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国名ランキング

 クイズというものは森羅万象を対象としている。その答えは多くの範囲に渡っており、完璧なカテゴリー分けをするのは困難である。その数あるカテゴリーの一つに、「国名」というものがある。人名のようにほぼ無限にあるものとは違い、現実に存在する国の名前は約200である。「この数ならば、クイズの解答に使われた回数を勘定することができるのでは?」という疑問が頭をよぎり、私は調べてみたくなったのである。
 多分誰も考えつかなかった、というよりも、実行に移す手段がなかった可能性の方が高い行為である。だが私にはクイズデータベースというものがあり、これの検索機能を用いれば、各国ごとに1回1回検索する手間さえ惜しまなければ出来ることだと判断し、調査を始めたのであった。
 調査を行った1997年6月20日現在、私のクイズデータベースには、5万1128問の問題が入っていた。3分の1近くが自作問という信頼し難いファクターがあるものの、それ以上に大会・問題集に収録された問題が入っているので、大筋はつかめるであろう。また、そういう調査対象で行った研究であるから、他の人が同様のランキングをとっても同じには決してならないだろう。ここでは私の調査による統計で勝手なランキングを作らせてもらった。
 問題文に登場する回数もその国がクイズに用いられている尺度ともなるが、ここでは純粋に答えとして用いられた回数とし、一問多答での登場は除いた。


それでは、クイズ界初の試み、クイズの解答に使われる国名ランキング、発表!

1位 フランス 80

 2位に14問の差を付けて、フランスが「クイズの解答に使われる国名」王座に輝いた。さすがは自由の女神の名産地。さて、1位になったといっても、私がフランスに何かを贈るほど財力やルートを持っているわけではないので、どんな問題で「フランス」という答えが出たのか、というのをチェックするだけにした。多かったのは、「〜に名を残す〜はどこの国の人?」という形の問題。以下の通り、15問9種類があった。 他にも単に「〜はどこの国の人?」や、「〜はどこの国の領土?」と、フランスが「生み出したもの」を答えさせるものが大多数であった。(クイズだからそうなるのは当たり前だが)


2位 ドイツ 67(東ドイツ2、西ドイツ1を含む)

 2位となったのはドイツ。さすがグリム童話の生産地。他の国に比べ、理系問題が多かったのも一つの特徴であろう。目に付いた単語は「ランゲルハンス」「ポツダム宣言」「アルツハイマー」「ユースホステル」「モース」「ラスパイレス」というあたり。

3位 イギリス 54

 3位は大英帝国。さすがは紳士の国。この国を答えさせる問題はかなり分散していて、特定のネタに集中はしていなかった。ただ一つだけ、「〜はどこの国のチーズ?」という問題が目立っていた。


4位 イタリア 49

 さすがはパスタの国ベンゴーディ。問題はクラシックが特に多く、オペラ系のものが目立った。芸術問題もまた多く、芸術系に強いようである。

5位 アメリカ 42

 さて、大国アメリカがこの順位。これを高い順位と見るか、低い順位と見るかは人それぞれであろう。イギリス同様に特定のネタに集中することは無し。ちなみに、解答項目で「アメリカ〜」となっているものは非常に多く、おそらくクイズ文中に現れる回数ならば間違いなくトップであろう。

6位 オランダ 38

 「国名問題で迷ったら「オランダ」を答えよ。」という格言通り、なかなかの位置につけている。実際のオランダの知名度から比べればこの位置は高いと言えるだろう。他の国と比べて、地形・地誌的問題が多いのが特徴。

7位 スペイン 32

 闘牛とフラメンコの国だが、余りにも月並みすぎたか、この2つは全くクイズのネタ振りに使われていなかった。それに対して、「アルタミラの洞窟」、ピカソやダリなどの画家、といった絵画系や、無敵艦隊やザビエルといった歴史系が多い。

8位 スイス 29

 さすがはヘルベッチア。ウィリアム・テルからピングーまで幅広い人物(?)を生み、スキー場のメッカであるだけに、そうした出題が大部分を占めています。

9位 インド 28

 やけに目立ったのは「〜の生産量1位の国はどこ?」「〜の原産国はどこ?」という形の問題。この形の問題で迷ったらインドと答えれば良いのでは?

