(SS)長門有希の冗談
勝手に今日輝いていたハルヒのレス:
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328 :ss 1/2:2007/03/23(金) 02:05:24 ID:3Fw+9TGf
「有希って冗談とか言えるのかしら?」
時あたかも三月の中頃のことであっただろうか、
ハルヒが突然そんなことを言い出したのは。
まぁ、こいつが何かを言い出すことというと、
大抵の場合、突拍子もなく言い出すということが多く、
むしろ、予兆があることのほうが珍しい。
繁華街で生ゴミをオオグンカンドリがついばんでいるくらいに珍しい。
ところで、「冗談とか」の「とか」ってなんだ? 「とか」って?
「そんな些細なことはどうだっていいのよ!
私が言いたいのは、有希に冗談とかコントとか、笑いのセンスがあるのかってことなのよ!
有希って頭いいじゃない。きっとギャグセンスも一流のはずよ!」
頭のよさとギャグセンスとは別物だろ。一緒くたにするのはおかしいだろ。
しかし、長門に冗談とコントか。これ以上にないくらいにありえない組み合わせにも思える。
とはいえ、俺は長門が冗談を言うのを一度だけ聞いたことがある。
もっとも、「それ」がハルヒの求めているものであるとは考えがたいわけなのだが。
「それでよ!」
人の思考を分断するな。
「アンタから有希に冗談を言うように説得してみて」
「ちょっと待て! なんで俺が!?」
「有希が言うことを聞くのはあんたしかいないからでしょ!
いい? 有希が冗談を言わなかったらアンタ、罰金だからね!
財布の中身が水素より軽くなるほど、ファミレスでご馳走してもらうから、覚悟しなさい」
なんという理不尽・・・・・・・・・。
さて、以上のやり取りはすべて放課後、文芸部室にて行われたものであり、
よって、この一部始終を長門当人も聞いていたため、
途中説明を省いて長門に頼んでみることにした。
「え~と、まぁ、お聞きの通りだ。大体わかってくれたか?」
「・・・・・・概ね」
「長門、俺の財布を成層圏の彼方まで飛ばさないためにもどうか一つ、
ジョークでもコントでも、頼む」
「不可能ではない」
ほっと、心の中で胸を撫で下ろしかけたとき、ボソッと小さく呟いた。
「・・・・・・でも」
何か問題でもあるのか?
「有機生命体の笑いの概念が今ひとつ理解できていない」
仕方ない。何か適当な流行り文句でお茶を濁してくれ。
「了解した。少し時間がほしい」
お安い御用だ。
329 :ss 2/2:2007/03/23(金) 02:07:48 ID:3Fw+9TGf
・・・・・・と、いうわけで、
ハルヒには長門が少し考える時間が欲しいと言っているとして、適当に時間を稼いだのである。
さて、三月とはいえ、寒い日にはやっぱり寒い。
長門のジョークのお披露目を待っている間に雪がちらつき始めた。
まったく、冬将軍にもさっさと引き揚げていただきたいものだ。
オセロの指南書を読んでいた古泉がそれに気付いた。
「おや、雪ですね」
「・・・・・・呼んだ?」
「いえ、長門さんを呼んだのではなく、外に雪が降っているなぁ、と」
次の瞬間、俺は耳を疑った。
「お呼びでない・・・・・・、こりゃ又失礼しました」
文芸部室内の空気が一気に低下した。
ハルヒが固まり、古泉の笑みが引き攣り、
朝比奈さんは何が起きたのかわからないというような態で挙動不振に陥っている。
当の長門は夜の闇より深い色の瞳に満足そうな光を湛えていつもの無表情で俺の顔を眺めている。
まさにあっと驚くタメゴローだ。
長門がこんな、四半世紀ほど前のギャグを引っ張ってくるなんて思いもよらなかった。
アナログな奴だとは思っていたがここまでアナログを愛するとは!
とりあえず、この空気を打開し、長門の名誉を守らねば!
笑え、俺! 笑え、笑え、笑え・・・・・・・・・無理だ。
俺が即行で笑うことに挫折したのと同時に、ハルヒがようやくといった様子で声を発した。
「今の、有希が言ったの?」
微かに首肯する動作、そしてさらに続ける。
「・・・・・・当たり前田のクラッカー」
もう、何も言うまい。
絶対零度空間と化した文芸部室にハルヒの声が虚しく響いた。
「ごめん、有希」
「・・・・・・・・・いい」
下校時、長門の背中が落ち込んでいるように見えた。
何のフォローもしてやれなかった自分が歯痒い。
心の中でゴメンゴメンと手を合わせながら、長門に声をかけた。
「長門、悪かったな。その、なんと言うか・・・・・・・・・」
「・・・・・・いい」
「それで、敢闘賞と言っちゃなんだが、肉まん、食べるか?」
コクと頷く仕草。と、同時に後から声がした。
「あたしも行くわよ!」
ハルヒ! なんでお前が!
「何よ、団長様が肉まん食べに行っちゃいけないわけ!?
せっかくあたしが奢ってあげようと思ったのに」
「お前にそんな殊勝さがあるとは初耳だな」
「なによ! あたしにだって自腹を切りたくなるときがあるのよ!
ごちゃごちゃ言ってると置いて行くわよ! 行こう、有希!」
そう言うと、ハルヒは長門の背中を押して駆け出した。
やれやれ、などと心の中で呟きつつ、
薄く雪の積もった上に残された足跡を俺はたどっていった。
330 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/23(金) 02:24:10 ID:CmafHv8C
>>328-329 ・・・・・。ユニーク・・・・・・。
斬新で良かったよGJ!というか俺は普通に笑ってしまったw
こんな長門もいいなぁ・・・・・・。
335 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/23(金) 02:42:51 ID:cP+Pu5By
>328-329
みんなから愛されてて、長門は宇宙で一番幸せな対有機体コンタクト用ヒューマノイドインターフェイスだな・・・
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(舟)
「なんという理不尽」の後、「顔をみただけでやれやれしてしまった、このハルヒは間違いなくキョンデレ」とか関係ないことを想像してしまった。
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「輝いていたハルヒのレス」リスト一覧:総合/SS/歌/改変/ガイドライン
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引用元:長門有希に萌えるスレ 82冊目


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