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近世代のクイズ古文書
「QUIZ NEWS」増刊号

  2000年8月、鈴木舟太の部屋においてクイズ古文書「QUIZ NEWS」が発掘され、ネットで再発表された。だがその古文書の中には「増刊号」なるものの存在が示唆されていた。前述の場所においては発掘されなかったものの、別の場所で誰かが所持している可能性が高く、再発表時に「増刊号を持っている」人がいるかどうかを問う文章が併記された。
  すると世の中は広いもので、一人の人物が「増刊号」を所持していることを名乗り出て、これを提供してくれた。その人物の名は野田修平。目白の学び舎・学習院の若きエリートである。この好青年は「24時間クイズTOKYO base LIVE」開催期間中という多忙のところ、嫌な顔一つせず、古文書の写本を提供してくれた。なお、これを発表した日が、提供されてから10ヶ月経過している点は、不問にしてもらいたい。

  <4枚ある画像データは、サイズは全て「540×735」で、容量は52〜58Kbyteです。>


「QUIZ NEWS」とは?
  1993年〜94年、情報センター出版局が4(+1)度に渡って発行した、自社のクイズ本PRを主目的にしたダイレクトメールの内容物です。恐らく、情報センター出版局にていくつか出版されたクイズ本に折り込まれていたハガキを返送した人に送付されたものと推測されます。もっとも「NEWS」の名が示すとおり、ダイレクトメールのイメージは薄く、会報の体裁に寄った内容でした。
  そして今回取り上げる増刊号は、第3号で紹介された「クイズ本フェア」において、クイズ本の帯にある「夢のプレゼント応募券」を折り込みの読者ハガキに貼り付けて送付した人全員に送られたものです。このフェアの目玉は、抽選で200名に長戸勇人氏、水津康夫氏、永田喜彰さん、能勢一幸さんという、クイズ界に名だたるクイズ王4名の「写真付きサイン入り色紙」がプレゼントされるというものでした。


増刊号
1994年3月発行

1ページ目
  まずはクイズ本フェア応募者への御礼です。全国から5000通以上もの応募という、当時のクイズバブルぶりが伺える総数です。なおこのクイズ本フェア、出版社側が4人のクイズ王の色紙を応募者に対し勝手に割り振るのではなく、ちゃんと応募者が希望したクイズ王の色紙を送付するシステムになっていたのです。ですからクイズ王別の応募数が気になるところですが、いちいちそんな所には触れないようです。と、思っていたのですが、クイズ王別の応募数のヒントが4ページ目にあったりするのです。楽しみは後ほど。
  「再度購入者も」という見出しが踊っています。そりゃぁ、クイズ本を出し尽くし、新刊を出していない状態でフェアを行ったわけですから、とうの昔に全巻揃えていたクイズファンの方が応募するためには、再度購入をしなきゃいけませんて。
  また「嘆かわしい人も」という見出しもあります。フェアの期間中、応募券の部分をちぎって盗んだという、三井励のような行為をした人がいたそうです。クイズファンのモラルの低さを嘆いているようですが、実際問題、こんな犯罪行為に走る人はごく一部。こういうことをするバカが、趣味板住人の迷惑を顧みずクズスレッドを乱立させているのでしょう。



2ページ目
  2〜3ページ目は、4人のクイズ王からのメッセージが見開きで掲載されています。
辿り来て 未だ山麓
       水津康夫
  トップバッターは史上最強のクイズ王・水津康夫氏。当時は小学生相手に「新潟県出身の総理大臣といえば誰でしょう?」などとガチンコな出題をしたり、クイズ素人相手にガンガン早押しを正解しまくるなど、ちょっとくらいは「ファンサービス」というものを覚えて欲しかったものです。そんな生真面目な性格のクイズ王・水津氏ですから、メッセージも「「日本語と遊ぼう会」のススメ」という、見るからにマジメムード漂う内容です。で、この日本語と遊ぼう会のコンクールで「上位入賞できる人なら(クイズ番組の)予選通過なんか軽いもの」と気軽に語っておられますが、水津氏みたいな人がゴロゴロいるような場で日本語に関するコンクールに上位入賞するのは至難の業だと思います。