10位 スウェーデン 27

 目立たないようで結構活躍している、小粒だけれどピリリと辛い山椒のような国。ただ、ネタは偏り気味。覚える人物はラーゲルレーブ、ノーベル、セルシウス等、やや決まり切っている。政治的なものでは、ここは答えづらいのではという意図で答えに落ち着かせる問題が多い。あとはテトラパックとイッテルビー村で十分。


11位 中華人民共和国(中国) 21

11位 ベルギー 21

11位 メキシコ 21

 11位は3カ国。共通点を見いだしづらい3つの国なので、バラバラに評価する。
 中国は農産物重視の向きがあり、とりあえずはお茶とお米から。
 ベルギーはほとんどが人物もの。アドルフ・サックス、ジャン・クロード・バン・ダム、ドント、メーテルリンクをマーク。国際行事ならモンドセレクションとエリザベート音楽コンクール。地名ならスパとイープルとダッフル。
 メキシコはサッカー、ボクシング、オリンピックといったスポーツが目立つ。意外にもプロレスは0。あとはお酒と民族料理といった食べ物系、メキシコ四大画家、古代文明でほぼ抑えられる。

14位 オーストラリア 20

14位 オーストリア 20

14位 ロシア 20(ソ連8含む)

 オーストラリアとオーストリアが同じ順位とは、何か作為的なものを感じる。
 オーストラリアは、20問のうち3問がビールの「フォスターズ」の原産国問題。あとは特殊な地名や、F1を中心とした世界的スポーツ。
 オーストリアは社会政治が少し目立つ程度。他は人名からが多いものの、ほとんどバラバラ。特に注意するような人物はおらず、すっと覚えられるので安全な国。
 ロシアは、大国の割には答えになる回数が少ない。出題ジャンルはバラバラではあるものの、注意して覚えるネタはほとんど無い。逆に言えば、初心者への出題にはうってつけの国。

17位 日本 19

17位 フィンランド 19

17位 ブラジル 19

 ようやくと言うか、ギリギリランク入りの日本。問題の共通点として「意外性」の要素が色濃く見えるが、わざとらしく見えるのも特徴。
 フィンランドはサウナ風呂、通貨単位のマルッカ、スキージャンパーがめぼしいところ。他にパーボ・ヌルミとペサパッロというスポーツネタぐらい。
 ブラジルはF1、サッカーの2大スポーツ、鉱物資源、日系人が多いという国際色といったジャンルが主。

20位 ギリシャ 18

 ランキング最後に入ったのはギリシャ。ちなみに、「ギリシャ」が5問、「ギリシア」が13問と、ギリシア派が多数を占めた。ここはオリンピックと古代文明が双璧となり、あとは地理を覚えればよい。


以下は、次のように続いている。

16カナダ、デンマーク
15インドネシア、ノルウェー、ポーランド
14ジンバブエ
13トルコ、ハンガリー
11イスラエル、シンガポール、フィリピン、ベトナム
10アルゼンチン、大韓民国(韓国)、南アフリカ、モロッコ

 とりあえずここまでが2桁。大体がクイズで注目される国であるが、一つだけ「ジンバブエ」なる異色の国が。何故にこの国が14問も使われているのか?と疑問に思う人は少なくないだろうから、内訳を調べてみた。その結果が以下である。

何と、ネタが6つしかないのに、そのうちの4つで12問を叩き出している。これはもう他の国には真似できないことであろう。


イラン、コロンビア、ニュージーランド、ネパール、ポルトガル
エチオピア、タイ
アイルランド、スリランカ、タンザニア、ナイジェリア、バヌアツ、ベネズエラ、マレーシア、ルクセンブルク
エリトリア、カザフスタン、キューバ、ザイール(現・コンゴ共和国)、ハイチ、ブータン、ボリビア、モナコ

