2006年09月16日

(SS)朝倉涼子の感情

勝手に今日輝いていたハルヒのレス:

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145 :感情 :2006/09/16(土) 15:10:31 ID:t55/ekg6
  わたしには感情が無かった。感情なんて必要なかった。
  有機生命体とそつなく接せるように組み上げられた思考ロジック。対象に不快を与えないパラグラフ。
  わたしはただそれに従って行動するだけでよかった。

  わたしには感情なんて無かったし、感情が欲しいとも思わなかった。
  ただ有機生命体が様々な反応を見せる感情を少し知ってみたい……そう、知識として興味は持っていた。

  だが。
  感情を知るには感情を受け止める為の感情が必須。
  感情が与えられていないわたしが、感情を知る事などありえない。
  感情が『ない』わたしに、感情が理解できる事は一生無い。
  単純なる解法、故に例外無し。わたしはずっとそう考えていた。

 「ないんだったら自分で作ればいいのよ!」
  ──観察対象の、この言葉を聞くまでは。


146 :感情 :2006/09/16(土) 15:12:09 ID:t55/ekg6
  簡単な事から始めてみた。
  例えば『犬が好きか、猫が好きか』。
 「犬の方が好きなのね、わたしは。朝倉さんはどうかな」 普段なら回答モジュールに沿って答えるが、あえてそれをやめて回答に『困って』みる。
 「んー、わたしは猫かな」
  わたしの中の何かが気まぐれで出した回答。相手に受け入れやすいとか、そう言った計算が無い答え。
  だが、何かが心地良い。
  わたしは少しずつ、本当に少しずつ、こういう部分を作っていった。
  ロジックを離れ、勝手な動作を行うプログラム。わたしはその禁忌に触れてしまった……。

 - * -
  ある日の放課後。わたしは一つの行動に出ていた。

  わたしの最近の行動に対し、上は『欠陥プログラム』と判断。数日以内に何らかの対処が施される事になった。
  その決定を聞き、わたしの中の何かが、わたしの事を動かした。
  それが、この行動である。

 『やらなくて後悔するよりも、やって後悔したほうがいい』
  現状維持ではわたしは対処される。だが、どうすれば良い方向に向かうかわからない。
 『何でもいいから変えてみる』
  上は頭が固く、感情を持とうと言うわたしの急な変化についていけてない。だから対処する。

  わたしは考えた。どうすれば対処を逃れられるか。
  そして、思いついた。
  観察対象に劇的な変化が発生すれば、わたしの対処などどうでも良くなるはず。
  その為には──

 「あなたを殺して涼宮ハルヒの出方を見る」
  わたしは最後の手段に出た。

 「あなたが死ねば、必ず涼宮ハルヒは何らかのアクションを起こす。……わたしにとっても、またとない機会だわ」


147 :感情 :2006/09/16(土) 15:13:41 ID:t55/ekg6
 - * -
  結局、わたしは長門さんに破れ、対処を受ける事も無く情報連結を解除された。
  でも、わたしはこの結果に満足している。
  自分で作ったこの小さなモノを持ったまま、わたしは解除されるのだから。
  だから、最後にわたしが積み重ねた結果得た、彼への言葉を残そうと思う。
 「それまで、涼宮さんとお幸せに。じゃあね」
  自然に浮き出る笑顔と共に、これがわたしの感情なんだと信じて。

 - * -
  その情報の塵は、声を感じ取った。

 「──消えちまった朝倉をそこに含めてもいい」

  彼女は、もう一度だけ微笑んだ。

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(舟)
 ハルヒのあのセリフが朝倉にとってのトリガーになったってのは、考えたこと無かったなぁ。

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