夢は夢を呼ぶ
     永田喜彰
  続いてFNSクイズ王・永田喜彰さん。水津さんとはうって代わって、クイズ一色。というよりアタック25オンリーという、クイズファンに対し気軽に近況を述べている感じの内容です。このアタック25の対戦相手は、上田伸行さん、門田雅志さん、大江成人さんという、いずれもクイズ界に名を為す強豪ばかり。ちなみに結果は永田さんの圧勝。後に年間チャンピオン大会にも出場して、嶋田康幸さんの後塵を拝するも、年間準優勝となりました。ちなみにアタック25は事前に対戦相手を教えることはありませんが、クイズの手練れ大会の場合は出場者情報が自然に流布してしまい、事前に対戦相手が判明してしまうケースもあります。ですから圧勝したのが分かっていてこれを書いたのか、対戦前にこれを書いて圧勝したのかで、永田さんの格好良さ判定が変わってきそうです。



3ページ目
応援してくれてどうもありがとう
             長戸勇人
  そして落語で言えば真打ち、ウルトラクイズ王・長戸勇人氏。読者に対するメッセージは「月日のたつのは早いものよ」という意味を込めた噺です。残念ながら私は「何が言いたいんだろ?」と不届千万、世が世なら即刻打ち首獄門に処されるであろう感想を抱いたものですが、おそらく全国に五千万人はいると推測される長戸勇人氏のファンは、尊敬するクイズ王からの素晴らしい噺に接し、男性はワナワナと肩をふるわせ感涙にむせび、女性は残らず失神してしまったことでしょう。落語なのに泣いたり気を失うのはヘンですが。なお「クイズは創造力<RPG篇>」は結局出版されていませんので、一般書店や古本屋を巡っても無駄足になるだけです。



努力は実る!
    能勢一幸
  トリを飾るは、同じくウルトラクイズ王・能勢一幸さん。メッセージの方は水津氏とは別のベクトルでの固い内容、クイズ王になって何千回と記した、ご自身のサインに関するこだわりです。そういえば先月行われた明大オープンでも、ファンの方にサインをされていましたが、果たしてこのこだわりを今も持続させて書かれたのか、気になるところです。え〜、何か能勢さんだけ異常に短いのですが、ツッコミどころが無いので終わりです。



4ページ目
  「能勢本2」のカバーイラスト決定のお知らせ。同時に4月上旬発売予定と発表されましたが、この本の発行は7ヶ月後の11月となりました。一体何をどうしたら7ヶ月も? というところですが、「データをあげるのに一体何をどうしたら10ヶ月も?」と聞かれると耳が痛いので詮索しません。
  「イベントアイデアさらに大募集」。募集だけで終わっちゃいましたね。(←残念の意味で書いているつもりです。)
  「編集後記」。謝ってばかりです。新刊を発売してフェアをするつもりだったようですが、それが失敗したというのも含まれています。これが執筆、編集、印刷の、どの段階で失敗したのか非常に気になりますが、真相は藪の中でしょうか。
  「クイズ少年アキラくん!」。「独身。蓄えあり。」の少年アキラくんにも、熱烈なファンレターが届いたようです。そのお返しとして、3月中旬、札幌市のMさんにどのような愛が届いたのでしょうか。ただ単にこの「クイズニュース」というくだらないオチである気もしますが。
  アキラくんはさておき、1コマ目に注目しますと、四人のクイズ王別にプレゼント希望ハガキが分類されている図があります。水津氏と永田さんは大体同じ、そして長戸氏と能勢さんはコマの上部を遙かに越えています。こうした図は結構現実を描いているものですから、これより導き出される推測数は
    長戸:2500通
    水津: 100通
    永田: 100通
    能勢:2300通
といったところでしょうか。(ヒデェ)
  欄外に、このクイズニュースを有料にしようかと述べられていますが、この話題、本号では一言も触れられていません。つまり増刊号読者、つきつめればフェア応募者に対してだけ聞いた質問となります。ま、その方が合理的ですしね。当時の背景からすれば、長戸氏や能勢さんの話題があれば有料でも欲しい人は山といたでしょうし、新しいクイズ本がなかなか刊行できない状態を考慮すれば、現実的な質問でしょうし。しかし現実は、有料化されることなく発行が終わってしまいました。


  この増刊号は、本号の第3号と第4号の間に発行されたものです。一見するとクイズ王の華やかなメッセージを伝えた会報のようですが、有料化を考える現状、なかなか出せない新刊クイズ本と、当時の逼迫した台所事情が垣間見える内容です。新刊クイズ本が出なくなった時期は、第4次クイズブームが過ぎ去る時期とシンクロしています。情報センター出版からクイズ本が出なくなったのは、編集側のそろばんが合わなくなったためか、時代の流れによるものだったのか、今となっては不確かな推測を行うより術はありません。
  第4次クイズブーム終焉より約10年が経過した現在。新たなクイズブームの息吹が芽吹きつつある状態において、「歴史は繰り返す」のか「歴史の教訓を生かす」のかは、これからの私達次第でしょう。


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