 一桁の上位組。この辺りに来ると、「えっ、この国ってこんなにクイズとして出題されていないの?」という国が見えてきただろう。
 注目はバヌアツ。首都の「ポートビラ」と「エロマンガ島」の出題頻度が3問と同数というのが泣けてくる。あと一つは通貨単位のバツ。
 6問出題の中に、キューバやモナコといった有名どころに並んで、比較的最近誕生したエリトリアが並んでいる。クイズにおいては国の歴史なぞ関係ないという表れであろう。


アルバニア、エジプト、カタール、ガーナ、クウェート、チェコ、トンガ、ミャンマー、リヒテンシュタイン、ルーマニア
アイスランド、アフガニスタン、アルジェリア、アルメニア、アンドラ、ウクライナ、クロアチア、コートジボアール、ジャマイカ、ナウル、西サモア、パラグアイ、マダガスカル、ミクロネシア、ユーゴスラビア、リベリア
アラブ首長国連邦、イラク、ウガンダ、ガイアナ、キプロス、キリバス、グルジア、コスタリカ、サウジアラビア、サンマリノ、セネガル、ソマリア、チェコスロバキア、チリ、ドミニカ共和国、ナミビア、バチカン、バーレーン、パラオ、フィジー、ペルー、マラウイ、ヨルダン、ラオス、レソト
イエメン、エルサルバドル、カンボジア、ギニア、グアテマラ、グレナダ、ケニア、コモロ、ザンビア、シエラレオネ、スーダン、スワジランド、ソロモン諸島、チュニジア、ツバル、ニカラグア、パキスタン、パナマ、バハマ、バングラデシュ、ブルキナファソ、ベラルーシ、ホンジュラス、マーシャル諸島、マルタ、モンゴル、リビア、ルワンダ、レバノン
アゼルバイジャン、アンゴラ、アンチグア・バーブーダ、エクアドル、オマーン、カーボベルデ、ガボン、カメルーン、キルギス(キルギスタン)、ジブチ、スリナム、スロベニア、セイシェル、赤道ギニア、セントビンセントおよびグレナディーン諸島、チャド、中央アフリカ、朝鮮民主主義人民共和国(朝鮮)、トーゴ、ドミニカ国、トリニダード・トバゴ、パプアニューギニア、ブルガリア、ベナン、ボツワナ、マケドニア、マリ、モザンビーク、モルジブ、モルドバ、リトアニア
ウズベキスタン、ウルグアイ、エストニア、ガンビア、ギアナ、ギニア・ビサオ、コンゴ、サントメ・プリンシペ、シリア、スロバキア、セントクリストファー・ネイビス、セントルシア、タジキスタン、トルクメニスタン、ニジェール、バルバドス、ブルネイ・ダルサラーム、ブルンジ、ベリーズ、ボスニア・ヘルツェゴビナ、モーリシャス、モーリタニア、モンテネグロ、ラトビア

 これで全ての国が出揃った。この辺りに来ると、注目すべき国を選ぶこと自体が困難だが、一番注目したいのはウルグアイで、何と0問。しかし逆から見れば、この国を答えさせる問題は「サッカーW杯第1回」か「モンテビデオを首都とする」の2通りしか思い当たらない。これだけでは5万問程度の問題に引っかからないということか、それとも5万問では少なすぎたのか、という一つの疑問を投げかけた。
 それにしても、「ナウル共和国」が4問もあるのは、クイズというものの奥の深さを感じるに十分であった。

 国名が答えの問題総数は1280問。単純計算すると、40問に1問が国名を答えさせる問題になる。だが、5万問ではまだ母数が少ないというのが今回の調査で感じたことであった。そうなるとこのデータは何の意味を持たないのか?というと、あながちそうではないだろう。いままでは考えもつかなかったアプローチ方法が随所に見ることができるだろうし、全く役に立たないデータであったら、こうして皆さんのお目汚しにはしなかった。このデータをクイズを行っていく上で何かの役に立てていただければ幸いである。


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