(SS)ハルキョン「恋愛下手」
勝手に今日輝いていたハルヒのレス:
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552 ハルキョン SS 恋愛下手1/3:2007/07/15(日) 02:51:32 ID:a66sv+Xa
ハルヒは傲岸不遜で支離滅裂で傍若無人で自分勝手で徹頭徹尾俺みたいな凡人とは相容れない存在だ。
それでも高校生という多感な年頃。そんな時期をわりと多めに一緒にいると情みたいなものも移るらしい。
高校生活もラスト半分を切り、段々と寒くなっていく季節。
一応勉強を見てもらっているもののハルヒが本気になったら俺はとてもじゃないがついていけないだろう。
そうなればハルヒと一緒にいられるのもそう長くはないのだろうか。
俺だって木の根から生まれたわけじゃない。
人並みに女性に興味はあるつもりだ。
その対象が涼宮ハルヒだと気付いてしまったときの俺の動揺はとてもじゃないが伝えきれない。
とりあえず表面には出していないつもりだが古泉あたりにはバレバレみたいだ。
ことあるごとに俺とハルヒをくっつけようとするようになった。
…ただこういうことは今までもあったので古泉から見たら俺は相当前からハルヒを気にしているように見えていたのかもしれない。
忌々しい。
ところが、だ。ハルヒときたらそんな古泉の努力なんか何処吹く風。
今までと同じように俺の手をなんでもないように引いたり、無駄に体を近づけたり。
俺がどれだけの努力をして表情に出さなかったかをハルヒは知るまい。
俺からだって動いたさ。けどハルヒは変わらない。
思い切って告白しようと思ったことも1度や2度ではすまない。
それでも今のこの関係が変わるのが怖かった。
ハルヒは告白してきた奴を初めはOKしたって最後はことごとく振ってきた、という事実もあった。
俺は違う、と信じたかったが信じられるほど俺は自分に自信があるわけではなかった。
だから、このままでもいいか、なんて思い始めていた。
ある日の昼休み。
「はぁぁぁぁぁぁぁぁ、いいよなぁ彼女がいるやつは」
谷口の長い長い溜息。
「いねえよ、彼女なんて」
現在その対象で候補はたった一人で俺はそいつに何も伝えていないんだから。
「はぁ!?…いやちょっと待てよ。付き合ってるんだろ涼宮と」
ざわざわする。落ち着けよ俺。谷口はいつもこんなもんだったじゃないか。
「付き合ってない」
「はぁそうなのか。じゃあふられたのか?」
「…それはちがう」
「じゃあ告白とかしたのか?」
「…してない」
「…大丈夫かお前。あんだけ仲良くしてて何も無しかよ」
余計なお世話だ。
「じゃあ最後だ。お前涼宮のことどう思ってるんだ?」
いろいろ思い浮かぶ。初めて会った時のこと。初めて話したときのこと。それから今まで一緒に過ごしてきたこと。
「…たぶん、好き、なんだろうな」
でなきゃここまで付き合わないだろう。
「なんだ、わかってんじゃないか」
谷口は笑う。
「経験者として語らせてもらうぜ。『言わずに後悔するよりも言って後悔したほうがいい by谷口』なんてな」
どこかで聞いたことのある台詞だった。
まあ一つ問題があるとすればこの会話をハルヒが聞いていたことくらいだ。
553 ハルキョン SS 恋愛下手2/3:2007/07/15(日) 02:52:36 ID:a66sv+Xa
なんとなくハルヒがよそよそしい。引きずりまわしたりしないし、体を近づけてもこない。
不審に思い教室で聞き込みをしたところハルヒにあの会話が聞かれていたという事実が判明した。
告白したも同然だ。今この態度ならはっきり言ったところで結果は同じだったのだろう。
諦めるしかないな、と思うのだがハルヒはSOS団の活動を続けようとする。
俺以外には変わらない態度のまま。
いらいらする。はっきりしないのがこんなに腹が立つのは初めてだった。
なるようになれ、となあなあで済ませてきた俺にしては珍しい。
週末の市内探索の告知終了後解散の運びとなった。みんなに頼んでうまくハルヒと二人きりにしてもらった。
そわそわしてるハルヒ。ここは単刀直入にいこう。でもさすがに『俺のこと好きか』とは聞けない。だから
「ハルヒ、俺のこと嫌いか?」
「!!」
ハルヒはしばらく固まったあと、走って逃げていった。
結構悩んだが市内探索に行くことにした。これが最後かもしれないから。
到着すると珍しくハルヒが一人だけで他のメンバーは来ていなかった。
「今日はあんたとあたしのふたりだけ」
なぜそんなことをするのかわけがわからない。ハルヒも沈黙を保っていた。
