2007年05月18日

(SS)東中のとある放課後

勝手に今日輝いていたハルヒのレス:

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115 :SS? 東中のとある放課後 1/3:2007/05/18(金) 01:49:20 ID:XCmsv50V
 「いけない、もう帰んないと」
 気づけば時計は5時過ぎを指していた。読んでいた本を鞄にしまい、図書室の戸締まりを進める。
 押しつけられる形で就くことになった図書係だが、最近は読書の楽しさに目覚め始めた自分がいる。後2日もすれば今読んでいる本も読み終えられるだろう。そんな風に次の読書計画を脳内で構築しながら校舎内を歩いていた時、

 「……………♪……♪♪~……」

 ……どうやらピアノの音のようだ。誰が弾いているのだろうか。もしかしたら柿崎先生かもしれない。
 去年西中からここに転入して以来、その清楚な風貌と見事なピアノの腕前で瞬く間に生徒達の人気を鷲掴みにした音楽の先生。
 5組の谷口君を中心に男子が集まり行われる「女生徒・女教師 定例品評会」なるものにおいて、その名が挙がらないことはないという。もしかしたら、その柿崎先生と二人でお話ができるかも。そう思った時、気付けば僕の足は音楽室に向かっていた。


 音楽室の扉の向こうから、文字通り軽やかな旋律が聞こえてくる。曲名はさっぱりわからないのだが、奏者の腕前が見事な事だけはわかる。僕はそっと、目の前の扉を開いた。


116 :SS? 東中のとある放課後 2/3:2007/05/18(金) 01:50:56 ID:XCmsv50V
 僕は何故か、その時までそこに柿崎先生がいると信じて疑わなかった。しかし扉を開けて目に入ってきたのは、何のことはない、制服姿の女子だった。何だよ、と心の中で悪態をついた。

 長く真っ直ぐに伸びた黒髪が、曲に合わせてゆっくりと僅かに動いている。右耳の後ろが髪の間から少し見え、頭のてっぺん付近には黄色いカチューシャらしきものが見え隠れする。誰だろう。今の僕の位置からは、右後頭部しか見えない。

 曲目はやがて少しずつ速さを増し、信じられない音の数を彼女は奏でていく。柿崎先生の演奏を初めて聞いたときには、音楽でここまで感動できるのかとしみじみ思ったものだが、
 彼女の演奏は何か身動きがとれなくなる凄みを放っている気がした。
 力強いとも重苦しいともとれる大きな音が響き渡る。でも悪くない、このままずっと聞き続けていたい。自分が演奏に没頭してることに気付けなかった。だから、曲が盛り上がりに盛り上がっているその最中に―――――――


 ガァァァァァァァァァァァァァンッ!!!!!


117 :SS? 東中のとある放課後 3/3:2007/05/18(金) 01:52:13 ID:XCmsv50V
 「うひゃああっ!!」
 こんな間抜けな声が自分の口から出るのかと驚かずにはいられない。あまりにも突然のことに、自分の脈が高鳴っている。気を落ち着かせてピアノの辺りを見直すと、彼女は立ち上がっていた。両手の指が思いっきり鍵盤にめり込んでいる。


 彼女が、振り返る。目が合った。


 僕はコイツを知っている。東中一の有名人―――


 鞄を持った彼女がこちらを見ながらゆっくりと近づいてくる。長く伸びた髪の右半分が夕日に映えて茶色く染まっている。
 「黙っていれば可愛い」なんていう評価があちこちで飛び交っていたっけ。目がでけぇ。何でこんなパッチリしてんだろう。やべぇ、まだ俺のこと見てる。どうしよ、な、何か言わなきゃ…


 「あっ、あ、ああの…ピ、ピア「邪魔」」


 こんなに迷いのない意思表示を聞いたのは初めてだった。


 気付けば僕は緩慢な動作で出口を開け、彼女が――目線はそれ以降一切僕を捉えることはなかった――真っ直ぐ前を向いて歩いていくのをただ見送っていた。
 その後ろ姿が見えなくなってもその場に立ち尽くし、見回りの先生に不振な顔をされながら下校を命じられるのはまた別の話である。


118 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/18(金) 01:59:03 ID:XaFV2z7f
 >>115-117
 GJ!
 中学のハルにゃんも可愛いよなあ……
 ハルにゃんに睨まれてみたい


119 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/18(金) 02:05:47 ID:TZABbTbx
 なんか雰囲気がいいなw GJ!

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(舟)
 第三者視点による、中学時代のハルヒの一幕。ハルヒのピアノ演奏という、原作には無いエピソードの一端を想像できて良いですな。

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「輝いていたハルヒのレス」リスト一覧:総合SS改変ガイドライン

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引用元:【涼宮ハルヒの憂鬱】涼宮ハルヒを語れ その49

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