『涼宮ハルヒの分裂』書評、というか感想
『涼宮ハルヒの分裂』書評、というか感想
最初にパラパラとめくった時、何かページの文字レイアウトがいつもと違うような、と感じた。読み進めて後半にさしかかる辺りで納得。物語が2つに分岐している。なるほど、だから『涼宮ハルヒの分裂』なのか。αの世界と、βの世界、2つの物語はそれぞれどういう結末を迎えるのか、それは次巻の『涼宮ハルヒの驚愕』までのお楽しみと。推測するに、まったく別個の物語として進行するけれど、着地点は同じになるんじゃなかろうか。
佐々木は案の定、女性。古泉の目から見て、魅力的な。ハルヒが閉鎖空間を発生させるほどモヤモヤしているのは、性的な意味よりも、佐々木がキョンのことを「親友」と言い切った面の方が強いようで。自分の知らないキョンの一面を知る上、親友を称する女の出現に、内心気が気ではないというわけか。
佐々木を見ていると、森博嗣作品に登場する西之園萌絵がかぶる。「キョン」という名前と諸々の条件から正確な本名の漢字を的中させる頭の回転の速さや、「本名の方がコンマ二秒反応が速い」という異常に観察眼が鋭いところとか。ただ萌絵と異なる点として、計算高さが無いかな。
そういえばキョンの本名が「キョン」から導き出せる名前だということに、軽く驚いた。しかも、どことなく高貴で壮大ときたもんだ。一体どんな本名なんだか。
先行100枚で佐々木が女性であることにばかり注目していたせいか、各組織の対立存在の末端と友人関係を結んでいるところまでは予想していなかったな。以下に対立図。
| SOS団 | 役割 | 対立組織 |
|---|---|---|
| 涼宮ハルヒ | 神 | 佐々木 |
| 長門有希 | 宇宙人 | 周防九曜 |
| 古泉一樹 | 超能力者 | 橘京子(誘拐少女) |
| 朝比奈みくる | 未来人 | 藤原(パンジーさん) |
そしてキョンは、ハルヒと佐々木、両方の神様と親しい間柄にある、ごく普通の人と。
長らく「パンジーさん」呼ばわりされていた未来人の名前が「藤原」と、ようやく判明。つっても、とても本名とは思えない。本人「名前などただの識別信号」と言う辺り、名前に対する意識が希薄そうな印象。未来世界モノによくある英数字の羅列だけでも充分と考えているフシがある。“朝比奈みくる”も識別信号で、本名では無さそうだな。
対立メンバーは一枚岩ではないようで。まぁSOS団の3組織が結束しちゃったから、こっちも結束しないと~という無理矢理な結束だし。利害の一致すら見られず、とても内部統一が図られるとは思えない。この団結力の無さで、どうやってSOS団に対抗するのかが見物だ。
橘京子は、古泉ら『機関』の面々とはまた別の閉鎖空間に侵入できる能力を持つ。『機関』の面々が侵入するのはハルヒ謹製の閉鎖空間なのに対し、対立組織の人々が侵入できる閉鎖空間は佐々木が生み出していると考えている模様。古泉が橘たちの組織を「涼宮さんに与えられなかった者たちの代表」と言う辺り、本当に佐々木謹製の閉鎖空間なのかは怪しそう。『機関』の対立組織は、ハルヒの能力は元々佐々木が持つはずだったものと信じ込んでおり、佐々木に戻そうと計画中。とりあえず日本は八百万の神の国だから、神様が二柱存在していてもいいんじゃないかな。ところで佐々木を神様扱いしているのって、どうしても数年前のベイスターズを想起してしまう。ハマの大魔神も一応神様だし。つか佐々木を見ている限り、そもそも情報爆発を起こすような人間に見えないのだが。
口絵、チャイナドレスのハルヒが扇情的すぎる。これじゃ生徒会長が「劣情を催す」と物申すのも分かる。カメコ的には、チャイナハルヒのコスが撮れたらいいなと思っていたりする。
コンピ研、占いソフトで部員勧誘。「#11「射手座の日」の感想文章」で記述したけれど、コンピ研みたいな部は小難しそうなイメージで最初から敬遠されてしまう恐れがあるけれど、占いソフトみたいな誰でも手軽に扱える内容のモノで敷居を低くし、まずは興味を持ってもらう手法は理に適っているなと。
文芸部長・長門有希の活躍ぶり。クラブ紹介で『大脳生理学的見地から読み取る言語の不完全性と対話者間における意思伝達』という論文を発表したり、部員1人の部にしては破格の部費を獲得したり。この“破格の部費”は、何らかの形でSOS団の活動に役立つのか。それはやっぱり映画撮影でかな。
古泉「顔にはめた仮面に本体を乗っ取られないでくださいよ。猫かぶりが猫になったりすることはよくある」→この生徒会長へのコメントは古泉自身にも当てはまる→生徒会長「猫の寿命は人間より短い」。古泉の死亡フラグコレクションがまた一つ。そろそろ「僕、この任務が終わったら森さんと結婚するんです」「こんな異世界人がいるかもしれない部屋には一緒になんていられません。僕は一人で寝ます。」といった王道死亡フラグが欲しいところ。
国木田、頭良かったのか。これまであまり設定描写が無かったけれど、佐々木らの登場でスポットが。
谷口的に、五組よりも六組の方が、女子のレベルが高いようで。隣の芝生は青い。
鶴屋さんとハルヒ・長門の百人一首暗唱大会。風雅ですな。春から秋へと移り変わるのが、何かの暗示なのか、本当に単なる遊びなのか。
喜緑江美里、バイトでウェイトレスになり潜伏調査。エェー何やってんのこの人、いやこのTFEI。周防九曜とのやり取りでも笑顔を崩さない。それはまるで、潮の流れをしなやかに受け流すワカメのよう。
長門の風邪に、皆でお見舞いへ行くことに。あれ? 何かこういう話のSS、最近見たような。もっともハルヒ以外のSOS団メンバーは、天蓋領域の人型端末からの侵攻であると推測して大わらわ。というところで続く。
物語が二つに分岐したこと自体も気になるが、α世界では入団希望者の中のいち女子生徒、β世界では天蓋領域の侵攻と、それぞれに引き込まれる要素があって、続きが非常に楽しみ。
角川書店 (2007/03/31)
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続きが楽しみ。
2007初!
買って・・・・・








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コメント
ネタバレはせめて続きを読むをクリックしないと読めないようにとかできないものだろうか
Posted by: Anonymous | 2007年04月01日 06:01
近場に売ってなかった自分は↑に同意ではある。が、テンション上がってきた。
Posted by: 大分 | 2007年04月01日 07:45
>>それはまるで、潮の流れをしなやかに受け流すワカメのよう。
うますぎるw
Posted by: 大量発生 | 2007年04月01日 09:50
新団体「世界を落ち着かせるための佐々木さんのための団」略してSOS団’でどうでしょうか?
Posted by: kamikamis | 2007年04月02日 13:31
驚愕が無事発売されたので、ぜひとも驚愕の書評もお願いいたします。
Posted by: Anonymous | 2011年05月27日 21:27