「…手、…いい」
「え?」
「手、握ってもいい?」
消え入りそうな声。心なしか震えている。言葉も、体も。
ハルヒがそんなことを聞いてくるなんて。
想像外の出来事にしばし呆けてしまう。
するとハルヒは手を下ろした。
「ゴメン、変なこと言ったわ。さ、行きましょ」
目の前からハルヒがすり抜けていく感触。
「待て!」
口が勝手に動いた。
体も勝手に動いていた。ハルヒの手を掴んでいる。
「な、なによ」
不安そうなハルヒ。見たことのないハルヒの表情は俺の心をざわつかせる。
頭が動くようになると色々といいたいことが思い浮かぶ。
今までそんなこと聞かなかっただろ、とかどうしてそんな顔をする、とか。
でもそんなことを聞いたらこいつはきっと誤魔化してしまうだろう。
それくらいは、そんなことくらいはわかる。
それだけの間一緒にいたんだ。俺はハルヒを一番知ってる自信がある。
馬鹿馬鹿しい、どうしていいかわからなかったのはこいつも一緒だったってだけじゃないか。
「なあハルヒ、俺はもう引っ張られるのはゴメンだ」
ハルヒが身を硬くする。
「だからな」
指を絡めて手を握り横に立つ。
「隣にいてくれ。んで一緒に行こう。これなら問題ないだろ?」
ハルヒの目が驚きに見開かれ、そして力と輝きが戻ってくる。指に力が込められた。
「…うん」
赤くなって俯くハルヒは可愛かった。こんな顔も良いと思った俺は既に色ボケしていたのかもしれない。
554 ハルキョン SS 恋愛下手3/3:2007/07/15(日) 02:53:39 ID:a66sv+Xa
その後はどう控えめに見てもデートだっただろう。
道中色々聞いた。
教室で俺の言葉を偶然に聞いてしまってそれから意識し、俺のことをどう思っているかを考えるとわけがわからなくなったそうだ。
触れようとすると色々考えてしまい頭の中が真っ白になり、今までどうしていたかも思い出せなかったらしい。
そんな状態になったのは初めてで困った挙句朝比奈さんに相談したらしい。よっぽど追い詰められていたんだろう。
朝比奈さんはにっこり笑って今日二人きりで会うことを提案したんだそうだ。
「きっとキョンくんならなんとかしてくれます。大丈夫です。キョンくんを信じてあげてください」
あのお方は人を信じる天才だな。
その日の後半はハルヒも調子を取り戻しいつものように俺を引っ張りまわすようになっていた。
いつもと違うのはあいつを家まで送る時に並んで歩いたことと「また学校で」と挨拶したこと。
帰り道に考える。
あいつは子どもなんだろう。子どもだからいろんなことを信じて求める。
でも頭の中のどこかは大人で、そんなアンバランス。
まるで俺と逆だ。俺は結局ガキなんだと思う。
そんな俺たちだからぴったり合うのかもしれない。だからずっと一緒にいたのかもしれない。
ま、今回のことは子ども過ぎだよな。まるで中学生みたいだ。
特にハルヒなんてなかったな。初恋かっつうの。…だとしたら光栄なことだな。
まあ俺も似たようなものだ。告白なんてしたことないしな。
今日だって言ったようで言ってないし、でもいつかはっきり言ってやろう。
あいつは意外に脆い。はっきりと言葉と態度に出してやらないと不安がりそうだ。
そんならしくないあいつが可愛いと思えるのは俺がもう手遅れのところまできているからだろう。
まあ今考えれば初めてあいつに会ったときから手遅れだったんだろうけどな。
555 名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/15(日) 02:59:30 ID:EKQH+BZx
これはいい
556 名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/15(日) 03:07:07 ID:U3SM5htj
感動した
557 名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/15(日) 03:24:50 ID:Td+GlEM7
>>554
GJ!
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(舟)
今更何をそんなに恥ずかしがる必要が、という2人の初々しさが良いですな。
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コメント
ハルヒとキョンの
ツンツンツンツンデレ具合はある意味恋愛の達人ではなかろうか?
Posted by: Anonymous | 2007年11月26日 19:34