった学ランをそこに突っ込んだ。
 そのときだった。

 パサリ

 乾いた音とともに、キョンの学ランのポケットから1枚の紙切れが落ちてきた。
 何だこれは?
 いつの間に、こんなものが入っていたんだ?
 ともかくも俺は、きっちりと四つ折にしてあるその紙切れを開いてみた。


 『キョンへ

 1年間レスが無かったら、キョンは佐々木の婿

            200X年3月20日 佐々木』


 …………
 ……………………
 ………………………………何だこれは?
 佐々木!忘れもしない、中学三年でもっとも俺とつるんでいたツレ。
 くっ……やられたぜ。最後の最後でこんな悪戯を仕込んでやがったとは。
 ははは、危ない危ない。
 これで1年経ったら、俺のところに来てからかうつもりだったか?
 多分、国木田その他中学のときの奴らを連れてきて冷やかすつもりだったか?
 まあ、そういう同窓会も悪くないかもしれないが……甘いな、佐々木。
 とにかく帰ったらすぐに電話してやる。残念だったな。

 しかし、帰ってみてから根本的なミスに気が付いた。
 中学の時の連絡網が無い……
 佐々木の家の電話番号は……何となくしか覚えていない。
 当時、携帯とか無かったからな。
 元々、掃除は苦手だ。
 この部屋の中から、連絡網という薄い紙切れを探し出すのは困難だ。
 というか、面倒くさい。
 そもそも、もう捨ててしまったかもしれない。
 まあ、いいか。国木田にでも適当なときに聞いてみよう。
 1年間経過するまでは、まだあと半年もある。


302 :SS キョンの学ラン パラレル:2007/08/21(火) 02:03:08 ID:815ufAC7
 翌朝。
 俺の日常は、いつもの通り訪れる。
 「おはよう、キョン」
 通学途中、国木田が声を掛けて来た。
 はて?俺はこいつになにか聞くことがあったような気がしたが……忘れたな。
 まぁ、忘れたってことは、多分他愛も無いことなんだろう。


 そのまたある日。
 クリーニングに出していた学ランを回収してきた。
 そして、そのときに思い出した。
 そうだった、国木田に佐々木の家の電話番号聞こうと思ってたんだった。


 翌朝。
 俺の日常は、いつもの通り訪れる。
 「おはよう、キョン」
 教室に入ると、国木田が声を掛けて来た。
 はてな?俺はこいつになにか聞くことがあったような気がしたが……。
 まぁ、忘れたってことは、多分大したことじゃないだろう。


 そして、涼宮ハルヒに振り回され、何事もありすぎた俺の高校1年次が終わった。

 2年生に進級する前の春休み、俺はふとしたことで、昔の旧友に出会った。
 佐々木だ。
 こいつとは、中学三年のときに、誰よりもつるんでいたように思う。
 その割には、実に1年振りの再会になる。
 まぁ、学校が別々になってしまうとこんなものかね?
 それにしても佐々木よ。
 何でそんなにニヤニヤしてんだ?
 俺と再会できたのがそんなに嬉しいか?
 「キョン……1年振りだね」
 そうだな。
 「1年振りだね」
 そうだな。
 「1年以上経ってるね」
 そうだな……なんでそこをそんなに強調するんだ?

 おしまい


303 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/21(火) 02:07:28 ID:COFqYEPi
 ちょw


304 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/21(火) 02:10:33 ID:qtoN3Xfh
 >>302
 ニヤニヤしてる佐々木ワロタww


310 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/21(火) 02:30:38 ID:R5WftdnG
 >>302
 キョンは佐々木キョンになったのねw

-----------------------------

(舟)
 先のSSは、佐々木が不憫ですな。
 後のは、「一年キョン」が成功してニコニコですな。

-----------------------------

「輝いていたハルヒのレス」リスト一覧:総合SSSS・長キョン改変ガイドライン

-----------------------------

引用元:【涼宮ハルヒ】佐々木とくっくっ part18【変な女】

コメント

>この手紙をもって僕の親友としての最後の仕事とする。
財前悟朗吹いた

雰囲気はふんいきじゃね?

コメントする

コメント投稿に関する注意事項
・当ブログでは、コメント表示にブログオーナーの承認が必要です。承認されるまでコメントは表示されませんので、しばらくお待ち下さい。
・アクセスが殺到して非常に混雑した時などに、SQLエラーが生じるケースがあります。「コメントを受け付けました。」と表示されても、コメントが記録されていない場合がある点、ご了承下さい。

マイクロアドBTパートナーでおこづかいゲット!